剛毛ハゲのアンサーソング

ちくしょー

ちくしょーが

めちゃくちゃ見てきやがる。

朝7時半、八王子駅から中央線で電車に揺られ

満員の中、新宿についた。

今日は暑いこともあってなんだかイライラする。

そんな中ひとりの男が私をずっと見てくる。

私もこの道が長い。

なぜ見られているのかぐらいわかる。

私が剛毛ハゲだからだ。


サイドストーリー〜それでも彼はハゲている。〜



彼の眼は見下しているわけではなさそうだ。

ハゲた理由を分析しているのか、輝いてすら見える。

悔しいが、私はハゲが辿る人生を知っている。

覚悟を決めているのだ。

見るがいい

そしてこう思うがいい。

「努力が足りない」と。

どう思われてもいい。やるべきことはやった

だれも信じてくれないこの人生

自分だけは信じてやろうと決めたんだ。

ワールドカップで日本が勝利を収め、

興奮が冷めやまぬまま眠りにつく。

朝起きると

「お前は落ち着け」

とばかりに

はげている。

まくらのうえに散らばる数本の髪の毛を

私は命の灯(いのちのともしび)と呼ぶことにした。

またひとつ私が消えていく。

2年ぶりに母から「元気かい」と電話がきた

心なしか前よりも元気がないように感じて

親孝行を決意した夜の

次の朝も

はげている。

地球の裏側の特集を見て、

私は幸せ者なのだと知り、

号泣しながらユニセフに募金をした次の日も

はげている。

友達と言葉が重なり

たわいもないことが幸せなんだと感じた

次の日の朝もはげている。

はげていないという夢をみて目が覚めても

はげている。

よりはげている。

私の動作にはアニメのサブタイトルのように

~だけどハゲている~とついてくる

そんなおれになにを望む?

ある日、おれはあこがれの人

フレディマーキュリーの言葉を思い出した。

計画したことはない。つまらないから
(フレディマーキュリー)

そうか。。

無計画の末路が

フレディ―マーキュリーなのか。

無計画の末路が

フレディ―マーキュリーならもう私も無計画でいようと思った。

その日、「育毛計画プラン」を退会した。

それを境に私は覚悟を決めたのだ。

剛毛ハゲとしていきていく。

笑え、笑えよ

彼からしたら私はおもしろくて仕方がないだろう。

証拠に私を凝視しながら異常に早いスピードでなにかを打ち込んでいる。

どうせnoteかなんかに「剛毛ハゲをみた」とかうっているのだ。

どうでもいい。

サイはもう振られているのだ。

私は自由にいきる。

無計画に。

私の未来は私も知らない。

カミのみぞ知る。


おっと、

またマイナスなことを考えてしまっていた。

私はマイナス思考だ。

さすがに私をみて

SNSに「剛毛ハゲをみた」なんて

ハゲを見た報告をする人なんていないか。。

後ろの看板を見ていたんだな。

申し訳ない。

私は地球上すべての人を信じたい。

どうか彼にとって一日が良い日でありますように。。。。

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