谷川俊太郎 死んだ男の残したものは

谷川っちは嫌いである。なにをどう思えばそんな風に事を言えるのかが分からない気味悪さがあるから。不可思議Wonderlandというラッパーがいて、ラッパーと言ってもポエトリーラップという詩的なヒップホップを行う人だ。その人の世界観は独特で、銀河鉄道にレールを掛けたり、世界征服をしていたりする。けど、たまには友達の死について唱ったりしている。その人が尊敬していたのもまた、谷川っちであった。谷川っちもその人も、独特な世界観の中に人間性というか、それこそ人間味みたいなものを持っていて、それをうまく詩に隠している。けど、時たま、その人間味が溢れ出すことがある。それが漏れ出した作品がある。人間味を書きたいという気持ちに駆られる瞬間があるのだろうか。と私は思う。そして、この作品もまた駆られた作品なのだと思うと、味は深まる、言葉は響く。けれども私は谷川っちが嫌いである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?