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通信機器の不正使用問題 再び

通信機器の不適切使用事案が再び起こりました。JRAの発表によると、永野猛蔵騎手は、10月5~6日にかけて東京競馬場の調整ルーム居室内に通信機器を持ち込み、通信していたとのこと。また、その調査の中で小林勝太騎手が9月27日に美浦トレセン調整ルーム居室内に通信機器を持ち込み、通信していたことが判明したとのことです。

両名は、日本中央競馬会競馬施行規定第148条第2項により、この事案について裁定委員会に送付されるとともに、同条第4項により10月8日から裁定委員会の議定があるまで騎乗停止処分となりました。

永野について、美浦トレセン公正室の赤井誠室長は「かねてより、電話しているような話し声があったという報告が複数回あり調査したところ、キャリーバッグ内から1台のスマホが見つかり、5日の東京競馬場、調整ルーム入室時に1台目のスマホをロッカーに入れ、隠し持っていたスマホを意図的に居室内に持ち込み、厩舎関係者などと調教のやりとりなどをするのに使用していたことを本人が認めた。また、通信アプリの履歴からは9月27日に美浦の調整ルームに入室していた小林勝太騎手とメッセージのやりとりが見つかったことで小林勝騎手に確認したところ、事実を認めた」と説明しました。

こうした不正使用が相次ぐ事態に、JRAは「実際のところ悪意を持って意図的に持ち込める状況であったことは事実。今回の事案を受けて、相当厳しい再発防止策になると考えている。今後このような事案が出ない最良の方法は何か考えていきたい」とし、スマホが日常生活を切り離せないものとなっていることについても「(ルールを)緩めるという考えはございません」とコメントしました。

また、9日付の文春オンラインにおいて藤田菜七子騎手の通信機器の不適切使用が報じられていますが、JRAは具体的に把握しておらず、本人に事情聴取を行う予定とのことです。


まず猛蔵の件について、これは水沼と同じく隠蔽工作をした悪質なものであり、完全にアウトですね。まさか猛蔵がこれをやるとは思いませんでした。関東若手としては順調に成長していますし、今年はこれまで28勝を上げ、通算100勝を達成、どの数字もキャリアハイ確実だっただけに、残念でなりません。

通信内容が外部との八百長が疑われるようなことではなく、厩舎関係者と調教のやり取りなどであった事は救いではありますし、それが競馬に真摯に取り組んだ結果だとは思いたいですが、しかし、やっちゃイカンことは明白です。連絡できないことを前提でタスクを組むなりして、そうした連絡をせずに済むようにするべきであって、隠れてスマホを使えばいいやという意識を持つことは言語道断でしょう。

また、厩舎関係者もイカンでしょう。どちらから連絡をしたのかは定かではありませんが、仮に厩舎関係者から連絡があったのだとすれば、その関係者も処分を受けなければフェアではないでしょう。

小林勝については、デビュー2年目、昨年の12勝を大きく超える25勝を挙げる活躍で、今後が楽しみな若手でしたが、なぜこういう事になってしまったのか。昨年から今年にかけて7名の若手騎手が通信機器の不正利用で処分を受けていますし、小林勝自らが破ろうとしたとは思えず、猛蔵や周りに唆されたと見ることもできますが、そうであってもやっちゃマズイことは分かるでしょうに。理解に苦しみます。

それから藤田についても文春が取り上げたということは、それなりに確証性のあることなんでしょうが、藤田が私は知らないと突っぱねた場合、現行犯でなく、履歴のみでどこまで処分できるか難しいところです。SNSのやり取りが証拠だ、と言っても、それを藤田が送ったという証拠はないわけで、水沼や小林勝同様に自白からしか立証できないわけですから、藤田がどう出るか、見物といえば見物です。


最後に、JRAもコメントを出したものの、それでもこうした事案が発生してしまうのでは対策が不十分だと言わざるを得ないでしょう。スマホの普及率が50%を超えたのは10年ほど前であり、急速な変化だとは思います。しかし、ここまでやられ放題なら、どこかできつく抑え込まないとイカンでしょう。それがJRAにできるかっていえば・・・難しいかなぁ。

だって処分対象は若手しかいませんし、30歳以上のベテラン勢はこんな事しませんしね。若手がバカだった、で済む話なんですよJRAからすりゃ。もちろん処分を甘くするとか、そういう事はないでしょうが、こんなバカが出ないように見せしめ的に厳しい処分をすれば良しと考えているのではないでしょうか。

水沼なんて本来であれば騎手免許更新すら怪しいって話でしたけど、そこそこ勝って名前を売っている猛蔵が同じことをしたことで、免許更新しないって判断は難しいでしょう。水沼一人なら厳罰もあったかもしれませんが、そういう意味では水沼は助かったし、JRAは難しい立場になりました。仮に2人を切った場合、いくら悪質とはいえスマホ6との処分の差が適切なのかどうかという問題になり、切った2人から訴訟なんぞ起こされたらそれこそJRA内では問題なんですよ。

対策にしても、騎手会の要望を全突っ張して、荷物の全チェック、スマホやタブレット、PCなどは通信できない状態であっても認めない、レースや調教動画を確認する時は職員立会いの下、特定の席(場所)でのみ許可する、毎週抜き打ち調査を実施するなど、より厳正に、より明確にしないと理解は得られないでしょうね。

さらに処分に関しても、最低限の処分内容を制定し、それを公表しないとイカンでしょう。故意、過失を問わず、発見され次第、半年間の騎乗停止。その後、裁定委員会の議定により半年+何ヶ月、あるいは免許取り消しまで有り得るとなれば、そこまでリスクを冒してまで持ち込むバカはまずおらんでしょう。まぁそこまでしてもやるバカはいますが、そういう輩は猛蔵クラスの騎手であっても、バカが見つかったから処分する、で切ればいいのです。

本当にさぁ~・・・先が見えないよな今の若手って。有能であってもなかなか騎乗機会には恵まれないし、チャンスを掴んでも短期免許の外国人に奪われるし、2場開催でドンドン乗鞍を奪われるし、馬場に乗り込む奴もいれば、散々注意喚起されたのにスマホを持ち込む奴もいるし。色んな歪が生まれているような気がしますよ私は。日本競馬界はドンドン変な方向へ進んでいるような気がします。

JRAさんよ、全部見直さなければダメだって。川田に忖度しているように見えている点もそうだけど、JRA自らが襟を正し、疑われることすらあってはならないという点を言動で見せなければ。

ホント頼むよ。




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