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攻めと受けとハンディキャップ

※本記事はhttps://adventar.org/calendars/4642 企画の一貫として記述されています。

 さて、去年に引き続き、12月8日担当の熊猫小屋でございます。といえば、ソ連崩壊を決定づけたベロヴェーシ合意が結ばれたということで、ソ連を題材にしたウォーゲームを何本か紹介してお茶を濁そうと考えておりました。

 が、手元に”Twilight Struggle”と"クレムリン"と”独ソ電撃戦”くらいしかないぞ…前2つはウォーゲームというと角が立ちそうだし、後ろのは未プレイだし…ということでいささか話を脱線させて、技量差のあるプレイイングについてのいち提案をばしたいと思います。

 ソ連は独ソ戦後半や冷戦初期の「攻め」も、独ソ戦前半や冷戦後期の「受け」も出来る名バイプレイヤーです。これはひとえにドイツよりは高いが、アメリカよりは低い国力と国土の物理的空間の広さが産むものです。

 いわゆる戦術級ゲームでは、攻防がはっきりしているゲームも多く、勿論最終的なVP計算で勝敗を分けるとはいえ、防御側は延々と攻撃側の作戦目標未達成をめざすという精神的に苦しい時間が続くということも多くあります。こういう観点から、最近のゲームでは攻撃側に中間達成目標を入れて、未達ならサドンデス形式というような防御側の精神に配慮したものが多くなっているように思います。ただ、現状プレイヤーの技量に差がある場合、まずは上級者がよりしんどい防御側を持ってプレイすることが多いのではないでしょうか。

 ウォーゲームで初心者に対して「接待プレイ」はあるべきか?なんてことがひところ議論になりましたが、陣営決定を譲るのも、将棋で言えば下手側に先手をもたせる「下手先」というハンデの一種ととらえることができます。

 2人が争ったときの技量差を表す指標として、チェスから導入されたイロレーティングという指標があり、これまでの対戦実績から、指数をはじくことが可能です。非常に大雑把にいうと1勝2敗ペースならレーティングが100点、1勝3敗ペースならレーティングが200点違い、100点違うと、予め開始時に駒を落として、ハンデ戦にするのが適当な手合とされています。

 ウォーゲームでもプレイイングに技量差がある場合は、予め適切なハンデを設定することは可能ではないか。コンピュータ将棋の治験からいくと、人間は思考時間を半分にすると、レーティング200くらい弱くなるということで、プレイ中の思考時間に一定のハンデをもたせるのは、アリなのではないかと思っています。

 もちろんウォーゲームは、動かすコマ数も非対称だし、サイコロ判定もやるし、途中でマニュアルチェックも入るわけで、単純にはいかないとは思います。

 ただ、レーティング差200の「だいたい勝つな」くらいならば、相手の思考時間をスマホのタイマーで測り、上手側はその半分の時間でターン処理をすることを目標に、

 レーティング差100の「割とはっきり差がある」くらいならば上手が下手の7割の時間で処理することを目標に(なんなら合意の上でサドンデスの条件にしてもいい)でプレイしてはどうか?というのが自分の提案です。

 おそらく普段プレイしているゲームも少し時間を意識するだけで、また違った緊張感を得られるのではないか?と思います。

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