レビュー『TENTONTO ASD&ADHD Magazine no.7』
どこかで手に入れたフリーペーパー『TENTONTO ASD&ADHD Magazine no.7』。身近に当事者がいるので役に立つことがないかと思い持ち帰ったのだと思う。
今回のテーマは「セーフモード」で、いろいろテンパってしまったときにPCのセーフモードのように自身の機能を限定して復調するためのモードのことわ指しているみたい。僕の場合はアニメや漫画を読むことかなあ。
だが、この冊子のテーマは発達障害と呼ばれる人々なので、健常人(この概念もまた微妙なものだけれど)からすると奇妙な行動に見えてしまうこともあるという。
そんな発達障害者に寄り添うデザイン=センサリーデザインをメインで紹介している。
はじめて聞いた言葉なのだけれど欧米では事例がいくつもあるようで、例えば表情の認知が難しい人向けのARソフトとか、感覚の鋭い人向けに劇場や映画館に特別な部屋を作ったりだとか。
読んでいて面白いと思ったのは、この考え方は別に健常人にとっても役立つものではないかということ。正直、自分はどちらかというと一般的な感覚を持っているのだと思うのだけれど(こういう風に思っている人って実はかなりズレてたりすると思うのだけれど、まあそれは自分は自分のことしか分からないので自分が普通と思うしかないのである)、そんな自分にとっても普段過ごしていて「もっとこうした方が嬉しいなー」「他の人は良いみたいだけど自分は違うなー」と思うことはそれなりにあって、それってつまり、もっと社会がいろいろな感覚の人がいるという前提でデザインされた方がより多数の人の幸福になるように思うわけだ。それに発達障害ってそんなに珍しくも特別なものでもないと思うし。
対して、今の日本はなんだかよく分からない言語化されていない「普通」に支配されている気がして、それは「空気」と呼ばれるものかもしれないけれど、そんな状況がとても気持ちの悪いものだと僕なんかは思うわけで。
まあつまり何が言いたいかというと、自分のために、僕はこの冊子が目指す方向がもっと認知されてほしいなーと思うということなのだった。
具体的にはBOOKSHOP TRAVELLER で置かせていただきたいなーってことなのだった。
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