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日本と潮力発電

⑨今流行りの再生可能エネルギーの一つに、潮力発電がある。潮汐による海水の移動(=潮汐流)の運動エネルギーを電気エネルギーに変えることで得られるテクノロジーだ。枯渇しない、CO2を出さない、という再生可能エネルギーのメリットに加えて、地球の7割を占める海の強大なエネルギーを有効活用することができる画期的な仕組み。

海に囲まれた島国の日本で、その普及が進まないのはなぜだろう。日本ではそもそも潮力発電以外にも再生可能エネルギーの普及に諸外国より遅れをとっている。再生可能エネルギーを「主力電源」にすることを目指し策定した日本のエネルギー基本計画では「発電コストが海外比より高いこと」「天候次第という間欠性の問題を持つため、微妙な調整を要すること」を普及しない原因に挙げているが、再生可能エネルギーは普及させればさせる程低コスト化が実現する仕組みだ。

二度の事故を起こしてもなお、原発優先の電力会社と経産省が背景にいること。基本計画では、将来の原子力発電所の数を現実的でない数字まで水増しして見かけの低コスト化を狙い、再生可能エネルギーの普及を滞らせた見かけの高コスト化を理由に足踏みを続けている。

この体制は、この後もしばらく変わらないのかもしれない。利権の絡んだ隠ぺい体質のせいで、今日も来月も来年も大きな海の波が価値あるエネルギーに変わることはないのだろう。


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