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レーンの化けの皮は剝がれた

さすがに擁護するのは難しいですね。先週で2ヵ月の短期免許を終えたダミアン・レーン騎手は、関係者に印象付ける活躍どころか落胆させる成績を叩き出し、傭兵外国人騎手として次回以降は期待できないであろう微妙な印象しか残せませんでした。

以前書いたレーン絡みの記事はこちらからどうぞ。

2つの目の記事は、2年目のレーン来日時のものです。1年目の大活躍から、それと同レベルの活躍を期待した関係者にとってちょっと期待外れの成績だったことを受け、私は「傭兵としても疑問符がつく成績」と評しました。

内閣支持率と与党第一党の政党支持率の和を青木率と言い、これが60%を切ると回復は難しく、50%を切ると政権が倒れると言われるほど政界では有名な指標があります。私個人は短期免許組に対してこの青木率と同じような指標を使っており、短期免許の外国人騎手の勝率と3着内率の合計が70%が合格ライン、80%超えたら次回どころか海外遠征で積極的に起用したい安定と信頼のラインと考えております。過去の実績では、こんな感じです。

モレイラ  2016年 100%(香港ヴァーズ)
      2017年 80.5%(QEⅡ世C、ドバイターフ)
      2018年 95.0%(キーンランドCなど重賞5勝)
ムーア   2017年 77.6%(チャンピオンズCなど重賞3勝)
      2018年 74.1%
デットーリ 2019年 71.5% ※2週間のみ
スミヨン  2019年 69.1%(エリザベス女王杯など重賞2勝)
レーン   2019年 84.0%(コーフィールドCなど重賞9勝)
      2020年 71.4%(京王杯SC、ユニコーンS)
マーフィー 2020年 70.1%
Cデムーロ  2021年 74.1%(阪神C)
      2022年 72.2%

同年の重賞だけでも良く勝っていますし、前後の年で海外遠征の日本馬で勝つ事もあり、日本馬の海外遠征で結果を出したから来日時の成績が良い、あるいはこの数字が高いため良い日本馬が回ってくる=GⅠ勝利など成績が良い、と個人的に考えています。

そういう視点から考えれば、レーンは化けの皮が剝がれたレベルでヤバイですね。初来日した2019年は84.0%という驚異的な数字を残し、国内重賞を7勝し、海外GⅠを2勝する大活躍を見せました。ところが、翌年の2020年はその期待を大きく裏切るように71.4%に急落し、重賞は2勝に留まります。騎乗馬の大半が1番人気だったのにも関わらず、です。

細かい点は上記の記事をご覧頂きたいのですが、簡単に言えば2年目の成績はちょっとどうなの?ってレベルだったわけで、何が何でも呼ぶレベルじゃないでしょと思わざるを得ない成績だったんですね。それが3年目となる今年はさらに成績を下げてしまったのだからさぁ大変。

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これが・・・

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こうなって・・・

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こうですからね。勝率、連対率、3着内率の全てを落としていますし、このレベルの騎手なら今の生きの良い若手に回しても出せそうな数字ですので、ぶっちゃけ来てもいいけど来なくてもいいレベルに成り下がってしまった感しかありません。

2019年 勝率30.4%、連対率39.2%、3着内率53.6%(重賞9勝)
2020年 勝率21.4%、連対率37.0%、3着内率50.0%(重賞2勝)
2022年 勝率18.9%、連対率36.9%、3着内率45.1%(重賞1勝)

こう書けば分かりますよね。単純に数字を落とし過ぎなんです。しかも中身を見ると、全23勝のうち1番人気で17勝、つまり勝利数の73.9%を1番人気に依存しており、その下の2・3番人気は勝率を3~4割も落とす壊滅的な数字を記録しています。3着内率を見ても、1番人気が高い水準に戻している一方、2番人気は目を覆うばかりの数字であり、3番人気が辛うじて現状維持といったところです。もともと有力馬にしか騎乗せず、人気馬でしか勝てなかったのに、その人気馬の成績を落としてしまっては成績に影響が出て当然です。

現に最初の2週間で騎乗した31鞍中、24鞍が1~3番人気でした。そこで4勝、2着6回、3着2回と勝ちきれないレースが続くと、翌週からダービーまでの3週間は39鞍に騎乗、1~3番人気は26鞍と騎乗数も人気馬も減少してしまいます。そこを7勝、2着4回、3着5回として持ち直したかに見えましたが、後半1ヵ月は52鞍に騎乗、1~3番人気は34鞍と騎乗数は回復せず、1番人気の荒稼ぎで勝率は格好を付けたものの、3着内率は大きく落としてしまいました。

人気馬の騎乗数が最初の2週間で24鞍、その次の3週間が26鞍、後半ひと月で34鞍と徐々に減ったのは、レーンに見切りをつけた関係者が予想外に多かったのかもしれません。これでは自身の成績の肝となる有力馬を集められず、その結果、成績が悪化するのは当然の帰結でしょうね。2年目も6月に大きく成績を落としているので、そこも関係あるのかな。分かりませんが。


というわけで、今年のレーンは失敗でした。上記の3つ目の記事で、レーンに来ないでほしいと書きましたが、この成績ならたとえドラマ性があっても遠慮したいです(笑)現状のレーンは2023年春までは短期免許が取得できますが、来年来るかなぁ~というか来れるかなぁ~という感じですね。

初年度のインパクトが強すぎた上に、矢作先生のバックアップで有馬記念を取ったのが尾を引いた感はありますが、まぁ来春が正念場です。下手したら二度と日本に来れなくなりますからね。それを回避するために手を差し伸べる関係者・・・いるかなぁ~・・・ルメールが日本での騎乗を抑えていますし、後継者を探し始めてもおかしくないんですが、それにしたってこの成績じゃあねぇ・・・レーンを呼ぶ必要あります?

ともかく、ぶっちゃけこのレベルなら短期免許で来ないでほしいと強く思います。せっかく若手が活躍し、ベテランがそれに呼応する良い流れの日本競馬界ですから、まだこの流れを止めるのは早いんじゃないでしょうか。もう少しで安定しそうな雰囲気もありますので、安易に短期免許の傭兵に頼るのは一旦ストップして、自国の騎手たちをもっと信頼してほしいと思います。


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