アナルゲン

晩飯の後のリビングにて、エネルゲンというスポーツドリンクのことを母親がアナルゲンと言い間違いをしたその刹那、横で新聞を読んでいた父親がこれみよがしに両足をVの字に開き「そりゃ”ここ”のことたーーい!」と、後にそれがいわゆるマングリ返しと呼ぶことを知るのだが、その状態で自分の肛門を指差し、ヴィクトリーとばかりにニコニコしているのを見せ付けられた。
間違ってアナルと言ってしまったことと父親のフォローに母親だけがキャッハッハと笑っていて、その間父親はずっとVの字のままニコニコしていてどうでもいいから早くVを仕舞えよと願いながら俺はテレビから流れるNHKの大相撲中入り後の取組み結果をぼんやり眺めていた。

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