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蛍光灯が切れたので買いに行ったら、時代遅れだとdisられた話

天井の蛍光灯が切れた。
LEDしか知らないナウでヤングなキッズには何を言っているのかわからないと思うが、15年前にはLEDの天井照明なんてなかった。
あったとしても有機ELテレビのようなマニア向けの高額商品で、買う人は限られていた。
それが今や、照明を買おうと思ったらLEDしか見つからない。
変われば変わるものだ。
音楽メディアも15年前はCD一択だったのに、今は配信ばかりだ。

電気照明の歴史は、19世紀にエジソンが発明した白熱電球が第一世代、20世紀に発明された蛍光灯が第二世代、21世紀に普及したLEDが第三世代だ。
音楽メディアでいえば、アナログレコード、デジタルCD、デジタル配信の変化に等しい。

いずれにせよ、新たに買う必要があるが、ここで一つ問題が生じる。
白熱電球や蛍光灯は、切れた球や管だけを取り替えるものだったが、LEDは照明器具ごと取り替えなければならない。
銃でいえば、弾が切れたらマガジンだけ取り替えればいいと思っていたら、弾薬の装填システムがないので常に新しい銃を用意するようなものだ。

ちょっと抵抗があったので、まず蛍光管の替えを探してみたら、LED照明を勧められた。
蛍光灯の内部には水銀が使われているので、2027年末までに製造と輸出入が禁止されるそうだ。未来がないのだ。
白熱電球なんか消費電力が高くてエコでないため、2012年にすでに製造が中止されていた。
悲しい。何百枚と買い集めたCDが経年劣化で聴けなくなるのに似ている。

「照明器具を替えなくても、蛍光管だけをLEDに替えられますよ」と教えてくれる人がいた。
なんと蛍光管の代わりになるLEDランプが売っていた。
かたちや取付口を蛍光管に合わせたものだ。
「社長はDiscordが使えないから資料をプリントアウトしてあげて」というのに似ている。
エコじゃないなと思いながら出力するところまで同じだ。

しかし、結論をいえばこの方法も使えなかった。
あまり知られてないのだが、家庭用の蛍光管には2つの種類がある。
通常の蛍光管と、スリム蛍光管だ。
スリム型は、長寿命で発熱効率が良い高級品だ。
発売当初は次世代の蛍光灯とうたわれたが、LEDに取って替わられた。
あまり普及していないから、スリム蛍光管のLEDランプは作られていない。
そして、なぜかうちの蛍光灯はスリム型だった。

ネットで探せばスリム蛍光管の替えはまだ見つかる。
だがマイナー商品なので高額だ。
今やほぼ同じ値段でLEDシーリングライトが買えてしまう。
LEDシーリングライトは消費電力が少なくて長寿命で、リモコンで色を替えたり、タイマーで自動消灯したりできる。
時の流れは無情だ。
さよなら、さよならスリム蛍光灯。

スリマの話をしようと思っていたのにスリムの話になった。

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