見出し画像

【Open Letter】テルから寛生へ、2通目。(2019/11/12)

拝啓 寛生様

季節は唐突に昨日を殺し、山手線の向こう側を明日と名付けて体温を奪おうとします。つまりウィンターイズビーイングカム、冬が来られる。私は徹底的に冬を敵視している、そういうふりをしたり少なくともポーズを取っているのだから、貴方もその辺の事情を汲んで一緒に香港でそういう趣旨のデモをしてくれたらいいなと思っています。

お返事ありがとうございます、とでも言うと思ったかこのタピオカ排泄ルーティン叔父さんが。いや、これは貴方がタピオカを排泄するルーティンを厳格に執り行う叔父さんだバーローということではなく、貴方のことを考えて返事を書こうとしたら、タピオカ排泄ルーティンおじさんという表現を神的な何かが私に遣わしたという程度のことです。暴言を吐いてしまったことはお詫びします。まぁ貴方は暴言どころかタピオカを排むにゃむにゃ。

少女と愛について言及されましたね。貴方の注ぎ得る愛情の総量が、幼少期に注がれたそれを越えることはないというお話であれば、私は貴方をすごいアッパーで空に舞い上がらせ、スカイツリーを超える高さで空中コンボみたいなことをしなければなりません。疲れるので避けたいですが仕方ありません。少女との一件はお気の毒でしたが、ある業界の方から見ればそれはご褒美であるという事実についてもまた踏まえなければなりません。貴方は自分では見えない幸せの渦中にあったのかもしれない。仮にそれを無視しても、貴方の愛情は枯渇することなどないと確信しています。何故なら、愛情とは貰ったものを与えるといった総量を定義すべきものではなく、貴方の内側から無限に湧き出し周囲を潤し続けるという性格のものに他ならないからです。そう、つまりタピオカです。

いつか貴方にまた逢えたなら、丁度10年前に貴方が取材先で配布を受けてその日のうちに私にくれた、あのヒートテックのシャツを、今まさに私が着用していることについて様々な見地から語り合いたいと考えています。十年一昔とは言いますが、私はあの時から一歩も進んでいないようにも思えてなりません。

このクソッタレのウィンターアゲインに負けないよう、寛生くんもご自愛ください。

テルより。
街雄鳴造「マッチョアネーム」を聞きながら。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?