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〜訪問看護師として想う日々のあれこれ。訪問看護師たねあかし〜

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長年、訪問看護師として働いてきた、私自身の仕事観、考え方、私を支えるものなどの話です。
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#在宅医療

訪問看護でお会いして、お見送りをした方々が「自分に何を教えてくれたか」を心に刻み、共に生きるということ

綺麗な三日月の夜に旅立たれた、Mさんの四十九日が過ぎ、私から担当を引き継いでくれたスタッフナースと担当ケアマネジャーの3人で、Mさんのご自宅にお伺いした。 ・・・ ドアを開けた奥様の顔が「ぱっ」と明るい笑顔になり、「わー、懐かしい。来てくれてありがとう。」と私たちを招き入れて下さった。 すっきりと片付けられたリビングには、Mさんの柔らかな笑顔の遺影とともに小さなお仏壇があった。 山が好きで文章を書くことが好きな、Mさんらしい戒名。 最期のとき「夕焼けが見たい」と言われたMさん

訪問看護師に、なりたい。

4月。 新しい年度が始まりました。 訪問看護師を目指す看護師さん6人をお迎えしました。 私が面談をさせていただいて、当社で働くことを選んで入社してくださった看護師さんたち。 ・学生時代から訪問看護を目指していて、臨床経験を積んだので念願の訪問看護師として働きたい。 ・以前から興味があり、結婚と転居を機会に訪問看護を始めたい。 ・お子さんを出産後、看護師として復帰の際のチャレンジとして働きたい。 ・病院のような夜勤が無い訪問看護に転職し、子どもの為の時間を作って子どもに

「ふつうのこと」がふつうにできる

昨年、訪問看護師を対象とした、県立子ども病院での1日病棟実習に参加させていただいた時の話です。 私自身が実習生として教わる立場は久々で、少々緊張感を感じながら、実習病棟に向かいました。 私の小児病棟のイメージは、 「大人の病棟とは違って、お子さんばかりの病棟なので少しにぎやかなのだろう」 と思っていたのですが、うかがった病棟ではとても静かに静かに時間が流れていました。 ・・・・・・・・・・・ 私が担当させていただいたKくん。 人工呼吸器を使用されています。 今

訪問看護師が足りない。

先日、行政の福祉課と市内の訪問看護ステーションの意見交換会で、「訪問看護師の量的拡大」について、それぞれの訪問看護ステーションさんの実情を伺う機会があった。 要するに 「おたくの事業所は、訪問看護師が足りてますか?」 「訪問看護の広報や事業所の案内、看護師の募集はどうしていますか?」 という事だ。 市内ステーション15ヵ所ほどの管理者クラスの、私よりも人生の先輩の方々が勢揃いの中、各ステーションの実情は3つぐらいのパターンに分かれた。 ○チラシ等で募集しても訪問看

今の職場を辞めたいと思っている看護師1年目のあなたへ 〜手紙〜

先日採用の面談をさせていただいたあなたへ ********************************************* 先日は面談の機会ありがとうございました。 総合病院の病棟に勤務されてからの事や、訪問看護への想い等がお話しできて良かったです。 あと、希望されて現在の部署に配属され勤務したものの、中々上手くいっていないという点を含め、入職1年目で訪問看護への転職を考えておられることが個人的に気になっており、メールさせていただきました。 1時間ほどの面談