「カスタムロボV2」をRTA in Japan Summer 2024 で披露しました
こんにちは。ぼんぼんです。
この記事はRTA in Japan Summer 2024に参加した際の体験談や感想記事です。本イベントでは「カスタムロボV2」というゲームで採用いただき、この度参加する運びとなりました。感想レポートに加えて、カスタムロボのRTAを知らない人向けにRTAについての紹介を末筆に記載しました。
簡単に自己紹介
私は主にカスタムロボシリーズやメイドインワリオシリーズ、ゼルダの伝説 風のタクトHDのRTAを走っています。
最近はキングダムハーツのRTAにも挑戦しています。
下記のリンクから記録などをご参照いただけたら幸いです。
その他、XやTwitchでも活動を行なっております。
RTA in Japan Summer 2024 参加レポート
イベント概要
開催場所:東京都千代田区麹町 note place
開催期間:2024/08/09(金)~2024/08/15(木)
寄付先:国境なき医師団
応募から採用まで
応募は『カスタムロボV2』と『ゼルダの伝説 風のタクトHD』の2タイトルで行いました。特に『カスタムロボV2』は、2022年の夏から応募し続けており、5回の落選を経て6回目にして採用されました。
本番までの練習
ここ1年間で、カスタムロボV2のRTAにおいて、「ニュートラルポジションリセット」という技を取り入れました。この技の原理は、カスタムロボ初代とV2の仕様として、バトル以外の主人公の移動速度が入力角度によって決定されることを利用し、常にニュートラルポジションを変更し続けて主人公の移動速度を通常の2倍近い速さにするというものです。この仕様は、昔からV2をプレイしていた方には馴染みのあるものだと思いますが、カスタムロボのRTAコミュニティはそれほど活発ではなく、この技術を認知するのに時間がかかってしまいました。
具体的なやり方については後述しますが、この技は常にリセットのコマンド入力を様々な角度で行う必要があるため、RTAが非常に忙しくなります。テキスト送りの連打が大変な上に、コマンド入力まで増えるので、プレイがより難しくなりました。しかし、タイムが短縮される可能性があるため、イベントで披露することを目標に練習を重ねました。本番前の通し練習は本番の約1ヶ月前から週1〜2回行い、週2回の練習の時は主に金曜日と日曜日、週1回の場合は土曜日または日曜日に行いました。テキスト送りの連打による疲労で、練習効果が得られないことを避けるため、二日連続での通し練習は行わないようにしました。練習期間は短かったかもしれませんが、直近の別のイベントでも走っていたため、通し練習の回数としては十分だと感じていました。本番前には一度自己ベストを更新でき、良いモチベーションで本番に臨むことができました。
本番前リハーサル
解説は、前回『カスタムロボ バトルレボリューション』をRTA in Japanで走った時と同様に、いかひじきさんにお願いすると決めていました。私がカスタムロボのRTAを始めてからは、主に私といかひじきさんの2名がアクティブ走者(定期的にRTAを行っている)として活動しており、これまでの2人の活動をアウトプットできればと考えていました。また、カスタムロボは基本的に同じ戦術に落とし込むことができますが、細かな状況判断や良プレイな戦術は本番時の乱数にも左右されるため、臨機応変に解説していただくにはRTA経験のある方にお願いしたほうが、カスタムロボのRTAをより詳しく解説できると感じたからです。
本番1週間前に、名古屋RTAさんのチャンネルを借りてオンラインでのRTA披露の場を作っていただき、本番想定したリハーサルを行いました。このリハーサルがあったからこそ、RiJ本番でも良いタイムを記録できたのかもしれません。
現地入りから本番まで
8月11日に会場入りし、『野田ゲーWorld』を現地で観戦しました。CMでも話題になったゲームだったため、老若男女問わず幅広い方々が会場を埋め尽くしていたのが非常に印象的でした。その後、いかひじきさんと合流し、本番前に最終打ち合わせを行いました。会場に戻った後は21時頃まで観覧し、ホテルへ戻りました。ちょうど13日に出走予定のずのうさんがラウンジで練習しており、ポケモン図鑑登録システムやポケモン赤緑同時操作用のコントローラーを触らせていただきました。撮影も快く応じていただき、大変貴重な経験をさせていただきました。
翌日は朝9時30分から出走予定だったため、前のゲームのEST残り45分前くらいに会場入りできれば良いと考えていましたが、直前の不思議のダンジョン系のRTA2タイトルで15分巻と30分巻で計45分も巻進行となってしまいました。ちょうど私が会場入りした直後に前のゲームが完走したため、急いでセットアップを行いました。もともと当日に練習はしない予定だったので、プレイに影響は出ませんでしたが、朝方の出走直前に不思議のダンジョンシリーズが走られていた場合は注意が必要ですね。笑
本番時の走り
本番では自己ベスト+20秒くらいのタイムを記録できたので、全体的に良い走りだったと思います。注目していただきたい部分は、サンデーマッチのタイヘイ戦とトラジ3回目の戦闘です。CPUのAIを把握し、タイヘイ戦ではガトリングガンの被弾を最小限に抑え、落下ポイントにボムを投下して硬直を多く決めることができました。トラジ戦では、ダッシュで向かってくるタイミングとダウン復帰後のタイミングを予測し、タイム短縮に繋げることができました。ロウガ戦ではパーフェクトを逃しましたが、ハメ技を披露できてよかったです。また、前回『カスタムロボ バトルレボリューション』で出たRiJではラスボスに苦戦しましたが、今回は負けなしで通せて本当に良かったと思います。
反省点
今回、寄付額投票を2つ行いましたが、武器の決定を曖昧な表記にしてしまい、当日の走りにおいて縛りプレイを期待して寄付してくださった方に対して、期待に沿うことができず非常に申し訳なく感じています。表記的に間違いはありませんが、カスタムロボを知らない方にも参加しやすいよう表現の具体性を極力控えめにした結果、非常に曖昧な表記になってしまいました。事前に私のX(旧Twitter)での投稿と出走直後の解説で寄付額投票の説明は行いましたが、全てに目を通せた方はごくわずかだと思いますし、本番RTAの途中から視聴してくださった方も多かったと思います。今後、この反省を活かし、寄付額投票を設定する際は慎重に検討したいと思います。
おわりに
この1年で『カスタムロボV2』で様々なイベントに出場しましたが、今回のRTA in JapanというイベントでRTA経験者2名によるコミュニティの進捗披露という形でアウトプットできたことで、一つの区切りがついたと感じています。今回、多くの方に会場でご挨拶いただき、交流の幅を広げることができたと感じています。また、RTA in Japanに参加したいですね。
謝辞
今回のRTAを走るにあたり、解説の準備を進める中で、RTAコミュニティや対戦勢のコミュニティの方々に多くの情報提供をいただきました。またカスタムロボについて動画投稿されている先駆者の方々の動画も参考にさせていただきました。このやり取りの中で、タイム短縮に繋げられる発見もあり、非常に有意義な時間を過ごすことができました。この場を借り御礼申し上げます。
また本番当日、暑い中会場まで足を運んでいただいた方々にも、心から感謝申し上げます。
カスタムロボV2 RTA テクニック
これまでカスタムロボV2のRTA的テクニックを文章として記すことがあまりなかったので、この記事を機会に紹介させていただきます。要望があれば別記事でさらにまとめたものを作成するかもしれません。今回は本イベントで特に目立って披露することができたテクニックなどの紹介をさせていただければと思います。
ニュートラルポジションリセットの原理
N64の「ニュートラルポジションリセット」は、「L+R+START」のコマンドで行えます。このコマンドを入力した時点で、スティックの傾いていた位置がゼロ点としてリセットされます。例えば、スティックを左に45°傾けた状態でリセットを行うと、スティックがフリーな状態でも右に45°入力されていることになります。
この状態でスティックをさらに右に45°入力すると、ゲーム内部では90°の入力がされることになります。カスタムロボV2では、ロボバトル以外の画面で主人公の移動速度が入力角度によって決まる仕様のため、この仕様を悪用して主人公の移動速度を速くしています。ロボバトル以外の部分で移動速度が倍になることで、RTAにおいて非常に大きなメリットを得ています。ハードの仕様違いによって基本速さが変わるのは平等ではないかもしれませんが、現時点ではまだルール議論の余地があるのと、本イベントではテクニックの紹介として披露させていただきました。
最近では、ニュートラルポジションリセットを使用しない場合、WiiVC版やSwitch版の方がコントローラーのスティックの最大傾き角度が大きいことから、ハードの違いによる速度差があるのではないかと考え始めていますが、まだ確かな検証結果は出ていません。ハード間の違いについては、未開拓な部分が多いので、今後の研究が期待されます。
ボム+アタックの同時当て
カスタムロボではある一定以上の攻撃を受けるとダウン状態になり、その間はある攻撃を受けるダメージに軽減倍率がかかる仕様になっています。アタックは相手を一発でダウンさせてしまうため、序盤の最大火力が叩き出せるアタックも1発目は軽減がかからず最大ダメージを当てられますが、ダウン状態での2発目以降は軽減倍率がかかり最大火力が叩き出せません。しかし、なぜかボム+アタックがある特定のタイミングで当時に当てられた場合、アタックでダメージが与えられているにも関わらず、ヒットの判定として扱われ、2発目のアタックも軽減倍率がかからず最大火力を与えられます。この技は動いてる敵にタイミングよく同時当てを行うのは非常に難しいため、バトル開始時のキューブ射出後に先手で起き上がれた際に積極的に狙っていった戦術です。止まっている敵でさへもタイミングよく当てるのは非常に難しいです。本イベントではこの同時当てを比較的多く成功させることができたため、序盤区間では多くのタイム短縮に貢献できたと思います。
おまけ:カスタムロボV2のRTAについて
カスタムロボのRTAとしての立ち位置
今回のRTA(リアルタイムアタック)では、ストーリーモードの「旅立ち編」をプレイしました。これにより、昔カスタムロボを遊んだ方々には懐かしい気持ちで視聴していただけたかもしれません。一方で、かつて友達と集まって対戦プレイを楽しんだ方々には、RTAの内容が単調でつまらないと感じられた方もいるかもしれません。
私が感じるカスタムロボのRTAは、対戦プレイとは全く異なる遊び方です。
対戦 (あまり経験がないので私のイメージです)
パーツをカスタマイズし、戦術やコンボを試行錯誤しながら戦う。
対戦相手の使用ロボとパーツに応じて、その場で戦術を考え、バトルを行う。
RTA
パーツのカスタマイズは最小限に抑え、時間を節約する。
CPUのAIを把握し、基本的には同じパターンを繰り返す。
安定を重視し、無理に攻めないことで結果的にクリア時間を短縮する。
つまり、カスタムロボのRTAでは、通常のゲームプレイで重要視される「パーツをカスタマイズしながら楽しむ」という要素を排除し、ストーリーを最速でクリアするために必要最小限の行動を取ります。これが、「カスタマないロボ」とも言えるRTAの醍醐味です。
対戦もRTAもカスタムロボの魅力的な遊び方であり、多様な楽しみ方ができることはこのゲームの魅力的な部分だと考えています。
私の話を例に挙げると(V2は幼少期持っていなかったのでバトレボの話です)、当時私の地元ではカスタムロボはあまり流行っておらず、友達と集まって対戦で盛り上がることはなかったため、私は主にストーリーモードを周回して遊んでいました。兄弟で対戦はしていましたが、当時はインターネットも今ほど普及しておらず、戦術に関する知識も乏しかったので、ただ楽しく遊んでいただけでした。
他のゲームも次々と発売される中で、カスタムロボの対戦だけを続けることはなく、兄弟も他のゲームに興味を移していきました。その結果、対戦よりも1人でできるストーリーモードの周回を多く楽しんでいたのが記憶に残っています。幼少時代にとっては難しい激闘編よりも旅立ち編の周回が多かったのも良い思い出です。
最近ではSwitch Onlineに追加され、対戦ゲームとしての印象が強くなっていますが、私のように対戦環境がなく、ストーリーをたくさん攻略していた方も多いのではないでしょうか。こうした幅広い楽しみ方ができるカスタムロボは、本当に素晴らしいゲームです。
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