ワグネリアン急死に思う
2018年のダービー馬ワグネリアンが、昨日1/5に急死していた事が分かりました。管理する友道先生によれば、胆管に胆石が詰まっていたことから多臓器不全に陥ったと見られるそうです。初めてダービージョッキーの称号をプレゼントしてもらった福永もトレセンに顔を出したようで、最後のお別れをしっかりしてほしいですね。
ワグネリアンは3歳の神戸新聞杯を快勝後、天皇賞・秋に向かう予定でしたが、疲労が抜けずに秋はこの1戦のみに終わります。翌年は大阪杯から始動したものの、鞍上の呪いの影響か、終始内を走って直線も楽に進路を確保したにも関わらず3着まで。そこまで期待されるほどの馬ではなかったという懸念が生まれてきます。
その後、「使うレースがなかった」との事で札幌記念に出走しますが、ここも4着に敗れます。4角から強気に攻める競馬を見せるも伸びきれず、他馬にあっさり交わされた競馬は『弱いダービー馬』という懸念を一層強くするものでした。秋には適鞍と見られていた天皇賞・秋、東京2400のジャパンCに出走するも後方から大勢決した後に突っ込んでくる競馬しかできず、能力の低さを露呈してしまいます。
最後の望みとばかりに出走した5歳の大阪杯では、前年と同じ様な形で内を進んだものの4角で動かず下がってしまい、さらに上位陣と同じ末脚しか出せなかったために5着が精一杯。前に行ってもダメ、後ろから行ってもダメという結果にワグネリアンの華々しい競走生活は終わりました。その後、約一年半で5戦しか使えず、GⅠでは二桁着順、GⅡでは掲示板前後と全く良い所がなく、昨年のジャパンC後に肝臓疾患で療養していましたが、多臓器不全により亡くなりました。
こうやって見ていくと、「あぁ福永にダービーを獲らせるために生まれてきたんだなぁ」と思いますね。同世代にはフィエールマンやブラストワンピース、グローリーヴェイズ、ダノンプレミアムなどが居ましたが、負かした相手はダービー2着の皐月賞馬エポカドーロやシルバーコレクターのエタリオウなどであり、決して強い馬だったわけではありません。
鞍上も、どちらかと言えば流れに身を任せて負けたら馬の能力が低かったというタイプの騎手ですから、そこそこの末脚はあるが後方待機である場合に限る馬には合わないですよね。大阪杯が良い例だと思います。ダービーの時のように積極的な競馬を続けられれば違ったかもしれませんが、古馬以降はチグハグな競馬が目に付きましたし、そうした状態で何とかできるタイプの騎手でなかったことも不運でした。
にしても金子オーナーは話題に事欠かない人ですね。競走馬を使い潰す系の馬主に見えますが、かといってマカヒキやカネヒキリ、デニムアンドルビーのように終わったと思いきや急に馬券に絡んでくる馬も居ますから、良い意味では馬を信じている、悪い意味では使い潰しているといった感じでしょうか。
サンデーやディープの血の飽和という国内の問題もありますから、使い続けるのは決して悪くないと思います。ただ、マイルに行ったりダートに行ったりと迷走するぐらいなら、引き際は綺麗にしてほしいかなと個人的には思いますね。
血を残すというサラブレットの使命を果たせなかったのは残念ですが、複永にダービーを、という使命は果たせましたので、ゆっくりと休んで欲しいと思います。