小林さんとトール、女が女と生きる物語

小林さんちのメイドラゴンの2期がまもなく放送開始となる。

このアニメ、今年の再放送で偶然見たのをきっかけに履修したんですけど、こんなに良作だとは放送当時知らなかった。

もともと京都アニメーション作品はらき☆すたやけいおん!などは好きで見たことがあったんだけど、このアニメは放送当時ビジュアルを見た際「胸がでかいな、the男性向けキャラ萌えアニメか…」と思って全然レーダーに引っかからず。

ただ、仮に放送時見ていたとしても、多分今のわたしとは違う感想を抱いたと思う。今の自分はまさに小林さんが近しい存在で、だからこそ、このアニメの良さをダイレクトに感じることができたなあと思う。

このアニメ、本当に「小林さん」がめちゃくちゃに良い。この良いっていうのは、かわいいとかキャラとして愛でる良さじゃなくて(いや小林さんは可愛いですけど)、「価値観がしっかりとしていてまっとうな人」という、イチ人間としての良さ。25歳で会社で信頼されてて、メイドが大好きだけどオタクって感じではない。本人も完璧じゃないけどすごく器が大きくて、ドラゴン2人を養えるだけの財力もある。こういうキャラ造形のバランスがすごく不思議で良い。そして、本編を見ればわかると思うけど、小林さんの価値観やセリフがとても良くて、みんながすこしずつ彼女を通して救われていく。(でも聖人!って感じとも違う。)

小林さんは、はじめはトールに押されがちだったけど、だんだんトールとうまく生活するコツを掴んで、彼女自身もトールとの生活で心が豊かになっていく。相互関係。

トールのキャラクター造形もすごく面白いなと思った。初っ端から小林さんに惚れ込んで(それも初見時びっくりした、百合アニメなんだとは知らなかったのだ)、「性的に好きです!」とか言う。でも、口で言うだけで、本編でそういう展開にはならない。それは小林さんが彼女に惚れていないから、ではなくて、トールは基本的に小林さんが嫌がることをしないから(※しっぽ肉は食べさせようとはするけど…)。むしろ小林さんの生活面を家事だけでなくご近所付き合いまでサポートしてくれる。そんな彼女だからこそ、小林さんも恋心を抱かれていても、安心して彼女と生活ができているんだと思うし、彼女を信頼している。

小林さんは性的にトールに惚れてはいないだろうけど、トールが大切な存在であるのがよく分かるんですよね。もちろん最終回がその最終形態ではあるんだけど、その前からひとつひとつのささやかな描写で、キチンと伝えてくる。

話が進むにつれてふたりの関係が台頭になっていって、最後には「家族」になっている(途中から女の子のドラゴン、カンナも加わり、子育てまでスタートとなりますね)。

お互いが相手へ抱く感情は違うものだけど、無理に相手の感情に合わせない。それでも「あなたが大切」なことに変わりはないから一緒に生きていく。

前置き(?!)が長かったんですけど、メイドラゴンアニメ1期はそういう、「女と女がともに生きていく物語」だったんだよ…………わたしはそう解釈して見ていた。終盤も近くなった頃、わたしはこのふたりを「わ〜い百合だ〜〜」と言えなくなっていた。この関係性を、ひとことで言い表すのが憚られていた。

まあ、もちろん男性向け的なシーンとかはあるんですけど、そういうのが理由で敬遠してしまうにはもったいない作品でしたね。気づくの遅かったね…。

出会って間もない身ではありますが、2期直前に見ることができて本当によかった。そしてこれですよ。

あ〜〜〜すきになってよかった〜〜〜〜〜。

※1期OPのアーティストのMVを声優陣でカバーし、MVまで再現するというどうしたらそんな企画が実現するんだ、な内容です。小林さんが見た目まで本物です。田村睦心さん……………。

メイドラゴン2期、楽しみですね〜〜!

ちなみにアニメを万全に楽しむべく、あえて原作コミックは触れていませんので、ここまでの感想はすべてアニメ版に対してのものという点だけ付け加えておきます。アニメ2期が終わったら原作読みます。

まとまりがないですが、このへんで。メイドラゴン、おすすめです!



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