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飼い主、猫の「吐き戻し」に悩む


朝日が差し込む夏の朝、目を覚ますと、室内はえらいことになっています。

3匹の猫らがやらかした“そそう”の後始末…朝から仕事はてんこ盛りです。


今回の主人公はこのボン君(10歳、オス)

食いしん坊のボン君の「吐き戻し」は、黄色い吐しゃ物が飛散し、壁を汚すほど。

毎日のようにその始末をするとき、私は最も“生活のリアル”を感じます。


もともとボン君(10歳)は「吐き戻し体質」です。そのため、「吐き戻し」に対応したカリカリ(「銀のスプーン」シリーズ)を与えていました。


けれども、最近はこのカリカリでも数分後には戻してしまいます。8月に入って、必ず1日1回は嘔吐するようになりました。吐き方も激しく、少し痩せてきた感じです。


猛暑にうだる猫ら。ダラダラ。(手前はユキ、7歳、オス)

そこでベテラン獣医のS先生に電話をしてみることにしました。

S先生は、「まずは飼い主にアドバイスを与えて、できるだけ在宅でケアできるように促す」という考えをお持ちです。また、畜産業の現場経験をお持ちで、ひとや動物とのかかわりや、生き物の在り方の根本原理を抑えていらっしゃる先生です。


そのため、ちょっとした工夫や少しの知恵で動物の苦しみをやわらげる方法をご存じです。そして飼い主へのアドバイスも「単純明快」です。


以下は、あくまで個人的な相談のやり取りとなりますが、愛猫の嘔吐に悩む飼い主さまのご参考になればと思い、共有させていただきます。


1 「黄色の吐しゃ物」について

わたし:吐いた物が黄色なんで、胆汁が出ているのかなと疑いました。そこで、近所のクリニックで肝機能について血液検査をしましたが、甲状腺の疑いも含めて数値的には問題ありませんでした。

S先生:黄色なら、胃酸過多ではないかな。濃い茶色だと十二指腸、白色だと心臓が懸念されます。

わたし:そうですか、胃酸過多という見方もあったんですね…!


2 餌の与え方について


S先生:ボン君は急いで食べているのではないですか。

わたし:はい、確かにその通りです。ボン君は好物の「シーバ」は丸のみで、銀のスプーンも舌でからめとるようにして呑み込んでいます。数分後に食べたものをすべて吐き戻すのはそのせいなんですかね…。

S先生:カリカリの場合ならば、なるべくすりつぶして与えてください。でもすりつぶすだけでは、粉末が胃や食道に張り付いてしまいますから、お湯で溶いて与えるのがいいですね。

(これは猫のみならず、犬にも当てはまる対応だそうです)


3  1日当たりの食事の回数について


わたし:すぐに吐くので、食事は少量にして、複数回に分けて与えています。2時間おきぐらいに、催促されれば与える、っていう感じです。

S先生:それは多いんじゃないかな。1日4回ぐらいが適当ですよ、人間も同じでしょ、朝・昼・晩+おやつの時間。動物も同じですよ。

わたし:なるほどです。

S先生:猫も人間と同じだから、毎回、満腹になるまで食べてもらうことが肝心です。胃袋はごはんを待っている、でも十分な量が入ってこないとなると、胃酸に負けてしまうんです。


4 レントゲン撮影について


わたし:近所のクリニックでは「一度レントゲンを撮影してみては…」と勧められたのですが、やったほうがいいでしょうか。

S先生:猫にかかる負担を思うと、レントゲンはかわいそうです。麻酔をかけるし、バリウムも飲まなくてはなりません。やるならまずはエコーからのほうがいいかもしれませんが、今はその段階に進むのは早いかもしれません。


5 猫にとっての健康食とは


わたし:自宅でできる食餌療法はありますか。

S先生:乳酸菌とか発酵食品がいいですよ。ヨーグルトを舐めさせるのもひとつの手です。わざわざ口に入れなくても、鼻先につけるだけでペロペロ舐めますから。犬なら、茹でたキャベツやダイコンを与えるといいんです、人間でも胃の調子が悪いと「キャベジン」を飲むでしょ?

わたし:そういえば最近は、乳酸菌入りの「ちゅーる」なんかも売られていますね。

いろいろアドバイスありがとうございました。まずは自宅でできることをやってみます!


病院知らずのユキ。性格はリップンディップ。大胆不敵

*ちなみに「猫がヨーグルトを食べてもいいかどうか」については主に2つの考え方があるようです。ご参考までに。

https://cat.benesse.ne.jp/withcat/content/?id=19050

https://pshoken.co.jp/note_cat/cat_food/case001.html


突然の異物飛来に騒然とする猫ら(手前はタビー、14歳、メス)

まとめとその後のボン君の状況について

最初は肝臓機能を疑って、重い病気を想像しましたが、S先生の「胃の調子が悪いかも」説が有力に。そこで、カリカリは湯ときにし、“ヨーグルト療法”にも挑戦しました。おでこにヨーグルトを少しだけ塗ると、手を使ってペロペロと嘗め始めました(これは投薬にも応用できる??)。それから数日後、毛玉を吐き出しました(もしやこれが原因?)。もっともひどい時期から2週間が経ちましたが、おかげさまで小食にも慣れ、前のようなガツガツがなくなり、嘔吐の回数も少し減りました。


おでこの窪みはヨーグルトの跡

ペットとの共存は一喜一憂の繰り返し…ですね。引き続き見守っていきたいと思います。

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