老舗盆栽園4代目に聞いた盆栽畑19の疑問
NFTで盆栽の未来を変える!盆栽マンです。
最初に少しだけ自己紹介。
日本一の松盆栽の生産地、高松で盆栽生産者のマーケティングをお手伝いさせてもらっています。
3年ほどYouTubeやメルマガの運営などをやってきましたが、今一番ホットなのがNFTです。1年前、盆栽こそNFTと相性が抜群と感じてから、コツコツと事業化に向けて準備しています。
今回は、ぼくもしょっちゅう紹介している盆栽畑のナゾを解明したいと思います。と言うのも、身近にあるがゆえに、あまり深掘りしてなかったんですよね。
・そもそもなんで畑なの??
・水やりは??
・植えてある樹がなくなったらどうなるの?
こんな疑問に回答してくれるのは、松盆栽の聖地・高松で100年以上続く老舗盆栽園・北谷養盛園4代目の北谷隆一さんです。
最後には衝撃!?の事実も…。
それでは、さっそく盆栽畑のナゾにせまっていきましょう!
老舗盆栽園4代目に聞いた盆栽畑19の疑問
Q1.いつから植えられている?
北谷:ぼくは4代目、畑のスタートはおそらく初代からなので100年くらい前からになります。昔の写真を見ると最初は五葉松が多かったようです。
Q2.高松に盆栽畑が多いのはなぜ?
北谷:高松は瀬戸内で雨が少ないので、米や野菜が作りにくかったのだと思います。そこで、一回植えて根付いてしまえば、あまり水が要らない松を植えたのが始まりと聞いています。
実際に、ぼくの園がある高松の鬼無地区には盆栽だけでなく植木屋さんも多いです。
Q3.土壌の特徴は?
北谷:土はおそらく花崗土だと思います。年々風化してきて少々質が変わってきているように見えるが、基本的には昔のままです。
Q4.そもそも畑に植える目的は?
北谷:畑に入れていると毎日の水やりが必要ありません。それに、大きくしたい樹は大きくしやすいです。
このように管理を楽にするため、と言うのが一番の目的です。
Q5.どれくらい成長スピードが早い?
北谷:ぼくの感覚で言うと、盆栽と比べると3倍くらい早いと感じます。太るのも、芽が伸びるのも。
やはり大きい盆栽を作りたいときは、地面に植える方が断然早いです。
Q6.最初はどれくらいのサイズだった?
北谷:本当の最初は、小さい苗木からスタートしたはずです。もしくは、ある程度鉢の中で大きくしてから始めたかもしれません。
90年、100年以上前の話なので正確なことはわかりませんが、かなり小さいサイズだったと思います。
Q7.樹のサイズは留めている?
北谷:留めています。(留めようとしています)
しっかりハサミを入れて枝を切ってなるべく小さく小さくしています。昔の写真を見ると、かなり小さかったですね。
一年単位だと少しずつしか大きくならないのですが、何十年も経つとかなり大きくなったと感じます。
Q8.サイズを留めるために何をしている?
北谷:伸びた枝を切り詰めます。放っておくとどんどん大きくなっていきます。
Q9.このまま放っておくとどうなる?
北谷:幹はそこまで変わりませんが、枝がビュンビュン伸びてしまいます。3,4年も放っておくと、とんでもない状態になるでしょうね。
Q10.水やりは必要?
北谷:畑の水やりはそんなに要らないです。適度に雨も降りますので。ただし、真夏に1週間雨が降らなければ水を入れます。
実は畑に溝を作っていて、その溝にしっかり水が行き渡るようにします。ぼくのところは地下室があるので、そこに水を溜めています。夏場に1週間雨が降らない時は、その水をポンプを使って入れます。
Q11.肥料は?
北谷:肥料はあまりやっていません。元々畑のものは元気なので、それ以上元気にする必要はありません。
たまに、苦土石灰(くどせっかい)を使って酸性になりすぎた土をアルカリ性にすることはあります。
Q12.新たに畑に植えることはある?
北谷:父と二人でやっているのでが、手一杯なのでこれ以上増やすことはありません。むしろ減らすだけです笑
Q13.調子の悪い盆栽を畑に戻すことはある?
北谷:時々あります。畑に戻すと調子が戻ることが多いですね。
Q14.鉢上げをする基準はある?
北谷:どうしても棚場に限りがあるので、その空き状況をみながら考えます。もしくは、どうしても鉢上げが必要な場合は、棚場を空けて上げることもあります。
Q15.年間の管理スケジュールは?
北谷:忙しいのでなかなかできませんが、理想的な作業としては以下の通りです。
春は根回しをして、4月5月に鉢上げをやります。それが終わったら剪定をしっかりやっていきます。剪定はずっと続きますが、5月6月の切り方、7月8月の切り方がそれぞれあり、季節に合わせてやっています。
10月11月になるとまた根回しをします。これは次の春(4月5月)に鉢上げをする場合にやります。春に根回しをした樹は、翌年の春に鉢上げをします。
こんな感じで1年が回っている感じですね。
結局、根回しと剪定の繰り返しです。
Q16.鉢上げ作業は何人でやる?
北谷:大型のものであれば、大人が3人は要ります。クレーンを使って釣り上げて畑から出すこともあります。かなり大変な作業です。Instagramにその時の写真もありますので興味のある方はぜひ。
Q17.畑の樹も買える?
北谷:もちろん買えます。ただし、時期によってはすぐ持ち帰れないことがあります。秋より少し前に注文いただけると、秋の間に根回しをして翌春にお持ち帰れるようにします。
そういう理由もあり、タイミングによっては少しお待たせすることになってしまいます。
Q18.大サイズの盆栽の需要は?
北谷:なかなか少なくなったのが現状ですが、大きな盆栽をお好みな方は一定数いらっしゃいます。特に業者さんによく買っていただきます。
Q19.なくなると終了?
北谷:その通りで、なくなったら終わりです。今あるだけで終了です。これをまた用意するとなると<70年80年かかりますので、事実上無理です。
山採りの黒松がたくさんぼくの園にはあるのですが、今仮に山に行っても盆栽になるような黒松はないと思います。あったとしてもまともな盆栽にはなりません。
本当に今あるだけで、なくなったら終わりです。そう言う意味では盆栽って貴重ですね。
まとめ
高松の気候や土壌の関係で、米や野菜が育たないということで誰かが松を植え出したのが始まり。北谷さんのことろでは、初代・二代目が五葉松や黒松を畑に植え始めた。山採りの黒松は特に貴重なもの。
畑の土壌には水と栄養が豊富なので樹の成長スピードが早いということもわかった。そ一方で、北谷さんのところでは3,000本もの樹が畑にあるため、剪定と根回しに時間を取られ、なかなか管理が追いつかないという現実も。
さらに、一番の衝撃だったのは、今ある樹がなくなると盆栽畑そのものがなくなるということ。盆栽が全て終わるわけではないが、何十年と樹齢を重ねた大型の松盆栽に関しては、これ以上新しく生産することはできないということが判明。この辺りは後継者の問題なども絡んで重要な問題。
高松は松盆栽の生産日本一、実にシェアは80%以上といわれている。高松の盆栽生産の衰退は日本の盆栽文化の衰退につながる。
NFTが何もかも解決するわけではないが、生産者の収益と生産性を高める最強の打ち手になればと強く感じる。
プロジェクト名は「THE BONSAI」。
目標は年内(2022年)に最初のNFTを販売することです。
THE BONSAI Twitterアカウント
@THEBONSAI_nft
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