あなた、パンクスですか?

高円寺に住んでいた頃、朝まで飲んだあとに駅前で同じく高円寺に住んでいた友達とそれぞれの家に帰る分岐点である高円寺駅で立ち止まり少し話をしていたときのこと、
「すいません、あなたがた、パンクスですか?」
革ジャン・革パンのおじさんに突然話しかけられた。
「僕ね、いても立ってもいられなくて電車や夜行バス乗り継いで島根からきたんです」
残念ながら我々はパンクスではないと答えるとおじさんはありがとうと立ち去りまた別の人にパンクスかどうか聞いて回っていた。何にいても立ってもいられなくなったかは不明だが、どう見ても俺らちがうやろと苦笑しているそのとき、JRの券売機の前で一人の酔っ払った若者の振り上げた拳が隣の若者の顔面にヒットし、それを見たおじさんはそこを目指して駆け出していった。

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