(超人A)

小学校で配られる、誰でもわかりやすいように作られた足し引き算用のブロックを使って説明しても1たす1が理解できない。鈍感がゆえに、クラスでいじめが存在していてもそれが発する空気感に気づかない(卒業後のクラス会で知る)。プロフィール帳をクラスの友だちに渡しに行くと不在だったため、顔見知りの子に渡したら私は持ってないのにAに見せびらかされたという理由で泣かれ、先生に呼び出されたけど何が悪いのかわからなくて一緒になって泣く。授業は座ってるだけ(｢聞いてる」じゃなくて音として耳に入れてるだけ)だからテストはせいぜい30点。椅子に座ってじっと黒板を見ることはできるから内申点だけは良い。小6の冬のテスト返却で一人ずつ先生に名前を呼ばれて取りに行く時、なぜかAだけ名前呼ばれず。最後の最後に呼ばれるAとクラス一のおちゃらけB、重い口を開く担任。「このまま中学生になれると思う？」点数が悪すぎてクラス全員の前で公開説教。その時のA『なんでテストがだめだと中学生になれないの？』家に帰ってテストを見せても勉強しなさいと一度も言われてこなかったから、テストは勉強をして挑むものじゃないと思い続け中学に進学。中学に上がるとテストのために部活停止期間があることに驚愕、『テストって勉強してやるものなんだ』言われるがままに勉強をして挑み98点を取った結果、実母にカンニングを疑われる。
そんなAは昨日の免許更新で納得のいく写真が撮れなかったみたいで今隣で泣き喚いてる。せっかく美容室行ったのにね。さっきまで知らない男と飲みに行ってるのにつまらなすぎると連絡が来て、私からのLINEを合図に帰ろうとしてる。せっかく美容室行ったのに。帰宅9時半の飲み会は相当つまらなかったんだろうな。気まぐれで、周りから見たら生きるのが下手そうな、不器用という言葉がぴったりな彼女にエールを送るとともに、今後のAの人生にたくさんのハッピーが訪れますように( ◠‿◠ )