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ムサビ通信に行こうと思ったきかっけ

一番の理由は「次にやることがなくなってしまったから」

ひょんなことから、ムサビ通信に行くことになった話をします。
女の子の私(まりあ)が直接のきかっけですね。

性別不合で、ひとつの身体に男女の二人がいる私たち。
もともと2022年を目処に、男性の方の私を終わらせ、残りの人生は女性のまりあの方で行きていこうと考えていました。
30代半ばに差し掛かり、年齢的にもそろそろまりあのパートナーを探さなきゃと思っていたところでした。

そんな中で、美大出身の男性と知り合いとても仲良くなりました。私はタマビで、相手はムサビの卒業生。しかも同じ歳。
しかし、いろいろあって、その方とはうまくいかなかったのです。
まりあはえらいショックを受けてしまって、夢の中でその男性のことをずっと探しているくらい。ちょっと重症だったと思います。

ムサビ未受験の苦い思い出

日が経っても、まりあは相変わらずその男性のことを思い出しては悲しんでました。そんな中でムサビの芸祭の存在に気づき、少しでもまりあの気が済むのならと芸祭へ行きました。

実際に行ってみたところ、予想外に自分の方が美大に唆られてしまいました。自分にはムサビを受験できなかった苦い思い出があります。

現役時代、ムサビの映像学科を受験しようとしていました。
予備在籍時は迷走を繰り返し、芸大デザイン科→芸大先端とコースを変え、最終的にたどり着いたのがムサビの映像科対策コースでした。ここがいちばん自分の強みを発揮できる分野だったと思います。

しかし当時はまだ自分が「性別不合」であるということに気づかななかったため、頻繁に男性ホルモン不足に悩まされましたし、また「男性のなのに体は女性」という状態のため、自我が常に不安定でした。
受験前の学科や実技の点は合格ラインには届いおり、予備校の先生からは普通にやれば問題ないと言われていましたが、それを自分自身で信じることができませんでした。ムサビを受験した当日は、体が震えてしまい途中退出してしまった記憶があります。

そんなことがあったので、「体調になんの問題のない状態で美大に通いたかった」という気持ちが急に湧いてきたのです。

学費などのお金はそれなりにかかるものの、「やることないしちょうどいいか」と思い、在籍していた通信制高校を退学し、ムサビの通信へ入学を決めました。

ムサビの匂いで予備校時代の記憶が蘇る

私自身は、多摩美の出身ですが、ムサビの校舎の中に入ったときの匂いが、御茶の水美術学院の匂いと同じだなと感じました。
その匂いのお陰で、予備校時代に何を考えていたのか、どうやって絵を描いていたのかなどの記憶がだんだん戻ってきました。(多摩美入ったら忘れてしまったやつだと思います。。)

同時に、手で絵を描いていた頃が懐かしいと感じました。
予備校までは一生懸命、手で描いていたのに、その後は絵自体を描かなくなってしまい、自分の絵も未完成のまま。もう一度ちゃんと絵が描きたいって思うようになりました。

まりあに邪魔されることもない

女の子の方のまりあは、自分の好きな男性から離れている状態なので、去年より少し出てくる時間が減ってしまったと思います。
でもそれが私にとっては好都合。まりあは出て来ないし、邪魔するものは何もない。今のうちに絵を描いておきたい。そんな気持ちです。

もし、まりあの好きな男性とうまくいっていたら、ムサビ通信には行くという選択はなかったと思います。うまくいかなかったからこの選択ができたと考えると、少し複雑な気持ちです。

教科書が届いたときのワクワク感がたまりません・・・

いろいろありましたが、新しいスタートが切れて本当に良かったと思います。通信は大変そうですが、既にTwitterで同じ武蔵美通信の仲間がたくさんできました。マイペースに頑張っていきたいと思います。

28歳の時「ゴメン、本当の性別女じゃなくて男だった」を食らった性別不合の当事者です。日常的に男女の性別使い分けを強いられそのまま根付いてしまった奇妙な人生。サポートや紹介していただけるメディアさんも募集しています。