○卯月21日○【こだまでしょうか】
2年前に訪ねた
山口県長門市にある金子みすゞ記念館。
ふと、思い出す。
みすゞ記念館の周りを散策した時の潮の香り、
どこからともなく聞こえてきた砂利道を草履で駆けていく音。
路地裏から出てきた猫は
長いお昼寝が済んだのか腹ごしらえに向かう。
そんな光景が感じられる場所にある。
『こだまでしょうか』
「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。
「馬鹿」っていうと
「馬鹿」っていう。
「もう遊ばない」っていうと
「もう遊ばない」っていう。
そして、あとで
さみしくなって、
「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。
みすゞさんの詩はお天道さまのような光りと言うよりも、どちらかと言うとお月さまの様な灯りを感じる。
その場に流れる空気感を感じる詩が
とても好き。
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