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小品盆栽、東京支部講師陣の楽しみ方 (01)

自宅で過ごすことが推奨されてきたここ数年、家で小さな桜盆栽を愛でることから始まって盆栽に興味を持つ方も増えたのだとか。
植物と素敵な出会いをして、仲間と出会って、わくわく楽しく盆栽を愛好し続けてほしい。初心者から経験者まで楽しみ方は人それぞれです。

ということで、東京支部例会で講師を務める盆栽愛好家それぞれの盆栽の楽しみ方などについてお伺いしてみました。
これが正解!それは間違い!という話ではありません。個を尊重し、楽しんでいただければ幸いです。


講師インタビュー 第一回目は相談役の山田勢一氏です。
山田氏は、本部協会の役員も歴任され、盆栽清香会、緑水会にも所属されておられました。
残念ながら、顔写真は「人相がわるいため」として固辞されました。(注:そんなことありませんから!)
以下一問一答形式でお楽しみください。

山田氏が、インタビュー当日お持ちくださった「大切な一鉢」とは…? ご紹介は最後に!


第一回 山田 勢一 氏

東京支部 相談役
盆栽歴:約45年 東京支部歴:約40年

【 きっかけ・環境・アラカルト 】

ーー盆栽との出会い、興味を持ったきっかけを教えてください
学生の頃、新井薬師の縁日に出店・販売されていた盆栽を見て

ーー最初の一鉢は何でしたか?
中品の五葉松

ーー棚場の環境を教えてください
自宅2階のベランダの南側と東側

ーー陽当たりがよくていらっしゃるのですね。うらやましいです!
そうでもありません。南側は5~6時間、東側は日照3~4時間です。以前はもっと良かったのですが、周囲に建物が増えて短くなりました。
こんな環境でも45年やっています。(笑)

ーー小品盆栽で、もっとも興味を持っていることは何ですか?
納得の行く席飾り

2022年9月開催「東京支部 小品盆栽フェスティバル」での山田氏の席飾り。実はこの席飾りには、山田氏からのいくつかの「なぞかけ」があり、後日当該席飾りを題材に、高話が行われました。


ーー山田さんの、小品盆栽の楽しみ方を教えてください

好みの盆樹を好みの鉢に植えて育成すること

ーー失敗談やご苦労などあればお聞かせください
春先にシンパクに施肥して杉葉にさせてしまったこと

ーー苦労する点をお聞かせください
加齢とともに多くの植替えをすることがシンドクなったこと

【大切にしているコト】

ーー山田さんといえば、時に端正、時にユーモアのある飾りで我々を楽しませてくれますが、飾りのテーマなどはどのようなときに思いつくのでしょうか? また、大切にされていることがあれば教えてください。
アドリブ、思いつきです。

山田氏「お気に入りの一枚」。数年前に盆栽清香会の展示会に出品された席飾りとのこと。今年の干支であるウサギの添配がなんとも微笑ましい! 今回のインタビューに合わせた画像のチョイスと思われる一枚でもあり、こういった閃きとサービス精神も山田氏ならではと唸らせられます。


ーー気になった席飾りはメモを取る、と以前の高話でお伺いしましたが、心に残って忘れられない飾りをひとつご紹介ください。そのときのご感想やご自身に与えた影響についても教えてください。

飾られた小さなセキショウが鉢土の表面も実にきれいに整えられ、まるで「造形」作品のように見えたこと。席飾りの一点一点に小さなものにまで恐ろしいほどの心配りをされた出品者に感心しました。

ーー鉢合わせで悩むことがあります。山田さんなりのポイントなど教えてください。
いつも悩んでおり、私が教わりたいです。

ーー笑。小品盆栽を続けていくうえで、大事にしていることは何ですか?
根気よく日々の管理を怠らぬこと

ーーご自身の小品盆栽の「夢」を教えてください
世界各国に若い盆栽愛好家が増え、いつの世もBONSAIが愛されること。

【お宝小鉢の思い出】

ーーさて、冒頭拝見させていただいた鉢についてご紹介をお願いします。
私が「お宝」の一つとしている小鉢で、記憶がはっきりしませんが、30年ほど前に、佐野大助さんにお願いして作っていただいた鉢の一鉢です。(注:佐野さんの本職は、手描き友禅絵師)

大助さんとは、昔、盆栽の交換会で顔を合わせることが多かったことや気が合ったのでしょうか、ある日「山ちゃん、鉢を作ってあげようか」と声をかけてくださったのです。
私の干支であるネズミをデザインし、鉢底裏には「山田」の刻名を入れてもらいました。
正に世界に一つ、ONLY ONEの私の大事な鉢です。

「大助」銘ではなく、「山田」と入る青磁の小鉢。山田氏のためだけの鉢はおふたりの交流の深さを物語ります。銘鉢は世に数あれどここまで想いのこもった美しい大助鉢はなかなかないのでは。


ーーなお、日常管理やお得情報などの質問もさせていただきましたが、「盆栽の日常管理方法は“盆栽の教科書”どおりであり、また、特にお得な情報もありません。」とのことでさっくり割愛となりました。気になる方は、月例会にて直接質問をぶつけてみてください。笑。

山田さんのご趣味は盆栽だけでなく、盆栽歴よりも長いジャズの愛好家として、ジャズの初期~モダンまでのSPレコード収集家でもあります。真空管アンプを通してスピーカーから流れ出る心地よいサウンドがたまらないそうです。
山田さんのご趣味は目で楽しむ盆栽、耳で楽しむジャズの「二刀流」なのでしょうか!?


山田さんご回答ありがとうございました。

(蛍)



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