死ぬ間際に

会社にいる定年過ぎた嘱託のおじさんの、80を超えた高齢のお父さんが病気で倒れそのまま入院、長引く入院生活で容態は回復するどころか痴呆なども併発し悪化する一方だったという。
入院してからというもの、みるみるうちに病状は悪化し、ついに意識を失ったときいた家族がそのときを覚悟し病院に集ったときにはほとんど危篤状態、結局病に倒れてからわずか1年足らずでの不幸を前に家族はなすすべなくその時を迎えるのみだったらしいのだが、天に召される直前、お父さんは突然目を開け、驚きの涙を流す家族の前で突然、

「おめこおめこおめこおめこおめこおめこおめこおめこおめこ」

はっきりとした声で、割とずっとおめこを連呼し続けていたのを家族は黙って聞いていたという。

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