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bondな人々 Vol. 1 田邉 献

bond(私たちはbondplaceのことをこう呼びます)のメンバー中には色んな人がいます。得意としていることやbondへの関わり方も様々なので、ぜひ一人ひとりのことを知ってもらいたいと思いインタビューを始めました。何かでお会いしたときに、声をかけてもらえると嬉しいです。

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Vol. 1 田邉 献 (たなべ けん) 

彼のことを、bondのメンバーは「けんちゃん」と呼びます。
bondの中核事業である学習支援事業「B@SE」のコアメンバーです。
子どもに関わることなら、けんちゃんです。

<ちょっと前のカッコつけてるいい写真>

■ 勉強を教えるだけではない学習支援をしています。

普段はいわゆる生活困窮世帯の子どもたちの支援をしています。
勉強を教えるだけではなくて、彼らの興味・関心のあることを通して関わっていく活動をしています。サッカーがしたい子にはサッカーができる環境を探すとか。興味関心がない子もいるので、そういった子には活動を無理やり押しつけるのではなく、そのままいていいんだなと気づいてもらえるような関わり方です。
もともと子どもが好きで教員免許を持っていますが、子どもの貧困ってどういうことか知らなかった。元気な子どもばかり見えていました。
しんどい家庭にいる子たち、経済的に難しい家庭にいる子ってたくさんいるんですけど、今まで自分の周りにいるということを知らなかったんですよね。bondの活動に関わる中で具体的に知り始めた感じです。自分は何ができるんだろうと考えるようになりました。

■ 子どもたちのために考えることがたくさんあります。

bondとの関わりは恵林寺で開催された教育に関するワークショップが始まりです。その後かおりさん(加藤香)の手伝いをするようになって深く関わるようになりました。最初はやりたいことやってて・・・カメラ好きだったので写真撮影とか。(笑)

bondの学習支援事業は2015年から始まりました。僕は当初から主軸メンバーとして現場で動いています。山梨市では週に1回学習会を開いていますが、南アルプス市ではアウトリーチも事業内容に含まれているので、子どもたちと興味関心ごとで関わっていくということを、市の人と協力してやっています。
僕がどういう立ち位置で関わるのかということを、子どもたちに伝えるのは難しいです。「しんどい人たちに関わる人だよー」って言って近づくわけにはいかない。周りの子の目もあるし。「勉強一緒にする人だよ」と言うのと「勉強を教える人だよ」と言うのでも、言葉の上では微妙な違いなんですけど、意味は全然違う。どっちを言うのか、常に言葉の使い方や態度について問題がないか気を張っています。
親御さんとの関わりも難しいところです。親御さんのニーズというのもあって、例えば自分の子どもにこうなってほしいとか、勉強してほしいとか。子どもの方も話をしてくれる人や一緒にいてくれる人がほしい、自分の好きなことだけしたい、干渉しないでいてほしいけどその場にはいてほしいとか様々です。どちらか一方のことだけを聞くわけにはいかないのが難しい。
本人が本当にしたいのか、こちらの押し付けになっていないか、やりたいと思っていてもできる状況ではないのか、家で嫌なことがあるのか、それ以外のところで嫌なことがあったのか・・・考えることがたくさんあります。

■ 自分が周りの人たちに支えられてきた実感があるから。

僕は中学校3年生のときに父親が亡くなってるんですけど、幸いその時はそんなに環境の変化がなかったんですね。裕福ではないけど、めっちゃ貧しいというわけでもない。いま見ているしんどい子に比べると比較的大丈夫なんですけど、旅行とかクリスマスなどの家族で体験するイベントは少ないという状況でした。
でも後から振り返ればその時に色んな人に支えられたという実感があります。学校の先生だったり、友達だったり。その時は陸上が好きだったんで、それに没頭することができる環境で、僕なりにやりたいことをやらせてもらえてたなと思います。
いま僕らが関わっている子たちっていうのは、生まれ育った環境要因もあって、やりたいことをしようと思えるような状態ではない子が多いです。日々の生活を生きることも精一杯で、疲弊している子もいます。どんな環境の子たちも、せめて将来何やりたいかということを考えられるような社会にしたいです。

■ ひとりでもたくさんの人が、子どもに関わる社会を目指して。

bondでやるべきかどうかもわからないけど、子どもを取り巻く環境の向上とか貧困の解消ということに、地域の人が一人でも多く関われるような社会、組織をつくっていきたいです。多くの人が関われると、より広い問題が解消できると思います。経済的に裕福でもしんどい子たちや、将来的な夢を持っていない子がいる。もし夢を持っているなら、今度は色んな視点を持って考えられるといいと思う。大人とかちょっと年上のお兄ちゃんなど多様な人と関わりながら、自分の人生を歩むっていうそんなことができたらいいなと。bondで言えば「みらまち」とか「ソーシャルプレゼン」とかにも関わっていきたいです。

■ これからも子どもに関わる人として、楽しくやっていきたい。

bondは僕にとって自分のやりたいことを整理して具体化するために、壁打ちしてくれる団体・・・かなあ。やりたいことも含めて、自分の「あり方」を考えることができる。bondの中に色んな人がいるからこそ、自分の「あり方」を考えることができるし、自分は自分なりの「あり方」でいいんじゃないかと思います。こうじゃなきゃいけないとか、自分の中で今でも考えてしまうことがあるけど、他のメンバーを見ていると必ずしも決めなくていいんだなとか。

これからもやりたいことをやっていきたい。自分自身どんな子どもに関わっていきたいかというのを整理していったうえで、bondとしてもできることは何があるかと考えたい。常に子どもに関わる人としていたいですね。楽しく。

聞き手: bondplace 真鍋 薫子

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