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【告知】12/10センジュ出版オンライントークライブ「ぼくらの行動、誰のため?」


テーマを見た瞬間、何かを突きつけられている気がした。


僕の仕事は、僕の書店は、僕が書く本は、

誰のためなんだろう。誰に届くのだろう。



この講演会の演者は、靴磨きをしながら靴磨き代や応援金などで世界を旅する靴磨きトラベラー、佐原総将さんと、沖縄に「こどもホスピスのようなもの」を設立したいと活動する小児緩和ケア医の宮本二郎先生。

二人とも僕が会ったことのある、素敵な人達だ。

靴磨きトラベラーの佐原総将さんは、昨年から靴磨き世界一周ツアーに旅立って行き、昨年はアジア編、今年はヨーロッパ編を旅して、先日帰国した。
いつも帰国すると全国を回りながら「報告会」と称して、世界で仕入れたすべらない話や、感動的なエピソードを披露してくれる。
関西人なのもあって、話は面白いし、旅をしながら各地の凄腕の靴磨き職人に学んでおり、技術も確かである。

そして時々、アホなミスをする。

朝イチの飛行機に乗るために空港泊したのに寝過ごしたり、旅先に着いて早々記念写真を撮っている間に商売道具を置き引きされたりする。

抜け感といえば聞こえは良いが、思った以上に抜けている。
だが、そのガードの甘さこそが、彼の魅力なのだ。
隙があるから、そこに物語が生まれる。空いたスペースに誰かの善意が差し伸べられる。そんな姿を何度も見てきた。

そんな彼であるが、ある出会いから、その人のために旅を続けながら、自分が見たもの、経験したことを届けたいと思っているのだという。
今回は、そんな靴磨きトラベラーが物語を届けるときにいつも思い浮かべる、たった一人の友人の話をしてくれる。
普段、帰国した際に各地で行われる報告会とは少し違った視点の、根源的な話になるだろう。


宮本二郎先生は小児がんの子どもたちの、緩和ケアや訪問診療に携わる医師である。
2020年に吉満さんが開催していた、スナック明子というブックスナックで出会った。本と酒を愛するという点で、同じ医療職として親近感が湧いた。

現在彼は、東京と沖縄、二拠点で仕事をしており、忙しく行ったり来たりしている。
そんな忙しい日々を送っているのに、いつも温和で優しく、どこからどう見てもいい人で、昨年僕がとても苦しい時に、オンラインコーチングでお世話になったこともある。同じ医療職なのに宮本先生は常に穏やかで、その点は僕と完全に異なる、大人の男性だなと感じる。

そんな宮本先生であるが、沖縄に今「沖縄こどもホスピスのようなもの」プロジェクトを立ち上げ、奔走している。

注目すべきは「こどもホスピス」ではなく、
「こどもホスピスのようなもの」である。

「の、ようなもの」ってなんだ?どういう意味なんだろうか。
何も知らない当初、ニコニコと微笑む宮本先生を前に、僕は不思議でならなかった。

ホスピスとは、死が迫っている患者とその家族の苦痛を最小限とすることを主な目的とするケアのプログラムであり、またその概念を意味するらしい。
そんな重要な局面を担う施設を作ろうとしている彼から、肩透かしを食らっている気持ちになった。

しかし、一見余分に見えるこの六文字には、宮本先生のある思いがあった。

「プレイ」:「play」と「pray」。
難病や障がいの子どもだけでなく、健常な子どもやその家族もこのこどもホスピスで遊び、祈ることで、難病や障がいを知る仕組みが生まれます。
 沖縄ならではのこどもホスピスを拠点にして、広がる優しさがケアへと繋がり、それがまた別の誰かへと繋がっていく。そうして優しさとケアが循環するまちをつくるためにも、ここ沖縄で「こどもホスピス」をつくることにしました。

「はじまりのうた2023」フライヤー裏面 宮本二郎先生挨拶文より抜粋


2023/11/18に沖縄市で開催されたイベント はじまりのうた2023フライヤー

「疑ってごめんなさい」という気持ちと共に感じたのは、
宮本先生が「医療をひらこうとしている」ということだ。

医療施設が一つできたところで、住民は安心こそすれど、普通、町は変わらない。
けれど、その施設を閉じず、健康な子どもも、その親も一緒に遊べる空間として開放したら、どうなるのだろうか。

経験を共有することで、子どもも大人も新たな出会いが生まれ、互いが知らなかったことを知り、次第に、イメージを現実が塗り替えていく。
そして優しさは伝播する。

そんな未来を期待してしまう。

だれかの状況を、他人事にしない町。
「こどもホスピスのようなもの」がもたらすものを、患者親子の安息だけに限定しようとしないところが、実に欲張りで、素敵だなと思う。

そんな宮本先生の原動力について、知りたい方も、ぜひ。


僕も当日運営手伝いで、現地で聞きながら、自分の原点を思い出したいと思っています。


以下、今回の主催であるセンジュ出版代表 吉満明子さんのイベント紹介文です。



センジュ出版がお届けする、年の瀬オンライン・チャリティ・トークライブ。

この度話を聞かせていただくのは、靴磨きトラベラーの佐原総将さんと、小児緩和ケア医の宮本二郎さんです。

現在センジュ出版は、靴磨きの報酬を中心に世界を駆けめぐる青年・佐原さんと、沖縄に病気や障がいの有無に限らず大人も子どもも集うことのできる施設「沖縄こどもホスピスのようなもの」(仮称)を開設準備中の小児緩和ケア医・宮本さんのお二人を応援しています。

理由はこのお二人がこれまで本当にセンジュ出版をサポート、宣伝してくださっていることへの感謝はもちろん、お二人の行動や活動の「誰の、何のために?」の答えが明確だからということもあります。

年代も立場も経験も異なる二人の共通点は一見わかりにくいものですが、実はそれぞれの活動における「誰のために」の視点の先にあるものは、たしかでゆたかな重なりを持っているのです。

佐原さんが靴磨きを通じ、足元から世界を輝かせるのは、なぜなのか。

宮本さんが沖縄で大掛かりな施設を建設するのは、なぜなのか。

二人の話を聞いて、あなたの活動の、事業の、夢の、希望の、本当の目的に気づいていただけたら嬉しいです。

二人の見ている「たった一人の友人」。

この日、小さくて大きな物語の1ページを、ご参加のみなさんと一緒にめくることができますように。

【タイムスケジュール】

14時45分      開場

15時         開演 主催の挨拶

15時20分〜16時10分 佐原総将さんのお話

10分休憩

16時20分〜17時10分 宮本二郎さんのお話

10分休憩

17時20分〜18時   佐原さん×宮本さん対談 進行:吉満

18時〜18時30分   質疑応答、感想シェア

終演

【参加費】

オンライン、会場共に3500円+消費税(ECサイトの手数料を引いた売上を全額お二人の活動費に寄付します)

当日はzoomにて配信予定です。

アーカイブも残します。

お申し込みの方へURLをお伝えいたします。



申し込みはこちら。



来る12/10(日) 皆様のご参加を心よりお待ちしています。

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