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番組変更は何のため?

降級制度について色々と書こうと思ってたら、この暑さで参った参った。地元じゃ過去最高の気温を記録し、外はもちろん、屋内で書くにも限度があります。空調の利いた部屋で書くのが一番なんですが、人の少ないお盆の時期は色々と忙しくてゆっくりする事もできません。コロナの問題もありますが、皆様どうか体をご自愛ください。命あっての物種ですからね。

さて、降級制度に絡む話として上級クラスの番組が増加しているという話がありました。出走頭数が増えているらしいのですが、その影響もあって第3回新潟、第2回小倉、札幌の番組変更が発表されています。4月と6月にも番組変更がありましたが、その時は前者が【出走制限下で、特に準OPにおいて東西所属馬の出走機会を確保するため】、後者が【準OPの出走予定馬が多く見込まれるため】という理由でした。今回は6月時と同様に【準OPの出走予定馬が多く見込まれるため】だそうです。変更内容は以下のとおりです。

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新潟は3日目(8/22)の12R500万条件(芝1600m牝)を取り止め、9Rの湯沢特別(500万条件 芝1800m)を12Rに平場として実施し、9Rに10R瀬波温泉特別を繰り上げ、空いた10Rに清津峡S(芝1200m)を新設します。清津峡Sはかつて春の新潟で、主に500万条件ダート戦、清津峡特別として施行されていたレースです。

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小倉は7日目(9/5)の8R500万条件(ダート1700m)を取り止め、9Rの筑後川特別(500万条件 芝1800m)を8Rに平場として実施し、9Rに10R天草特別を繰り上げ、空いた10Rに桜島S(ダート1700m)を新設します。桜島Sは2012年まで同距離の準OPで施行されていたレースですね。

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札幌は5.6.7日(8/29.30、9/30)の3日間で変更があります。まず、5日の1R2歳未勝利(芝1800m)で混合が削除され、翌6日も1Rの2歳未勝利(1500m牝)で牝馬限定が削除、混合に変更されます。そして7日は1Rの2歳未勝利(芝1500m)を取り止め、2~8R(5Rを除く)を繰り上げ、12Rの日高特別(芝2000m)を8Rに平場として実施し、空いた12Rに日高S(芝1500m)を新設します。日高Sは取り止めというより昇級という形になりますが、距離が中距離から1500mに変更されているので注意して下さい。昔から日高特別は2000mと記憶しているので、来年以降は調整してほしいところです。ちなみにJRAでは500万、1000万条件では【○○特別】と表記しますが、準OPになると【○○S】と表記します。

新設されたのはいずれも準OPの競走で、芝が2R、ダートが1Rであり、取り止めとなったのは500万条件の芝とダートが1Rずつ、芝の2歳未勝利が1Rです。降級制度が廃止された影響で上級クラスの頭数が増加し、下級クラスは引退・転出と合わせて減少したからでしょう。

しかし、降級制度廃止から約1年でそんなに準OPの出走って見込まれるのでしょうか。2019年6月から2020年5月までの一年間における準OPの出走頭数を芝、ダートに分けて調べてみました。

2019年 芝   全 58R    出走751頭   1R平均12.9頭
2020年 芝   全 48R    出走645頭   1R平均13.4頭
    芝合計  全106R 出走1396頭  1R平均13.1頭
2019年   ダート   全43R    出走598頭   1R平均13.9頭
2020年   ダート   全40R    出走587頭   1R平均14.6頭
    D合計   全83R  出走1185頭   1R平均14.2頭 

数字を見ると少し増えていますね。期間が違うので出走頭数に違いはあれど、1R平均の出走頭数は芝0.5頭、ダート0.7頭と増えています。芝は誤差の範囲とも言えますが、ダートは明らかに増えていますね。2020年はレース数が3R少ないだけなのに、出走頭数は11頭少ないだけですから、ダートのこのクラスの層が厚くなったと言っても決して間違いないでしょう。

ちなみに2020年の6~7月では、芝が14Rで218頭が出走、1R平均は15.7頭であり、ダートが11Rで169頭が出走、1R平均は15.3頭ですので、ますます増加傾向にあります。これでは準OPの新設もやむを得ないでしょう。週末の記事で『準OPに至っては少頭数が改善していない』とか書きましたが、改善していましたね。大嘘ブッコいて申し訳ありませんでした。思い込みは事実に反するケースがある良い例ですね。猛省します。

ただ、降級制度の廃止に反対の立場であるのは間違いないです。確かに上級クラスの出走頭数は増加し、改善傾向にありますが、それが質の高いレースとなっているかは別問題です。上級クラス=質が高いではないのですから。

そういう意味では重賞も同じですね。同じ重賞でも開催時期や施行条件がコロコロ変わるへっぽこ重賞もあれば、レーティング的に格付けを維持するのがやっとという重賞もあります。競馬は伝統と格式が重要と考える私からすれば少し重賞を削っても良いと思いますし、2歳重賞は14Rもいらないと思います。

サウジアラビアロイヤルC、アルテミスS、ファンタジーS、京都2歳SなんかはOPでも良いぐらいですし、そもそも距離や路線が被っていますからね。3歳もフラワーCやラジオNIKKEI賞なんかはいらんでしょう。これらを削って牝馬のOP競走とか作れば良いのですよ。各路線の整備をしてきた中で、拡充はあっても縮小はないとかありえませんから。

現理事長もその辺は理解できないのですかね。どこかで書く予定の理事長の功績と功罪を原稿を見ていくと、売上至上主義が見え隠れするのですよ。日本競馬の本質ってそうなのかなぁと疑問に思ってしまいます。

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