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レーンの評価は失墜した

レーンが来日してからひと月が経ちました。皆さんもご存知のとおり、彼の成績は芳しくありません。というか、こんなに勝てないの?とイラ立つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例によってレーンのデータを見てみると、2019・20年の成績がこうです。

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高い勝率と3着内率は1~3番人気の人気馬に支えられていることが分かります。では、この一ヵ月の成績を見てみましょう。

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うん、勝てなくなりましたね。勝率は25.2%→18.6%と1/4ほど落ち込んでいます。連対率と3着内率はそこまで変化はないのに勝率だけが大きく減少しているのは、取りこぼしが多いからでしょう。特に1番人気は勝率が以前と同じく高い水準で、3着内率も6割を超える活躍を見せておきながら、2番人気は勝率27.0%→13.3%と以前の半分以下に落ち込んでいますし、3着内率も57.3%→40.0%と3割ほど落としています。3番人気に至っては3着内率は以前より高いのに、未だに勝利はありません。1~3番人気の合計を見ても勝率28.6%→22.0%、3着内率57.3%→56.0%ですから馬券に絡んでいるものの勝てていない事が分かります。


さて、取りこぼしが多いという事は分かりましたが、私はそもそもレーンはそんなに上手いのか?という疑問が湧くのです。依然の彼の成績を見ると、勝利数の実に94.9%が1~3番人気の人気馬でした。1・2番人気に限定しても83.5%ですし、3着内率も1~3番人気は57.3%でありそれぞれ50%を超えていますので、もしかすると掴まっているだけで勝てる馬ばかりだったのか?と思うわけです。

じゃあ4番人気以下はどうかというと、55回騎乗し4-5-4-42なので勝率0.07、3着内率0.236とそこら辺の日本人騎手並みの数字しか残せていません。これじゃレーンが上手いから勝てているというより、強い馬に乗っているから勝てているように見えてしまいます。

翻って今回の1~3人気の勝率は22.0%で、3着内率は56.0%であり、4番人気以下の勝率は0.100、3着内率は0.350となっています。1~3番人気の勝利数は全体の84.6%、1・2番人気では69.2%であり、4番人気以下と同様に以前より人気馬に偏っているわけではありません。まだひと月分しかデータが無いという事を考慮すれば、以前よりマシになったが、以前人気馬頼りの状況に変わりはないと考えるのが妥当でしょう。

以前→今回
1~3人気の勝率     25.2% → 22.0%
1~3人気の3着内率  57.3% → 56.0%
4人気以下の勝率      7.0% → 10.0%
4人気以下の3着内率   23.6% → 35.0%
1~3人の勝利占有率   94.9% → 84.6
1~2人の勝利占有率   83.5% → 69.2


では、レーンの評価はどうかいえば、残念ながら以前より失墜していると言えるでしょう。それは勝率が下がった事もそうですが、重賞で勝負にならない事が大きなマイナス点です。競馬は伝統と格式のスポーツであり、最も格式の高いGⅠやそれに続く重賞で0-1-0-6の成績は物足りないどころの話ではありません。オークス2着で気を吐いたものの、人気薄の激走はどの騎手でもあり得ることであり、肝心の人気馬では掲示板がやっとでは評価は上がりません。重賞騎乗馬の人気が面白いように下がっているのは、関係者がそんな空気を察したのかもしれませんね。

ちなみにレーンの本国の成績も決して芳しいものではなく、下記の記事でも書きましたとおり、このままじゃ2023年秋以降に来日するのは難しいです。一発屋とは言いませんが、安易に外国人騎手を起用するのではなく、しっかりと分析した上で起用してほしいですね。




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