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ドバイミーティング

壊れたPCからデータのサルベージが終了し、何とか作業ができるようになったのは3/26の夕方でした。そしてサルベージしたデータを移行している時にふとJRAのHPを覗いてみると、なんとドバイワールドカップが夜からあるとの文字が目に飛び込んできました。

うぁぁぁぁぁ!!!!
そうだったぁぁぁぁぁ!!!!


とならないわけがありません。だって3/17から競馬はおろか、世間にニュースでさえろくに取得できなかったんですから。そりゃ驚きますよ。


んで、夜9時から放送に合わせて慌ててデータ移行を終わらせて、なんとか放送を見始めたんですが、先月から介護やなんやでバタバタしていましたので、何が出走するのかもあやふやだったんですね。したら、初っ端の2Rから我らが坂井瑠星がガチコン勝ってくれました。すげぇ興奮するかと思ったらそうでもなかったですね。なんでだろう。ダートで逃げ切るのは坂井流星が得意としている戦法の一つですが、ドバイの地でこんなにアッサリと見せつけてくれるとはねぇ~さすが坂井流星。

続く3Rのドバイゴールドカップは、サウジのレッドシーターフHを快勝したステイフーリッシュが長距離巧者の底力を見せ、ゴール前の競り合いを制して1着でゴール。前走は斤量60キロでしたが、今回は57.5キロと楽になりましたし、一発あるかと侮っていて申し訳ありませんでした。

5RのUAEダービーは、クラウンプライドが余裕の差し切りで快勝。ラニ以来6年ぶりの勝利となりました。ヒヤシンスSで見た時はそんなに印象に残った感じじゃなかったんですがね。低評価を覆すサプライズでした。


そしてここから国際GⅠレースが始まります。まず6Rのドバイゴールデンシャヒーンにレッドルゼルとチェーンオブラブが挑戦しますが、最後方待機から直線一気で鋭い伸び脚を見せたもののレッドルゼルが2着に入るのが精一杯。展開的にちょっと苦しかったですね。

続く7Rのドバイターフは、逃げ粘るパンサラッサと後方から猛追するヴァンドギャルド、その間にいる昨年の覇者ロードノースが激しい叩き合いを見せほぼ同着で入線する大接戦となりました。結果はパンサラッサとロードノースの1着同着で勝利を分け合う事となりましたが、これは以外でしたね。名勝負といえば名勝負なんでしょうが、パンサラッサ矢作かぁ~という印象が強く残っています。

そして8Rのドバイシーマクラシックでは、出走15頭の内、1/3の5頭が参戦しました。大将格である昨年のダービー馬シャフリヤールは好位からレースを進め、直線で堂々抜け出すと外から追ってくる昨年のBCターフの勝ち馬ユビアーを抑えて1着でゴール。見事、日本ダービー馬として初めての海外GⅠ制覇の快挙を達成しました。

最後にメイン競走、9Rのドバイワールドカップでは、昨年に続いて参戦したチュウワウィザードが後方から末脚を伸ばしましたが、大勢に影響することはなく、大勢決した後に3着に入る形となりました。7歳にしてまだまだ力の衰えを見せない同馬ですが、世界の頂を狙うにはちょっと苦しいですね。


さて、今回のドバイミーティングで行われた全9R中、日本馬が参戦したのは8Rありましたが、その内5勝を挙げた日本馬の活躍は目覚ましいものがあります。そんな日本馬の活躍を見た私は何とも言いようがない違和感を覚えるのですよ。理由は色々ありますが、ドバイミーティングという世界でもトップクラスのレース群を勝つのが、日本ではGⅡレベルの馬だという現実を受け止められないからだと思います。海外で勝つ馬は日本でも優秀な成績を残した馬という認識がどこかに残っているのでしょうね。

今回勝った5頭は戦績は

・バスラットレオン  ニュージーランドT
・ステイフーリッシュ 京都新聞杯、レッドシーターフH
・クラウンプライド  もちの木賞
・パンサラッサ    中山記念、福島記念
・シャフリヤール   日本ダービー、毎日杯

となります。惜しくも敗れた馬にしても、

・ソリストダンサー  武蔵野S
・レッドルゼル    根岸S、JBCスプリント
・チェーンオブラブ  アクアラインS
・ヴァンドギャルド   富士S
・オーソリティ    アルゼンチン共和国杯、青葉賞、ネオムターフC

ですからね。一流馬というにはなかなか難しいラインナップである事は間違いないでしょう。ちょっと前ならこんな戦績で参戦すんじゃねぇとか言われたかもしれません。

しかし、結果は日本馬の大活躍に終わりました。この結果を見せつけられたら、間違いなく日本馬のレベルは世界トップレベルと言って過言はないでしょう。今まで、『そんなに日本馬のレベルが高いならもっと海外で活躍できるハズだ(だからそこまで日本馬のレベルは高くない)』と言ってきましたが、もう認めざるを得ませんね。


また、今回も矢作先生が3勝を挙げる活躍を見せました。内2勝はGⅡ競走でしたが、それでもドバイの地で挙げた2勝、しかも愛弟子を乗せて挙げた勝利というのは大変素晴らしいものです。坂井流星がデビューしてから長期の海外武者修行に出てる間も、様々な場面で海外競馬に触れさせ、多くの経験を積ませた事が間違いなく彼の糧になっているでしょう。師弟関係とは、殴る蹴るの暴行をするのではなく、本来こうであるべきだと強く思いました。

それに矢作先生は適材適所のレース選択をできていますよね。バスラットレオンやマルシュロレーヌのように芝ダートというカテゴリーで判断せず、そこの馬場に合うかどうかで判断している点は、日本の調教師にとって大きなポイントとなると思います。昨年のラヴズやマルシュロレーヌだけでなく、グローリーヴェイズ、ウインブライト、リスグラシュー、メールドグラース、ネオリアリズムなど近年は適鞍を求めて海外へ参戦するケースが増えていますが、これはなかなか出来る事ではありません。いくら適鞍があるとはいえ、簡単に海外遠征させてくれるオーナーも多くはないでしょう。社台レースホースは照哉さんがいいねと言えば行けるでしょうが、広尾レースはパンサラッサが居なかったらバスラットレオンを遠征させてたか分かりませんからね。

しかし、今回のドバイミーティングで日本馬の実力が証明されたことで、今後多くの日本馬が海を渡って海外の大レースに挑戦する事でしょう。香港やドバイだけでなく、豪州や米国、サウジなど様々な国の競馬を体験し、そこに見合った馬を選択して連れていける事が、良い調教師の基準になりそうな気がします。欧州も、仏国だけでなく英国も愛国も独国もありますから、凱旋門賞が最高峰だという認識を改めなくても、様々なレースに挑戦する事はできますからね。

そう考えると森先生が長年やってきた事は時代を先取りしすぎたんだなぁと思いますねぇ。間違いなく日本競馬界の礎になっていますよ。成績だけでなく、そうした面も評価される世界だと良いなぁ。


ということで、バタバタした中ではありましたが良いものを見れました。来週中に日本競馬に復帰できるかは微妙ですが、今後も良いレースを見れたら嬉しいですし、見捨てずに応援できる馬、人ができたら心が安らげるでしょう。早く、相続が終わってくれ。

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