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今週の全米アルバムチャート事情 #112- 2022/1/1付

皆様、明けましておめでとうございます。旧年中はこの「全米アルバムチャート事情!」を読んで頂き、スキもたくさん頂きありがとうございました。2022年も引き続き頑張って毎週配信しますのでよろしくご贔屓にお願いします。年末は「DJ Boonzzyの選ぶ2021年ベストアルバム」の記事も何とか脱稿できて、今は元旦をまったりと楽しんでいます。これからはグラミー賞受賞予想も並行してアップしますのでよろしくお願いします。

なお、先週お断りしたように、先週から連動ポッドキャストはお休みしています。今年配信した34本は上記のリンクからお聞き頂けますのでよろしかったらお楽しみ下さい。

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さて今週の全米アルバムチャート、2022/1/1付のBillboard 200、1位のアデル30』はやはりクリスマスウィークにグンと売上を積み上げて、ポイント減らすどころか今週は何と16%ポイント増の212,000ポイント(うち実売も23%増の180,500枚)で堂々たる5週目1位を飾ってます。アデルやはり強し。

今週の1位で、アデル通算1位滞在週数39週となって、エルトン・ジョンと並んで歴代8位に。彼らの上をいく歴代1位〜7位(6位タイ)は下記の通り(カッコ内は1位アルバム枚数)。
1. 132週 The Beatles (19)
2. 67週 Elvis Presley (10)
3. 55週 Taylor Swift (10)
4. 52週 Garth Brooks (9)
5. 51週 Michael Jackson (6)
6. 46週 The Kingston Trio (5), Whitney Houston (4)

アデルはこの記録を誰よりも少ない枚数のアルバム3作で達成したということで(エルトン・ジョンは7枚)ここでもその凄さを発揮してますね。このアルバム、自分の年間アルバムランキング「DJ Boonzzyの選ぶ2021年ベストアルバム」でも15位にランキングさせて頂きました。前作『25』で完結するかと思われたアデルの旅路も、パートナーとの離婚という出来事で大きく変化したことがこの『30』制作のインスピレーションとなっていて、その直接的で赤裸々な表現が感動的な作品だと思っています。

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さて先週予想でアデルにチャレンジするか?と言っていたロディ・リッチの2作目のフルアルバム『Live Life Fast』は62,000ポイント(うち実売は3,500枚)で4位初登場止まり。

今回はナンバーワンを取った前作『Please Excuse Me For Being Antisocial』に比べゲスト・ミュージシャンが豪華で、フューチャー、コダック・ブラック、21サヴェージ、タイ・ダラ・サイン、リル・ベイビーそして前作でもフィーチャーされてたガンナと、最近のヒップホップ勢総出演といった感じ。一つだけ気になるのは「Hibachi」というトラック。いったいどういう背景で火鉢なんでしょうね。

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そして今週のトップ10でのもう一つの大きな動きは、こちらも先週の予想で触れたように、昨年の6月に7位に初登場していた、コメディアン兼ミュージシャンのボー・バーナムネットフリックスでのスペシャル番組『Bo Burnham: Inside』のサントラ盤としてリリースされていた『Inside (The Songs)』が10位に200位圏外から再登場してます。

前回登場した時も言いましたが、このアルバム、コメディアンの片手間芸と思ったら大間違い。エレクトロ系のサウンドを駆使しながら、番組内のスキットに連動したケッサクな歌詞を乗っけた良質インディ・ポップ作品なんですよね。なんで、今回リリースから半年経ってやっとフィジカル(CDとLP)がリリースされて、ワッとリスナーが買いに走ったということで今回の再登場になってます。今回のグラミー賞でも最優秀音楽フィルム部門と、「All Eyes On Me」が最優秀ビジュアル・メディア向けソング部門にノミネートされてますが、正直主要部門にノミネートされても全然おかしくないレベルの出来なので、このチャートアクションも当然かな、という感じです。

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今週のトップ10の動きは以上。今週は年末のセールスが薄くなっている週が集計対象なので、トップ10圏外100位までも動きが少なく、初登場はわずか1枚。そしてその唯一の初登場がKポップ勢というのが、何となくKポップ躍進の2021年をまだ引きずってるなあ、という感じですが、20位に初登場してきたのが、23人組のビッグ・ボーイ・グループ、NCTの3作目のフルアルバム『Universe: The 3rd Album, Neo Culture Technology (2021)』。

前作の『Resonance, Pt. 1』の昨年10月の6位初登場でUSでの初チャートインを果たしたNCT、スピンオフ・グループのNCT127も先日9月に『Sticker』で2作目のチャートインで3位まで上り詰めたところで、SMエンターテインメントの看板グループ、NCTフランチャイズはこのところ絶好調ですね。第1弾シングルでアルバム・タイトルナンバー「Universe (Let’s Play Ball)」を聴く限り、前作よりはゴリゴリヒップホップからメインストリームにちょっと寄ってきてる感じもしますね。日本人メンバーのユータショータローも健在のようです。

ということで今週のトップ10おさらいです。今週は何とかHits Daily Doubleのデータをゲットしたので、*付の売上枚数はそちらのデータによります。これを見ると、ヒップホップ系だけでなくクリスマス・アルバム系もほとんどがストリーミングだというのがよくわかります(順位、先週順位、週数、タイトル、アーティスト、<総ポイント数/アルバム実売枚数>)。

*1 (1) (5) 30 - Adele <212,000 pt/180,500枚>
2 (4) (99) Christmas ▲6 - Michael Buble<77,000 pt/10,513枚*>
3 (3) (6) Red (Taylor’s Version) - Taylor Swift <76,000 pt/47,000枚>
*4 (-) (1) Live Life Fast - Roddy Ricch <62,000 pt/3,500枚>
5 (5) (31) Sour ▲2 - Olivia Rodrigo<61,000 pt/33,000枚>
*6 (8) (98) A Charlie Brown Christmas (Soundtrack) ▲4 - Vince Guaraldi Trio <61,000 pt/24,000枚>
*7 (7) (107) Merry Christmas - Mariah Carey <56,000 pt/6.378枚*>
*8 (11) (64) The Christmas Song - Nat King Cole <55,000 ptj/5,250枚*>
9 (2) (2) Fighting Demons - Juice WRLD <52,000 pt/1,072枚*>
*10 (RE) (22) Inside (The Songs) - Bo Burnham <50,000 pt/44,500枚>

さて2022年最初の「全米アルバムチャート事情!」、いかがだったでしょうか。最後は恒例の来週1位予想ですが、対象期間は昨年最終週の12/24-30。この期間のリリースでは、ナスの新作が多分トップ10入りしそうですが、クリスマス・イブがかかってるのでおそらくアデルのポイントが落ちることはなさそうなので、やはり来週はアデルの6週目の1位がかなり確実でしょうね。ということで今年もよろしくお願いします。ではまた来週!


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