あの日の腹筋を集めて

大学受験前日の夜、泊まっていた東京のホテルのベッドの中、なかなか寝付けずに突然腕立て伏せをやったら余計眠れなくなったばかりか筋肉痛で翌日の試験に支障をきたしてしまったことがある。このような形で、人の人生には何十、何百もの「思い立っていきなり始めた無駄な腹筋、腕立て伏せ」があると考えている。食い過ぎたことを急に後悔した時、鏡をまじまじと見て自分の体に起きつつある異変に気づいた時、もしくは誰かに腕力でねじ伏せられ悔し涙を流した夜、、回数や理由は人それぞれ、突発的にやってみたものの何の意味もなかったあの日の腹筋、腕立て伏せ、それらを集めて同じ月に一気に使えたらよいのにと思いながらスクワットをする時差ボケの早朝4時半であった。