マガジンのカバー画像

〜訪問看護師として想う日々のあれこれ。訪問看護師たねあかし〜

38
長年、訪問看護師として働いてきた、私自身の仕事観、考え方、私を支えるものなどの話です。
運営しているクリエイター

#私の仕事

「遠い」って人それぞれ

訪問看護で必ず確認すること。 ステーションから利用者さんのお宅までの「距離」だ。 新規利用の相談も「すみません、遠方なので対象範囲外です。」 日々の訪問でも「わぁ、遠いですね・・」 なんて発言が、事務所内でチラチラ飛び交う。 遠い=大変? もちろん、訪問の効率や生産性を考慮すると、移動距離は短く・件数は多く。 移動距離が少ない方がスタッフの負担も少ない。 その分利用者さんのお宅でエネルギーを使ってほしい。 訪問看護での訪問先の「遠い」事情はさておき、最近、私の中で「遠い

6月。新しい場所で。

先日、3年と9ヶ月、一緒に働いてきたスタッフの最後の出勤日だった。 彼女はひと呼吸おいてから、 「私はこの会社に入社する前は、しばらく看護の世界から遠ざかっていました。ここに入社して訪問看護を始めた事は、私の人生にとっての大きな転機でした。 『利用者さんの側で近く寄り添える訪問看護って素晴らしい』 と思うことができました。 私はこれからも、もっと訪問看護を学びたいと思います。 ここを出て、違う場所でもっと色々なことを経験し学びたいと思います。 来月から〇〇で訪問看護師として

ライスワークとライフワーク

訪問看護を希望して入社し1年半頑張ってきたけれど、想うところがあり退職を決断したスタッフから、先日、退職届を受け取った。 「看護師として働くことを見直したい。」 「でも、生活するためには働かなければ。」 思いがぐるぐると何周もしているようだった。 私が訪問看護に関わる様になって20年あまりになる。 今までたくさんの看護師さんと一緒に仕事をしてきた。 今も訪問看護師を続けている人。いろいろな事情で訪問看護から離れる人。 仕事を選ぶ理由、続ける理由、辞める理由は人それぞれだ。