それすらも弱点ではない。

三ツ矢サイダーは1884年に兵庫県多田村平野から湧き出た炭酸水を「平野水」として製造開始して以降、約140年の歴史を誇る国民的飲料。だれもが知り、人気を誇る超ロングセラー商品だ。

ただそんな三ツ矢サイダーも140年間順風満帆だったわけではない。
1997年に2870万ケース売り上げたのをピークに、消費者の【健康志向上昇】にともない2000年に入ってからは売り上げが減少し続け、2003年には約40%減の1700万ケースまで落ち込んだ。

当時のアサヒ飲料は、三ツ矢サイダーが売り上げの2割を占める主力製品だったため、低迷するブランドを復活させるために『三ツ矢委員会』を発足し、売り上げ減少の原因を調査した。

その結果、消費者の健康志向の高まりにより、甘さ離れが進み体に悪いイメージのある炭酸飲料は嫌煙される傾向にあること、また、コアターゲットである中高生が三ツ矢サイダーを「おばあちゃんの家で飲む古臭いもの」と時代遅れのイメージが定着してしまっていることがわかった。

そこでアサヒ飲料は、逆境を逆手に取るブランディング戦略にでた。
消費者の健康志向のトレンドに逆らわず、歴史と伝統を武器に高品質でなじみのあるブランドであるということを訴求するブランディング戦略だ。

まず着手したのが、製品の品質の向上。「安心・安全・自然」の三ツ矢サイダーを作り上げるために、どの工場で作ってもも高品質で同じ味になるようにろ過装置に投資を行いました。また、使用する水の高度も三ツ矢サイダーを最もおいしいと感じることができる25に統一。
そのうえで、自分で購入する中高生には従来の共感型、情緒的な広告戦略をとり、小学生から中学生の子供を持つ主婦層向けには「安心・安全・自然」というメッセージを訴求した。
「安心・安全・自然」の品質広告の中では、「古臭い」というマイナスイメージとして出ていた結果を「伝統的な日本の飲み物」として再定義し、夏目漱石や宮沢賢治などの文豪が愛飲していたというストーリーで、日本の風景の一部としての三ツ矢サイダーのイメージを訴求した。

その結果、ブランドイメージにおいては、2003年時点で、「古くさい」26.1%「自然な」14.1%「自分向き」13.7%だったものが2005年には「古くさい」17.3%「自然な」18.8%「自分向き」17.5%と大幅に改善しました。ターゲットにしていた10代男性の購買層の中での割合も、2003年には1.8%だったのが2005年には8.2%まで回復した。そして、売り上げも2003年に1700万ケースだったものが、2005年には2500万ケース、2007年にはピークだった1997年の記録を超えて3000万ケースを突破するなど見事V字回復を果たしたのだ。

この事例は会社だけでなく人の価値にも共通すると私は思う。
どんな振る舞いをしてもマイナスなところというのは見えてしまうが
マイナスがプラスに見えたときの強みといったらこの上ない。

だれにだって、なんにだって弱点はある。

それを「私を嫌いなら嫌いになれば?」というのはビジネスには通用しない。

あなたは弱点をどうプラスにできる?


参考URL(https://www.emotion-tech.co.jp/resource/2018/what_is_branding)
参考人物(片桐はいり・桃井かおる・ストレッチマン)

200円

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