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ブックオフ釧路公立大学前店

今よりも若い頃、週1〜2×8年間=576回 くらいの頻度で来店していたのでここには思い出がたーーーーくさんあります。蔵書の半分くらいは恐らくこの店舗で買っていると言っても過言ではありません。右も左も分からない子供をハードな収集家に変貌させる力を持つ魔の巣ブックオフ。

さぁーて久しぶりなので100円文庫棚を丹念に探索して行く事とする。国内あ〜からスタート。郊外・田舎にある店舗の傾向が見えてくる。同一商品の在庫が過多になりがちなのだ。人気作だと顕著で当たり前に5冊連続で置いていたりするのだ。恐らく地方の書店では限られた販売スペースしか無く、大衆性は必須条件で、芸術性に重きをおいた本ではコケる可能性もある。取り敢えず手に入るもので読者は読書を楽しみ、似た傾向の本を読んでは放出しているのかなと考察しました。

海外文庫棚に到着するも衝撃。何故だ。今までこんなことは無かったのだが。

棚の上段がスカスカで面出しされた状態で陳列されている。在庫が少なくなったからなのか、余った棚のビジュアルを良くしているのかは分からないが初めて見る光景なので取り乱してしまった。しかし在庫内容は目を惹かれるものが多かった。とくにジェームズジョイス「若い芸術家の肖像」なんかはなかなか100円ではお目に掛からない。恐らく新規入荷では無く値下げだろう。

この情報をもとに海外文学ハードカバー棚へスライド。この店舗にはガルシアマルケスの百年の孤独が長い事売れ残っていたのを覚えていた。しかも2冊も。もしかしたら下がっているかも、とハイエナを敢行するも見当たらずくやし涙。レイモンドチャンドラーの村上春樹翻訳「可愛い女」がこれまた2冊あるのを確認したので次回来店での値下げが楽しみである。

結局文芸・漫画共に収穫は無し。CD.DVDがある二階へと移動する。

ここ数年で280円と500円が混ざった状態に変貌してしまったCD棚へアドベンチャー。

長年ある踊ってばかりの国「グッバイガールフレンド」は相変わらず500円。世知辛い。

洋楽棚へ移動。前回3月に来店した際に気になっていたBuzz Cocks  Singles Going Steady 280円 初期からのシングルを集めたコンピ。1stアルバムよりもオススメらしいので購入。しかもこの盤のタイトルは銀杏BOYZの前身GOING STEADYのバンド名の由来にもなっている。バズコックスは後にMagazineというヒリヒリしたバンドを組みます。是非そちらもお聴き下さい。私はそこからポストパンクの冷え冷えとした世界に入った口です。

基本的には軽快なポップパンクだが、コーラスワークや短調でチープなシンセをリフに取り入れるなど通して聴くとバラエティ豊かで楽しい盤。印象的なイントロのギターリフでも1発使ったきり曲中に2度と登場させなかったり、潔くて小気味良いバンドだ。

さて、取り敢えず1枚確保。せっかく久しぶりの地元なのに何にも買えずでは寂しいなと思っていたのでホッとする。しかしそんな安堵も束の間で待望のコンピ盤を発見する事となるとは。

Nuggets  サイケ・ガレージのコンピ盤 280円

待望のナゲッツ。札幌のレコード屋で尋ねても「え?そんなコンピ知らないよ?」と見当たらず長年かかりました。山下達郎も聴いているらしく、好事家の間では伝説となっているコンピ盤です。1965-1968にリリースされたガレージバンド音源を収録。監修はアヴァン・パンク・ロックの神様ともいえるレニーケイ。(パティスミスグループのギタリストとして有名です)

そもそも音楽ライターとしても活動していたレニーケイがイギーポップの音楽を「Punks cruising for burgers」「ハンバーガー片手に車を走らせるパンクス共(不良たち)」と評したところからPunkという言葉が広まっていったと言われています。アート界隈とも親和性の高かったNY Punkが自身の音楽ルーツにあるので発見した際はプチ発狂でした。ぎゃんぎゃん。

ポップ職人トッドラングレンがかつて組んでいた!バンドのNUZZなどザラザラ、ヒリヒリしたギターとポップな歌声どちらもが楽しめる名コンピです。聴いていくと、MC5の暴力性、初期stonesのスピードと投げやり感、初期ゆらゆら帝国のアタック強めなビート感を思い出しました。あとやっぱりこの頃から既にめちゃくちゃBeatlesからの影響は大きいのだなと感じました。ぶっちゃけそっくりなものまであったもの。シリーズ諸々含めるとまあまあの枚数になるので人生かけて集めたいと思います。

ちなみにナゲット Nuget の意味は 金塊。 ごろっとしたその姿に似ている様子からチキンナゲットと名付けられたそうです。音楽好きが高じてこんなトリビアまでたどり着くとは思ってもいませんでした。何へぇ〜 かでも頂けましたら幸いです。

さて、今回はCD2枚でフィニッシュ。前回買ったヤニスクセナキスなど尖った現代音楽が280円で投げ売りされているので愛好家は是非来店した方が良いかと思います。専門店じゃないとお目にかかれないですよ。あと港町らしくJAZZが強めな在庫なのでこちらも併せてどうぞ。

シガーロス・デスキャブフォーキューティー・江口寿史・山本直樹・チャールズバーンズ 書き切れないほど沢山の芸術家と出会わせてくれた店舗です。夢の一つに「ブックオフの店舗内に布団を敷いて寝る」というのがあるのですが、実現させるとしたらここ、釧路店と決めています。何をどうやったら叶うのかてんで分からないけど夢は持ち続けようと思っています。

アリヴェデルチ

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