言うべきことは言うべき時に。

萎縮ってしない方がいい。

中学一年生の時、僕は生徒指導の先生にめっちゃ怒られた事がある。
プール授業の日の事だった。当時柔道部に所属していた僕は、たまたま水着を部室に忘れてしまい、朝練と部活の時間以外は部室に入っては行けないという校則があったため、水着を回収出来ずに結果としてプールの授業を見学することになった。授業がはじまり、プールサイドに立つが、他の見学者が体育服を着ている中、制服で突っ立っている僕は浮いていた。そんな時、反対側で見学している女子に、先生が準備を手伝って欲しいと指示を出しているのが見えた。他の人とは違って、ただの水着忘れで見学しているので、これは自分が率先してやるべき事だと思った僕は、隣で見学していたらK君に「俺らもなんかせなんよな」と話しかけた。その時だった。「おい!なん話しよっとや。」と低い声で怒鳴る声が聞こえた。もちろん怒鳴られているのは自分だ。サングラスをかけた生徒指導の先生がこっちに来いと手招きしてくる。「見学者がなんば話して楽しんどっとや。なんで制服や?体操服はどうしたんや」そう怒鳴られた。別に話して楽しんでいた訳ではないが、怒鳴られた事で、萎縮した僕は「いえいえ、僕はあちらで○○先生が準備を手伝ってくれと他の生徒に指示を出していたので、僕たちも何かしなければ行けないのかな?とK君に話していただけです。」なんて言えるはずもなく、ただただ震えていた。
さらに「お前舐めとるんか?」と追い討ちをかけるように先生が怒鳴ってくる。サングラスの奥にある鋭い瞳にさらに震えた僕だったが、なんとか勇気を出して「舐めてません!」と言った。今考えてみれば舐めてるようにしか見えない。舐めてませんのくだりは2、3だと思う。最終的に「もうええわ」と言われた事でこの説教は終わった。安堵して僕が立ち去ろうとすると、先生が剣道で鍛えた腕で僕を掴んできて「ありがとうございましたは?」と言った。一瞬どういう事か分からなかったが(ご指導)ありがとうございましたという意味と理解して「ありがとうございました」と震える声で言って、説教は終わった。

もちろん、元は自分が部室に水着を忘れた事が悪いのだが、自分は無駄な話をしていなかったと言えなかったせいで最終的に僕は見学者のくせに舐めた行動してしばかれたヤツになってしまった。
言うべきことは言うべき時に言うべきなのだろうが、言い訳するなと言われてしまえばおしまいだし、むずかしい。

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