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私が「1シーンチャレンジ」をはじめたワケ②

前回の記事では、主に俳優のキャリアがまだ短い方に向けて書いていました。

今回の記事では、俳優活動を始めて少し経った方に向けて書いていこうと思います。

俳優を始めて、たぶん最初はがむしゃらに、演じるチャンスがあれば、できればなんでも演じる。選んでる余裕なんかない。そう思って色々出演されることもあると思います。

でも多くの方が、最初からそんなにいい役ばかりもらえるわけではないと思います。

映像の商業作品であればエキストラのバイトから始まり、エキストラよりは少し良い、セリフが1個2個もらえた、といったことから。自主映画では、1、2シーン、ちょっとだけ出てくるような役、とか。舞台ならアンサンブルから始まって、これまた1、2シーン少し出てくるような役とか。

もちろん、こういった役は作品にとって全て必要な存在ですから、全く否定するものではなく、むしろ僕らのような作り手側からすれば、出演していただけるだけありがたいことです。

でも、俳優としてステップアップしたい人にとっては、いつまでもこの状況に満足できるものではないでしょう。

そういったときに、現状よりちょっといいような役のオファーがあったり、何かのオーディションで選ばれたとき、当然、それを受けると思います。そこで運良く評価を得たりして、さらに他の作品でも似た感じの役のオファーが続いたりすることもあると思います。

映像の世界はわりと狭いもので、作り手は他の作り手とつながっていたり、あるいはスタッフもいろんな現場で活動するので、そういった中で情報は共有されていきます。その中で「こういった役ができる俳優を探している。誰かいい人知らない?」というふうになったとき、あぁ、この前出てくれたあの俳優さん、いい感じだったよ。といった具合に紹介が起きることはしばしばあります。

当たり前かもしれませんが、俳優の演技力というのは、実際に演技しているのを見ないとわからないので、人からの情報というのは作り手側からするとありがたいんですね。もちろん映像とか何かしらの資料があって、作り手が自分で確認できるのが一番いいんですが。

そうやって色々な作品で演じていく中で、もちろん自分が満足できるような役柄にキャスティングされているとすれば、それが理想だと思いますが、そうとは限らない場合もあると思います。

例えば、年齢より若く見える俳優の人が、ずっと高校生などの学生役をオファーされ続けてしまうとか。中には本物の高校生に混じって演じなければならなかったりすることもあるらしく、制服着せたらなんとなく高校生に見えるとはいえ、本人は大変そうだし、自分はいつ年相応な役にキャスティングされるのか悩んでいることもあるようです。

また、1シーンチャレンジのシーズン2に出演していただいた水沢さんは、ご自身が最近、お話の位置付け的に飛び道具的な役ばかりオファーされるということに少々悩まれていて、もっと深みのある役もやってみたいのに、そういった役がなかなかもらえないとおっしゃっていました。

シーズン2vol.1

https://www.youtube.com/watch?v=uuO9cPe96ZA

俳優は、基本的にもらい仕事だと思います。

スターは別にしても、これからステップアップしたいと思っているような俳優にとって、オファーにしろ、オーディションにしろ、俳優が役を選べることは少ないと思います。

そうなると、俳優自身にとっては、こういう役がやりたいけども、違う感じの役しか演じるチャンスがないという、いわゆる理想と現実のねじれみたいな現象が起きることも少なくないと思います。

これを解消するのはなかなか難しいと思います。

この問題解決のために、ぜひこの「1シーンチャレンジ」を使っていただきたいと考えています。この企画は、役柄に関してなるべく俳優自身の希望を反映した脚本を作成します。参加する俳優の方は、自分自身の現状からチャレンジすることができる。むしろどんどんチャレンジしていただきたいというのがこの企画のポイントです。僕もそのチャレンジを全力でフォローしていきます。

商業でも自主製作でも、作品を作るとなると当然、なるべく失敗できないと、作り手も俳優も考えると思います。しかし、チャレンジしてみないと新しい発見もない。そういうことができる瞬間は意外と少ないんじゃないか。それを、俳優の方も、それを支える僕らも、一緒にチャレンジをしていった先に、新しい価値のあるものを見つけられたら、そう思っております。

最後までお読みいただきありがとうございます。もし俳優の方で、ご興味をお持ちいただけましたら、以下の記事をご覧ください。詳細が書いてございます。ご応募、おまちしております。

https://cinepu.com/cast/lrj5NEqoSf_/


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