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お祈りのヒント(1)

*華陽教会の礼拝研修会で共有した『お祈りのヒント』をUPしています。購入しなくても全文読めます。


お祈りとは?

お祈りとは、神様に何かを訴えたり、お願いしたり、問いかけたり、感謝したりする行為です。神様へ嘆きや怒りをぶつけたり、罪や過ちを告白したり、誰かのためにとりなしを行うことも含まれます。声にならない気持ちを沈黙の中でぶつけることも、モヤモヤした感情をそのまま神様に差し出すことも、言葉にならない祈りの一つです。

祈りの姿勢

お祈りの姿勢に決まりはありません。手を組んで目を閉じる姿勢、合掌の姿勢、掌を天に向ける姿勢、うつ伏せになる姿勢など、様々です。目を閉じなければならない決まりもありません。神様に心を向けて、祈りやすい姿勢を取ってください。礼拝や集会など、人前で公の祈りをするときは、大きく場所を取る姿勢や、動揺される姿勢は避けて、みんなで心を合わせやすい姿勢を取ってください。

読む祈り

礼拝や集会など人前で公の祈りをするとき、紙に書いたものを読んでもいいか、聞かれることがあります。もちろん大丈夫です。お祈りは、紙に書いたものを読み上げても、心に浮かべたものを口にしても、どちらも立派なお祈りです。書いたものを見ながら祈っても神様へささげる言葉は損なわれません。

祈りの長さ

お祈りは、長くなりすぎなければ、どんなに短くても大丈夫です。「神様、どうか私を助けてください」という一言で終わる祈りも、立派な祈りです。礼拝や集会など、公の場で祈りを合わせるときは、自分にできない祈り、自分が口にしない祈りも、周りの人が、一緒にささげてくれることを意識して、長くなりすぎないように注意してください。

公の祈りは、一人ではなく、みんなで心を合わせてささげるものです。長すぎて、周りの人の心が離れる祈りは避ける必要があります。祈りを聞いている人たちも「この祈りが抜けている」と思ったら、気づいた人がとりなす気持ちで、心を合わせてください。どうしても、祈る長さの目安が欲しいときは「主の祈り」くらいの長さを目安にしましょう。

祈りの内容

何を祈るか、どんなことを祈るかも決まりはありません。ただし、礼拝や集会など、公の場で祈りを合わせるときは、誰かを中傷したり、貶めたりする内容にならないよう注意してください。また、不特定多数の人に知られたくない個人の病状や現状を勝手に広めてしまうことにならないよう注意してください。 

水曜日の聖書研究祈祷会では、配信終了後に、質問や感想などを分かち合ったあと、参加者が順番に祈りを合わせ、最後に主の祈りをささげています。差し支えない範囲で、個人のために名前を挙げて祈ることもできます。また、祈りの言葉が出てこない人は、10秒ほど待っていただければ、「次の方どうぞ」と牧師が言うので、次の方が祈り始めます。

祈る言葉が出てこないことは、誰にでもあります。牧師でさえ、あります。教会で集まって祈るのは、自分が祈れないときに誰かが祈り、誰かが祈れないとき自分が祈ることで、互いに信仰生活を支え合うためでもあります。沈黙は祈りのプロセスですから、安心して言葉が出てくるときを待ってください。

お祈りの最後には、「イエス・キリストのお名前によって祈ります」や「このお祈りをイエス様のお名前によっておささげします」などの言葉に続いて「アーメン」という言葉がつきます。これは、イエス様が「わたしの名によって願うこと」を弟子たちに教えたことからきています。

もちろん「イエス・キリストのお名前によって」という言葉が入らなくても、間違った祈りではありません。お祈りの最後に、何と言うんだったか忘れてしまった……というときには、そのまま「アーメン」と最後につければ大丈夫です。「アーメン」とは、「そのとおりです」「そのとおりになりますように」というヘブライ語で、祈る人と周りのみんなで一緒に唱えます。 

祈り方の例①

どう祈ったらいいか分からないときは、「悔い改め」「感謝」「とりなし」の3つを思い出しましょう。必ずこの順番でなくても、この3つ全てが入ってなくても大丈夫です。献金の後のお祈りは、罪を赦され、恵みを受けたことに感謝する応答の祈りなので、「悔い改め」よりも「感謝」と「とりなし」を意識して祈っていただけると嬉しいです。

【呼びかけ】
○私たちの神様。

【悔い改め】
○この一週間も、誰かを傷つけてしまったことを赦してください。

【感  謝】
○今日までたくさんの恵みが与えられたことを感謝します。

【とりなし】
○どうか今、困っている人に、あなたの助けがありますように。

【結  び】
○イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。

祈り方の例②

祈りたいことが複数あるときには、日曜礼拝の「とりなしの祈り」を参考にして「○○のために祈ります……◆◆しますように」「□□のために祈ります……▼▼してください」というふうに、並べていくと祈りやすいです。

【呼びかけ】
○いつも一緒にいてくださる、私たちの神様。

【とりなし】
○友人のために祈ります。今、抱えている悩みが解決しますように。
○病人のために祈ります。しっかり休んで、元気になれますように。
○世界のために祈ります。災害や戦争で苦しむ人を癒してください。

【結  び】
○このお祈りをイエス様よってお願いいたします。アーメン。

祈りのフレーズ

祈り始めるときの「呼びかけ」や祈り終わるときの「結び」の言葉は、シンプルなものから、たいへんユニークなものまでたくさんあります。「こうしなければならない」という決まりはありません。

また、家父長制への反省から「父なる神」という言葉を避けて祈ることや、あらゆる主従関係・支配関係を肯定することにならないよう「主」という言葉を避けて祈ることもあります。ただし、どのような単語やフレーズも、歪んだパワーと結びつくことがあります。

大切なのは、安易に、無批判に、祈る言葉を固定したり、制限したりすることではありません。どのような意味で、どういう思いを込めて、その表現を使っているか、丁寧に共有しながら言葉を用いていくことです。

明らかな差別語や侮蔑語は、もちろん避けるべきですが、できるだけ、色んな表現を、どういう意味で使っているのか共有しながら、祈りに用いていく方が、健全な態度になると思います。

そのため、一つの祈りの中で、「友なる神……母なる神……父なる神……」と複数の表現で呼びかけることもあります。表現の固定化や制限よりも、豊かさを目指して祈っていただけると嬉しいです。

呼びかけの例

「主よ…」「神様…」「私たちの神様…」「憐れみ深い神様…」「慈しみに富む神…」「イエス・キリストの父なる神様…」「母なる神/友なる神/王なる神…」「愛と平和の源である神様…」「ハレルヤ…」「主の御名を褒め称えます…」「神様のお名前を賛美します…」

結びの例

「○○しますように」「イエス様のお名前によって祈ります」「主の御名によって祈ります」「イエス様によってお願いいたします」「このお祈りを主イエス・キリストのお名前によっておささげいたします」「あなた(神様)の御名がほめたたえられますように」……アーメン

献金の感謝の例

「今日のみことばを感謝します」「あなたの恵みに感謝して、ささげものをします」「私たちの生き方をささげるしるしとして、献金をささげます」

食前の感謝の例

「与えられた食事を感謝します」「用意してくれた一人一人に恵みがありますように」「今食べ物に困っている人にも、あなたの助けがありますように」

とりなしの祈り

とりなしの祈りは、自分自身がイエス様のとりなしによって助けられていることを覚え、恵みを受けたこちらから、周りのため、世界のために、神様へとりなす祈りです。華陽教会では、毎週日曜日に会衆一同で行っていますが、普段、お祈りをするときの参考にもなる祈りです。

その日、その週に起きた事件や周りの状況に合わせて、言葉を変えながら、自由に用いていただければ嬉しいです。

◆神様、あなたは祈りに応えて恵みを与えてくださいます。どうか今、わたしたちがささげる祈りをお聞きください。

◆世界の国民と政府のために祈ります。
 主よ、政治に携わる人々に、知恵と勇気と良心を与え、全ての場所に、自由と平和をもたらしてください。

◆世界に広がる全ての教会のために祈ります。
 主よ、教会を聖霊によって力づけ、その信仰を新たにし、私たちの一致と結びつきを強めてください。

◆教会員のために祈ります。
 主よ、私たち全てを、御言葉によって豊かに養い、あなたの愛と平和を伝える者として送り出してください。
 
◆今日ここに出席できなかった人のために祈ります。
 主よ、病気や衰え、仕事や様々な事情のために、ここに見えない人たちを、あなたが癒し回復してください。

◆身近な人のために祈ります。
 主よ、私たちの家族や友人、仲間たちが、あなたの愛を知れますように、私自身を用いてください。

◆幼稚園、教会学校、地域の子どもたちを覚えて祈ります。
 主よ、子どもたちの健康と安全を守り、疲れを癒し、安らぎと成長をもたらしてください。

◆苦しんでいる人のために祈ります。
 主よ、病気や怪我、悩みや苦しみを抱える人たちに、あなたからの平安と、必要な助けを与えてください。

◆今も生きておられ、私たちをとりなしてくださる方、イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

献金感謝の祈り

華陽教会では、信徒の方に日曜礼拝で献金をささげるとき、お祈りをお願いしています。また、食事があるときには、食前のお祈りを頼むこともあります。難しく感じる人もいますが、下記のように、だいたい5行くらいのイメージです。祈るときの呼びかけや、感謝の言葉、結びの参考にしてみてください。

① 全ての祝福の源である神様、
  今、私たちがささげるものを受け入れてください。
  あなたの平和が実現し、あなたの御名があがめられ、
  神の国の栄光があらわされますように。
  主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

② 主なる神よ、
  私たちが持っているものはみな、あなたからいただいたものです。
  今、私自身の生き方を、あなたの御用のためにおささげします。
  どうか、ここにささげた献金も、
  あなたの求めていることに用いてください。
  主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

③ 愛と慈しみに満ちた私たちの神様。
  感謝と喜びをもって、ここに集めた献金と、
  私たちの生き方をおささげします。
  どうか、私たちの日々の生活によって、
  恵みの主である、あなたがあがめられますように。
  主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

④ 変化と回復をもたらす私たちの神様、
  あなたから受ける言葉によって、私たちは新しく生かされます。
  今からのち、私自身の生き方が変えられていくしるしとして、
  ここにささげた供え物を受け入れてください。
  主イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

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