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ライターが新規の仕事を獲得する方法

最近、若手ライターさんから「どうやったら仕事もらえるんですか?」と聞かれることが増えました。
そこで、これまで10年間のライター活動を振り返り、新規案件の獲得ルートについてまとめてみました。


プッシュ型営業とプル型営業

新規の仕事を獲得するための方法には、大きく分けて2つの「型」があります。
プッシュ型(攻め)と、プル型(待ち)です。
プッシュ型のメリットは、成果が割とすぐに見えること。デメリットは、成功率が低いことです。
プル型のメリットは、クライアントと対等な関係が築きやすいこと。デメリットは、いつ仕事がくるか全く読めないことです。

私は基本、プッシュ型の営業をほとんどしません。性格的に合わないからです。以前トライしてめちゃくちゃ疲弊したので、それ以来、行っていません。
プッシュ型営業について私からお話しできることはないのですが、これで大きな成果をあげたライター仲間がいるので、その人のnoteをご紹介します。

長沼さんは、にこやかで優しい雰囲気の方なのですが、サハラマラソンに参加したり、富士山一周ウルトラウォーキングで完歩したりと、実はとてもエネルギッシュ。
noteに書かれている営業活動も、すごいです。パワフルです。ほんと、尊敬します。
主力攻撃型、狩猟タイプの方は、ぜひプッシュ型営業にトライしてみてください。

一方、守備防衛型、農耕タイプの民は、プル型営業のほうが性に合っていると思います。
ライターにお薦めのプル型営業には、以下のようなものがあります。

紹介

これまでに築いてきた人とのつながりが活きてきます。
一番強いのは、前職のつながり。編集プロダクションや広告PR系の企業から独立した方などの場合、「元いた会社から受注してます」みたいな話もよくあるそうです。うらやますぃ。
私には、前いた会社からの受注はありませんが、ライター仲間からの紹介は非常に多いです。

ライター同士で仕事を紹介し合う

ライターになりたての頃、「他のライターはみんなライバル」「同業者で仕事を奪い合う」みたいなイメージを持っていたのですが、実際はそうでもなくて。むしろ、仕事を回しあっています。

特にフリーランスの場合、受けられる仕事のキャパって、結構狭い。それなのに、なぜか仕事のくる時期が集中するんです。「先月ヒマだったのに、なんで今月こんなくんの?」みたいなことが、割と起こります。特にブックライティング案件の進行中は、他の仕事を受ける余力がなくて...…。

そんなときに新規案件のオファーが来たら、「受けられません」と断ることもできますが、それより「知り合いのライターを紹介しますよ」と伝えたほうが、ずっといい。というのも、本当にスケジュールが合わなくて断っただけなのに、それがたまたま2~3回続くと、もう連絡が来なくなってしまう......そんなことが......よく......起こるのです......ぐはっ。

「スケジュールが合わなくてできません」だと、依頼する側は、また別のライターを探さないといけなくなりますよね。もちろん、たくさんのライターを抱えているクライアントならいいですが、そうでない場合、なかなかの手間です。そんなとき「知り合いを紹介しますよ」と言われたら、そりゃありがたい。「このライターは、自分がダメでも別の人を紹介してくれる」となったら、また連絡したくなるものです。
ということで、ライター仲間に仕事を紹介するというのは、実は、お互いにwin-winなのです。

友だちは大切にしよう

仲間同士で仕事を紹介しあうというのは、よくあること。なので、友だちは大切にしましょう。
しかし、間違っても「人脈、人脈」みたいな感じで、目をギラギラさせて近づかないでくださいね。これはもう、人としてNGです。いや、たまにいるんですってば、ほんとに。
普通に気の合う仲間と楽しく情報交換やランチ、時にはお酒など酌み交わして親交を深めつつ、困ったときには助けあう。そんな関係を築けるといいですね。

別業界の人とも積極的に仲良くなろう

同業者間でなくても、仕事の紹介は起こります。
他業界の方から見ると、「文章が書ける」というのは、結構な特殊スキルです。なので、仕事でもプライベートでも交流を広げておくと、「うちの会社の○○部がライター探してるんだけど」みたいに、意外な方から連絡をもらえることがあります。
ライターは大勢いるので、ネットで探してもよさそうなものですが、やはり、気心が知れているとか、実際に話したことがあるとかいうのは、非常に大きな「選ばれる理由」になります。
なので、業界に関係なく、よき出会いがあったら「ライターやってます」と名乗っておくことをおすすめします。


問い合わせ

これはプル型営業の基本です。お問い合わせ。
このお問い合わせを受けるためには、当たり前ですが、問い合わせ窓口が必要です。
WebサイトやSNSなど、問い合わせできる窓口を、インターネット上に用意しておきましょう。

紹介からの問い合わせ

問い合わせ窓口は、紹介の際にも役立ちます。というのも、知人や友人が、クライアントと直接引き合わせてくれるとは限らないからです。
「そのテーマだったら、○○っていうライターが詳しいですよ」みたいな感じのライトな紹介も非常に多い。その場合、クライアントはインターネットでその「○○さん」を調べます。そして、WebサイトやSNSでの発信内容を見て、「この人なら大丈夫そうだ」となれば、お問い合わせがくる。
私がこれまで紹介していただいた案件の3~4割は、このパターンです。

クレジットからの問い合わせ

公開された記事のクレジットから問い合わせがくることもあります。記事を発注しようと思ったとき、「こんな感じのを書いてほしい」という参考記事があることも多いです。それなら、その記事を書いたライターに頼むのが、一番確実ですよね。
ということで、記事のクレジットから問い合わせが入ることも割とあります。また、「本の奥付を見て......」と、ブックライティングの発注をいただいたこともあります。

クレジットは、自分の実績としてアピールできるだけでなく、次のお仕事のきっかけとなることもあるのです。クレジットの入るお仕事、大事です。ほんと。
ただ、いくらクレジットがあったとしても、連絡できなければお仕事につながりません。自分の名前で検索したときすぐに見つけられるよう、Web上に問い合わせ窓口を置いておくことが大切です。

ポートフォリオからの問い合わせ

自分のプロフィールや実績、得意分野などをまとめたポートフォリオを作りましょう。そしてそれを、Webサイトやブログ、SNSなどに載せておくのです。
また、A4サイズ1ページのポートフォリオPDFも用意しておきましょう。そして、交流会などの場があれば、名刺と一緒にお渡ししましょう。ライターのコミュニティにポートフォリオ掲載ページを設けていることもあるので、そこを利用するのも有効だと思います。

ライターのコミュニティや勉強会などには、仕事が欲しいライターだけでなく、仕事を依頼したい側が参加していることも多いです。また、ライター業務を受ける側、発注する側、両方の仕事をしている人も結構います。
なので、ライターの集うコミュニティや交流会、勉強会や塾などに参加して、お互いポートフォリオを交換しておきましょう。

コミュニティ内での募集(プッシュ/プル併合型)

ライターのコミュニティに入ると、その中での募集というのが、結構あります。
コミュニティ主宰者がお知り合いに「ライターを紹介してください」と言われて、コミュニティで募集するケース。あるいは、コミュニティの参加者が「○○について書ける人いますか?」と募集するケースなど、さまざまです。

ライター塾などのコミュニティであれば、基礎的な学習を終えている人であるという安心感もあり、こういった募集も割と積極的に行われている印象です。(私は現在、2つのライター塾コミュニティに所属しています)
オープンな場で募集をかけると、応募が殺到したり、求めているスキルをもつ人材が来てくれなかったりといった事態になりがちです。それが、コミュニティ内であれば、ある程度の信頼性が担保されます。
また、クローズドな場なので、内容や条件などが比較的詳細に開示されることが多いです。あと、詐欺や搾取など、地雷案件である確率が非常に低いです。

募集案件に応募するという点ではプッシュ型でありながら、コミュニティ内の人を求めているという点ではプル型です。「あまり営業が得意ではないけれど、応募にもチャレンジしてみたい」という方は、こういったところから営業活動を始めてみてもいいと思います。


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以上が、これまでに私が新規案件をいただいた際の獲得ルートです。
たぶん、他にもいろいろあると思います。「こんなルートでお仕事もらいました」というここにない事例がありましたら、ぜひ教えてください!
これまでライター仲間や先生方にたくさんお仕事を紹介してもらいました。私もいつか、仲間に仕事をガンガン紹介できるようなライターになってみたいものです。うん、がんばる。


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