![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77836531/rectangle_large_type_2_151d5da3cd6967fe08c2c01dede19860.jpg?width=800)
朝焼けの中で
八つか九つくらいの年ごろだった。 朝はまだひんやりしていた。私は門柱に寄りかかって空を見ていた。 朝日が昇ろうとしていたのだろう、透明な空が色づいていた。 朝早く戸外にノートと鉛筆を持ち出して、私は何やら書きつけていた。 が、空があまりに美しいので、その微妙な光線の変化を書き留めておきたくなって、 雲の端の朝焼けの色や、雲を遊ばせている黄金の空に向かって感嘆の叫びをあげつつ、 それにふさわしい言葉を並べようとし始めた。 けれどもなんという絶妙な光の舞踏・・・・・。 わたしあの朝、初めて言葉という物の貧しさを知ったのである。 絶望というもののあじわいをも知ったのだった。 自然の表現力の見事さに、人のそれは及びようのないことを、魂にしみとおらせた。 うちしおれる心と見事な自然の言葉に声を失う思いとを、共に抱き、涙ぐむようにしていると、 父が出てきて、笑顔を向けてくれた。 何を話してくれたか、もう記憶にない。ただあの時の強い体験にふさわしいようないたわりが、 父から流れてきたことだけが残っている。 空が白くなり、人間たちの朝が動いていく気配が満ちた。
「朝焼けの中で」森崎和江
僕が朝焼けを好きになった理由の詩。
冷たく澄んだ空気と、湿りの中からの植物の艶。鼻を通る香りが頭の中を爽やかに駆け抜けていく。
早起きは三文の徳というけれど、これを三文程度で得られるのなら地球は素晴らしいサービス業を営んでいる。
感性というものに支配されて、直感というものに惑わされて生きてきたのだけど、
今は、本当にそれでよかったと思う。
大切なものを見つけることができた。
これからどうなるのかわからない。けど、前に進む原動力が生まれた。
向き合うチャンスがまたやってきた。
なんて運がいいんだ。
どうでもいいことは金魚のふん。君は君の好きなように生きればいい。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77836514/picture_pc_90216d97e9a6d7fe51e026d13dbd2081.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77836516/picture_pc_6ff7249f9e3a746ee34cd2d0677c3631.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77836520/picture_pc_1efe0f629b4adc7810132cf31b8f0d12.png?width=800)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?