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JRA理事長の功罪は?⑧

すいません、申し訳ない、ゴメンなさい。終わる予定でしたが、ジャパンCで熱くなって気が付けばこうなってました。おかしいなぁ。ホントは全4回程度で終わる予定だったのに。もうね、理事長が悪いのよ。改悪ばっかするから。言いたい事は山ほどあるのは私だけじゃないし、私はファンの皆様の声を一部代弁しているわけですから、理事長は猛省してやり直すか、任期満了まで何もしないで下さい。

2020年(令和2年)
2月 ジャパンCに参戦した外国馬の褒賞金を一部変更
3月 弥生賞の名称をディープインパクト記念に変更
8月 暑さ対策で小倉競馬を休止に
9月 馬場情報の追加【芝馬場のクッション値】

前回の続きのような形になりますが、今年に入ってJRAは、三度ジャパンCの褒賞金増額に踏み切りました。近年の褒賞金の推移は以下のようになっております。2016年には指定外国競走が5R追加され、24Rとなっています。

2016年 1着100万ドル、2着  40万ドル、3着25万ドル、4着以下10万ドル
2017年 1着200万ドル、2着  40万ドル、3着25万ドル、4着以下10万ドル
2020年 1着300万ドル、2着120万ドル、3着75万ドル、4着以下20万ドル

わずか4年で1~3着は3倍4着以下は2倍に増加されています。1着であれば賞金3億円+300万ドルなので、現在のレートに換算すると6億円ちょっとですね。ドバイWCの7.5億、サウジCの10.8億、かつてのペガサスWCの7.9億に迫る金額です。ただね、誰でもその金額を貰えるわけではなく、指定外国競走を勝った馬のみなんですよ。指定外国競走の半分以上にあたる13Rは、馬場がかなり違う欧州のGⅠであり、それを勝てるほどの馬がわざわざリスクと引き換えに東洋の島国まで来ますかね?ドバイとかアメリカの方がまだチャンスあると思いますよ。

ジャパンCに取って代わり、アジアの国際招待競走代表の地位を手に入れた香港国際競走は、各レースの1着賞金を以下のように設定しています。レートはいずれも本日のものです。

香港C      1596万香港ドル(約2億1700万円)
香港マイル   1425万香港ドル(約1億9400万円)
香港ヴァーズ  1140万香港ドル(約1億5500万円)
香港スプリント 1140万香港ドル(約1億5500万円)

これくらいの賞金でもジャパンCより遥かに外国馬が集まるのですよ。同じクラシックディスタンスである香港ヴァーズは、ジャパンCの半分の賞金ですが、下記の表のように外国馬の参戦はかなり多いです。

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香港ヴァーズは、国際G1に昇格した2000年以降の20年間で延べ255頭が出走し、地元香港馬は74頭、日本馬は21頭、それ以外の外国馬は160頭(内欧州馬は137頭)です。半数以上が欧州馬地元香港馬は3割程度しか出走していません。

一方、ジャパンCには同じ20年間で延べ330頭が出走しましたが、その内訳は地元日本馬は240頭外国馬は90頭(内欧州馬は65頭)です。香港ヴァーズとは逆に地元日本馬が7割以上も出走しています。

この差は賞金の問題でしょうか?もちろん違います。香港では勝てるからです。過去20年間で欧州馬は2002~2009年まで8年連続を含む14勝しており、勝率は70%です。片や同じ期間のジャパンCは、欧州馬が勝ったのはわずかに2勝勝率は10%であり、2005年のアルカセット以降、14年間未勝利です。この数字だけでも外国馬が来ない理由が分かるでしょう。

さらに、香港国際競走は4つのカテゴリーに分類されている点も見逃せません。根幹距離である1200m、1600m、2000m、2400mでレースを用意すれば相手関係を見て参戦しやすくなるメリットがありますからね。GⅠが多ければそれだけ大きなイベントとなりますし、関係者も報道陣も大挙して押し寄せます。その人達の心を香港流のおもてなしでガッチリ掴めば、勝てる可能性が高く、そこそこの賞金が貰え、満足するおもてなしをしてもらえるのだから、そりゃ参戦しますよ。

あと気になったのが、上の表を作成している時にジャパンCは北米の馬を多く招待している点です。欧州に比べたらどうしても北米の芝馬は一枚劣るイメージがありますが、それを招待しないと招待馬が集まらないのであれば、既にジャパンCの賞味期限が終わっている事を意味すると思います。欧州の競馬を模範に作られた日本競馬なので欧州馬を招待したいけど、あまりにも違う馬場を敬遠されるので、仕方なく次点の北米馬を招待したが、それにも拒否され、結果、誰も来なくなったという印象を受けますし、消費期限を迎える前に大改革が必要ではないでしょうか。

こう考えると、やはり褒賞金を上げただけでは外国馬は来ませんよね。そもそもそれに該当する馬はジャパンCに見向きもしませんからね。やるなら該当しない馬をどう引き込めるかです。まずは検疫の問題を片付けて、それからGⅡクラスの馬をバンバン招待して日本の馬場に合う適性の馬を探すのが現実的な解決策でしょうか。日本の馬場で通用する適性の馬が見つかれば、そういったタイプを送り込んでくる可能性はありますからね。それでも検疫が最優先なのは間違いないですが。理事長の発言や流行病のおかげで、おそらく今年もジャパンCに出走する外国馬はいないでしょう。だからこそ、今がチャンスなのです。できる事は全てやる気持ちで動かないと。世界の大富豪相手にそこそこのホテルや安酒を振舞うなんて言語道断ですよ。


続いて3月には弥生賞の改名という、賛否両論どころか反対意見しか無かった大問題を引き起こします。ホント何考えてんだJRAはよ?理事長出て来いよ。何万、何十万というファンの前で、なぜ弥生賞を改名しなきゃいけなかったか説明してみろよ。激おこプンプン丸どころの話じゃないぞ。

だいたい、なぜ弥生賞じゃなきゃいけなかったんだ?セントライト記念やシンザン記念を創設したのは半世紀以上前だが、当時はまだレース体系がバラバラだった時代だから何とか合わせられた。しかし、今は全てがガッチリ固まっている状態だから、簡単にレースを作る事は難しい。だから既存のレース名を変更して対応した。言いたい事は分かる。海外でも既存のレース名を名馬の名前に変更する例はあるから。

しかし、弥生賞はダメだろ。伝統と格式、歴史と慣習があるレースの名前をいきなりポンと変えるのは、レースの施行距離や時期を変えるよりよっぽど改悪だぞ。いくらディープインパクトが相手でもやっていい事と悪い事がある。西山オーナーの話によれば馬主会にも内密に話を進め、急に変更案を持ち出してきて了承させようとしたんだって?そういう狡い手を使う時点で大義はないのだよ。自分達の意見に自信があるのであれば、根回しの段階からしっかりと説明をすればいいだけなのだから。

ところが、猛反対を食らってからもめげずに説得し、一歩も引かず、結果的に落とし所が両方併記するって、それこそアホだろ。副題とかやりようはいくらでもあるじゃないか。何なら共同通信杯をディープ記念にして、トキノミノル記念の副題を弥生賞にもってきたっていいんだぞ。そっちならまだ賛同する人間は居たかもしれない。弥生賞とGⅡに拘った結果がコレだとしたら、競馬の根幹である伝統と格式を無視した愚行としか言いようがないね。

もし、どうしても重賞からスタートしたいと言うなら、きさらぎ賞、共同通信杯、毎日杯、スプリングS、京都新聞杯あたりから選択すればよかった。一番無難なのは京都新聞杯だろうか。京都新聞には悪いが、今回は涙を飲んでGⅡの位を譲ってもらい、京都新聞杯はきさらぎ賞とかスプリングSの副題にすれば収まったかもしれない。まぁ一番は若駒Sの副題にディープインパクト記念を持ってきて、お得意のレーティングを無理矢理上げる手法で重賞に格上げする方法なんだが。

いずれにしても、新聞でもWeb上でも弥生賞の表記は消えたし、もう二度と弥生賞という言葉は使われる事はないだろう。よっぽどJRA理事長にまともな見識と実行力を持った人が出てこない限りね。たぶん数年後には弥生賞の名前も外されるんじゃないかな。だったらスプリングSでもって思うのは私だけかな。長く競馬をやっていてこれほど怒ったのも久しく記憶に無い気がするよ。

⑨に続く
やっぱりダメでした。終わる終わる詐欺ってこういう事を言うんですね。



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