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ドバイミーティングで騎乗するの日本人騎手

今週末はドバイミーティングです。6レースに27頭が参戦しますが、日本人騎手の参戦はどうでしょうか。

■日本人騎手の少なさが目立つ

そんなドバイミーティングの出馬表を見ていてちょっと思ったんですが、日本馬は多いのに日本人騎手って少ないですよね。

・ゴドルフィンマイル   日本馬3頭、日本人騎手2人
・UAEダービー     日本馬5頭、日本人騎手2人
・ゴールデンシャヒーン  日本馬4頭、日本人騎手3人
・ドバイターフ      日本馬4頭、日本人騎手1人
・ドバイシーマクラシック 日本馬3頭、日本人騎手0人
・ドバイワールドカップ  日本馬8頭、日本人騎手2人

坂井瑠星3鞍、川田3鞍、武さん2鞍、吉田豊1鞍、三浦1鞍で、JRA所属としてルメールが3鞍騎乗していますが、合計27頭参戦して、その3分の1程度しか乗っていないのは残念極まりないですね。

ラウダシオン、ムルザバエフのコンビは継続騎乗なので、まだ分かります。ペリエール、マーフィーも福永引退後、初戦の海外遠征なので分かります。セリフォス、レーンも分かりますし、主戦不在のジャスティン、ムルザバエフも分かります。

ただ、デルマソトガケ、ルメールは松若が可哀相でしょ。曲りなりも弟子ですし、音無先生引退前でしょ?ダノンベルーガ、モレイラは川田が降ろされるのは止むを得ないとは成績とはいえ、全て主要GⅠで高望みしすぎという側面もありますし、そもそも外国人騎手偏重の先生ですから日本人騎手はノーチャンスという側面もあります。

ヴァンドギャルド、バルザローナだって同レースで2年連続好走しているとはいえ、結果は出ていません。この数字でいいなら他の日本人騎手でもいいはずですが、そうじゃないんですね。テーオーケインズもヴェラアズールも松山で良いと思いますが、マーフィー、Cデムーロに奪われています。これは好ましいとは言えないのではないでしょうか。


■短期免許制度の弊害

こうした出馬表を見ていると、継続騎乗のムルザバエフやレーン、ムーア、モレイラ、Cデムーロってみんな短期免許の外国人騎手ばかりなんですよね。ただでさえ、日本に来日して有力馬をかき集めてバカスカ勝って人気馬を飛ばして無茶苦茶して帰るのに、日本馬の海外遠征でも騎乗馬を獲っていくんですか。それはないでしょう。じゃあ日本人騎手はどうしたらいいんですか。

ただでさえ門が狭い競馬学校をくぐり抜け、やっとデビューしたと思ったら大海へ放り出されるようにほったらかしで、未熟な部分は責められ、成功した部分はスルーされ、結果を残しても勝ってないからダメと言われ、勝っても騎乗馬を盗られる。文章だけ見たら軽いイジメですよね。というか職場なんでパワハラでしょうか。

今回デルマソトガケをルメールに奪われた松若は、ダート替わりのデビュー3戦目を3着とした後、3連勝で全日本2歳優駿を勝ちました。次走が海外でも当然、選択肢に入るハズで、サウジダービーでも騎乗できました。ところがそのレースで3着だったことから今回のUAEダービーでは乗り替わりとなっています。ガンガン飛ばす米国馬と地元馬の行った行ったの競馬での3着なので、展開的にやむを得ない結果とは思いますが、それでも負けたらアウトなんです日本人騎手は。

それは国内でも同じです。エージェントが次から次へと営業を掛け、少しでもミスしようもんなら降ろされて当たり前、ミスしなくても結果が出なければ降ろされて当たり前、結果を出しても短期免許に奪われるなんて日常茶飯事です。ヴェラアズールの松山がそうでしょう。京都大賞典はスポットだったかもしれませんが、しっかりと勝ったことで次走のジャパンCも松山という選択肢があっても良かったと思いますが、ムーア来るならムーアでって話になったんじゃなかったでしょうか。

短期免許で外国人騎手にお手馬を奪われGⅠ勝たれた挙句、そのまま海外遠征もその外国人騎手を起用します、じゃ日本人騎手はいくら日本で頑張っても海外GⅠで日本馬に騎乗するなんて夢のまた夢なんじゃないですか。それで日本人騎手が外国人騎手と肩を並べて戦えるようになると思っているのでしょうか。

JRAさん、この結果をどう受け止めますか。あと数年もしたら武さんは引退する可能性が高いですよ。その後はどうします?誰が日本人騎手の顔になり、日本人騎手を引っ張っていくのですか?川田は40後半になる上、JRAの顔になるようなタイプではないですし、岩田Jr、鮫島克、西村、今村、菅原はみんな数字的に物足りず、今後伸びる可能性より落ちる可能性の方が高いです。

可能性としては横山武と坂井瑠星ですが、前者は大手馬主グループの寵愛を受けられるかどうか微妙なところで、後者は師匠の引退までに足場を固めないと海外遠征どころじゃなくなります。彼らクラスの若手騎手でも不安定な状況なんですよ。それ以外の日本人騎手の台頭が無ければ、大手馬主グループはずっと外国人騎手偏重を止めませんよ。


■日本人騎手の継続した育成

こうした外国人騎手偏重の原因となっているのが短期免許制度です。現在の短期免許制度は、日本人騎手の技術向上なんてものは建て前の外国人騎手の傭兵制度です。次から次へと来日させ、次から次へと有力馬を与え、次から次へと勝たせていく、それで何が残りますか。自国の兵隊が使えないから外国の傭兵を使えば、自国の兵隊はますます弱くなる一方ですし、自社の営業が使えないから派遣で凄腕の営業に来てもらい、自社の大手クライアントを根こそぎ担当したら自社の営業は成長すると思いますか?思いませんよね普通の脳みそなら。これを競走馬に置き替えたら、自国の競走馬は弱いから、外国馬をわんさか呼んで強くて盛り上がるからいいでしょって言ってるようなもんですよ。

だからこそ、短期免許制度には制限を掛けるべきです。各国のリーディングでも、指定外国競走でもなんでもいいですが、週に10鞍までと騎乗制限を掛ければ済む話なんです。今年騎乗したイーガンは8日間で71鞍、バシュロは14日間で103鞍、ムルザバエフは17日間で124鞍騎乗しました。いずれも週に14鞍以上騎乗し、その4~5割が有力馬への騎乗です。それだけ有力馬が奪われれば日本人騎手のチャンスが少なくて当然ではありませんか。

若手の減量特典のみならず、継続騎乗奨励金や若手騎手騎乗奨励金などがあれば継続騎乗させるメリットがありますし、安易にリーディング上位に乗り替わることと天秤に掛けれます。それでもなおリーディング上位が短期免許の外国人騎手に乗ってほしいとなれば、そこは実績の世界ですからね。

JRAが継続して成長していく組織だとするなら、組織の人員をしっかりと育成させ、技術や経験を継承させて行くことはどんな組織でも重要です。特に、JRAに所属する人員の中で最も前面に出る騎手という職種は十分に保護・育成がされるべきだと思いますし、それを阻害するような外国人騎手偏重の傾向には制限を掛けて然るべきでしょう。


ともかく、私は短期免許の外国人騎手偏重の流れには大いに反対します。特にレーンは今春の短期免許が終われば、短期免許の要件を満たせません。そのため、レーンを継続して日本に呼びたいのであれば何が何でもここで指定外国競走を勝たせたいという関係者の思惑もあるのでしょう。だからこそこの3競走全てに騎乗するわけですし。

レーンは皐月賞もきさらぎ賞を勝ったフリームファクシ、ヴィクトリアマイルもソダシに騎乗します。ここ2年間で指定外国競走2勝という要件にJRA・GⅠも含むなら完全に狙いに来ていますし、NHKマイル、オークス、ダービー、宝塚記念でも騎乗馬を用意するでしょう。こういうのは止めてもらいたいですねぇ。というか、これでレーン全敗なら関係者みんなざまぁとか思えないんですが。


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