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つわものどもが夢の跡


 あけましておめでとうございます。野球に飢えすぎた当アカウントは、楽天イーグルスの春季キャンプを観に沖縄へ行ってきました。
 島内選手の誕生日を狙って2月2日に乗り込むとだけ決めて行った超無計画旅行でしたが、とにかく色々……色々ありすぎたので時系列順にまとめていきたいと思います。起きた出来事を長々と綴っていくだけの特に面白みもない文章ですのでご了承ください(保険)。

沖縄、それは全てのプロ野球オタクの夢の島

トランクひとつだけで浪漫飛行へ

 暖冬だったとはいえまだまだ東北は白銀の夢から覚めない2月の初め、青空を裂く一筋の帯に乗って私は日本最南端の県へ向かいました。強風の影響で機体が揺れまくり、ANAのビーフコンソメスープ(上空でのみ飲める伝説の飲料)を口にしながら耐えろ俺の三半規管……!と言い聞かせていました。おかげで(?)無事に定刻通り那覇に到着。空港にはやはり同じように野球不足で目をギラギラさせた各球団のオタク達がいて勝手に親近感が湧きました。

 翌日、那覇市内のホテルから高速を飛ばし、渋滞にはまりつつも10時前には金武町ベースボールスタジアムに到着。この日は最高気温30度超の真夏日でした。太陽のパワーが東北とは全く違いました。つまりクソ暑かった。シワにならないよう注意しながらスーツケースに入れた長袖ブラウスを一瞬で脱ぎ捨てました。
 さて、駐車場に車を停めてすぐ、選手の旗のお出迎えがありました。オタクが絶対好きなやつですね。

青空にいちばん映える四字熟語

 そして旗がずらりと並ぶ階段を降りると今度はパネルが登場。このパネルの構図、非常に私得で良いです。上段の左右対称が堪りません。

私得パネル

 パネルの横にその日の練習メニューが貼ってあるので、推しがいる方は要チェックです。
 ちなみにスタジアムに着いた時はビジョンに島内選手の誕生日画像が映されていたのですが、撮ろうと場内に入った時には消えておりました……。同じ日に金武町に行ってその瞬間を撮影していた優しいオタクがいたら私まで送ってください(?)

 席に着くと野手陣のアップが始まっていました。今季から加入した山田遥楓選手を筆頭に、みんな暑い中でも元気そうでした。キャンプ仕様のTシャツとキャップがかわいい。

ご機嫌バースデーボーイ

 アップとベースランニングのあとは新ユニフォームに身を包んだ選手たちの円陣(この日の声出しは平良選手)が行われ、キャッチボールとペッパーが始まりました。島内選手と岡島選手がペアを組んでいて、同期生え抜き外野手おじさんのオタクである私はついに暑すぎて幻覚を見始めたのかと思いました。現実でした。特にペッパーは何やら変な動きをしている岡島選手とそれにニコニコ対応する島内選手の図を見せられてカメラを持つ手が震えました。

CBペッパー終了後のふたり
キャッチャーの捕邪飛の練習を見る皆様

 ここで既にライフがゼロになりかけましたが、春季キャンプはまだまだこれからです。シートノックが始まったので島内選手のいるレフト側へノコノコ移動。この日のレフト担当は島内選手と平良選手の2人。去年の二軍戦から妙に仲が良くて気になっているコンビです。

兄弟みたい

 島内選手が「てぃー!もう一球!」とか「ほら、てぃー!」とか言ってて(てぃーって何や……)と思ったのですが、どうやら平良選手のことだったようです。あだ名にしてもあまりに適当すぎるのでこれは島内選手の命名だろうなと悟りました。左翼手コンビも元気でしたが、周りからのガヤもたくさん飛んでいてとにかく賑やかな時間でした。

あちらこちらから野次が飛んでいた

 シートノックが終わると選手たちが続々引っ込んでいったので、私も同行者(早川選手推し)がいるブルペンへ向かいました。このスタジアムのブルペンはとにかく近い! 二軍本拠地である森林どり泉もこんなに近くで投手を見れることはないので(そもそも立ち止まって見ることができない)、とても迫力がありました。

サウスポーは観客側から顔がよく見える

 迫力ある投球にアヘアヘしているとブルペンに野手が現れ始めました。今回のキャンプから導入されている目慣らし(詳細は記事等を参照)のためでしたが、そこに島内選手もいるのを観測した私は必死に平静を装いながらカメラを構えることしか出来ませんでした。順番待ちでタナモギアイランドが発生した時は流石に叫びそうになりました。完全にヤベー奴になってしまうので叫んでないです。

自然発生タナモギアイランド

 しばらくブルペンを見学(藤井選手や渡辺翔太選手がたくさん投げ込んでいた)してからグラウンドに戻ると、島内選手・岡島選手・鈴木大地選手・小深田選手によるランニングが行われておりました。青空の下、ヤジを飛ばしあって全力疾走する彼らは青春そのものでした。Sugar!!とかBGMにしたい。

全力で走れ 滑走路用意できてるぜ

 たっぷり走りを堪能すると野手が続々とランチタイムに入ったので、私もスタジアム前にあったキッチンカーのカレーを食べに行きました。チーズカレーを注文したら野菜カレーが来ました。健康に配慮しろというメッセージでしょうか(たぶん私の声が小さかっただけ)。美味しかったので何でもいいです。同じ店で買ったシークヮーサーサイダーも激ウマでした。

暑い+空腹で適当すぎる写真

 腹ごしらえが完了したら再びグラウンドへ。午後はグループごとの練習メニューが組まれており、島内選手のいるBグループはまずティーバッティングとバッティングピッチャーによる打撃練習。いつも通り大量のバットを持ってきてはひとつひとつと会話するように振り続ける島内選手に、今年も球春到来したなあ……と実感しました(キモオタ)
 去年は怪我の影響もあってか中継でもあまりバットを振りこむ様子が見られなかったので、元気そうに練習している姿を見られるだけで嬉しかったです。

当然のように田中和基選手のバッテ

 次は走塁練習。同グループで仲良しの阿部選手と話す姿が見られてもう満足です。島内選手の運動神経悪い人みたいな謎の走り方も堪能できました。実は足を買われてプロ入りしている島内選手ですが、その走り方がなかなか独特なので、ぜひ皆さんシーズン中も注目して見てみてください(?)

みんな大好きあべしま(と、アサ)

 そしたら再び守備練習。ここでも島内選手はヤジを受けながら快活に動いていました。この日はレフト側の外野席も開放されていたので守備イベントは左翼手推しにはたまりません。ありがとうスタジアムと球団の方々……。

カルピスのCMのような爽やか笑顔


走馬灯生成イベント

パーマとれてきた?

 その後、Bグループの面々がグラウンドから姿を消したので同行者と何となくウロウロ。パネルがあった入口の方へ向かうと若手選手が出てきて続々とサイン会が始まりました。全選手好きなので全選手からサインを貰いたいくらいなのですが、流石に自重してその光景を眺めてました。練習の合間にも関わらず皆さんとても丁寧に対応してました。

 ファンサの光景をぼんやり眺めていると、唐突に海風のように颯爽と田中和基選手が現れ、流石に話しかけたい……でもこんなキモオタに絡まれても迷惑なのでは……と大混乱し、しかし同行者に背中を押されたので意を決してサインと写真を頼んだら快く引き受けてくださいました。サインを書いている時に立てかけていたバットが倒れてしまい、拾うべきか迷っていると「大丈夫っすよそのままで!ありがとうございます!」と気を遣われてしまいました。優しい……好き……。写真まで撮っていただいたあとに「ありがとうございます、応援してます」と言ったら(言ったつもりだけど多分ちゃんとした言語にはなっていない)、「がんばります!」と全ての人間が墜ちるスマイルをくれました。優しい……好き……。

大きい かっこいい(限界オタクの語彙)

 同行者も渡辺翔太選手からサインをもらい(こちらもとても優しく対応してくださいました)(めっちゃかわいかった)、口角が大気圏に突入しそうなくらいニヤニヤが止まらない状態でその辺をふらりふらりしていました。

 周りの「島内だ!」みたいな声でハッと我に返ると、奥から島内選手が歩いてきたので口角大気圏どころではなくなり、ただただ青空と夏の空気が良く似合う島内選手を目で追うことしかできませんでした。サインください!の波を「あっち(スタジアムの近くにある室内練習場)終わってからでもいいすか」と言いながら進んでいく島内選手が私の数センチ先を通り過ぎて、その瞬間は流石に失神しかけました。時が止まったような、フィルムを一枚一枚重ねたようなあのシーンは、私の走馬灯に確実に出ると思います。

 言った通り島内選手は室内練習場へ消えてしまったので、戻ってきたらサイン貰えるんかなあ……みたいな淡い期待を抱きつつ待機しておりました。手持ち無沙汰になって旗の並ぶ階段をなんとなく上がったら、室内練習場の方から岡島選手が歩いてきたので夢かと思いました。夢じゃなかったので慌ててバッグからユニフォームとペンを引っ張り出して話しかけました。
 疲れているはずなのに快く引き受けてくださり、ファン感でつくった例のペアユニ※ツイート参照 を見て「こんなのあるんすね〜、ここ(岡島選手の写真の端)でいいですか?」と言いながらサインをくれる岡島選手は絶対かっこよかったはずですが、私は緊張しすぎて顔も見れませんでした。最後にペンを返す時にキャップが外れて転がってしまい「あーごめん!」と言われた時、本当に恋に落ちるかと思いました。

 かくしてペアユニの片方にサインを貰った私はもう無敵メンタルになってしまっていたので(そうか?)、これは島内選手にもサインをもらって"完成"させねばという意味不明な使命感に駆られました。
 しばらくすると本当に島内選手が、先程の岡島選手と同じように現れました。サイン大丈夫ですか!と声をかけた瞬間、いつかの校外学習の、キャンプファイヤーに飛び込んでいった虫を思い出していました。あとM-1決勝で敗退後に巨人・岡本選手のユニフォーム持って現れたダンビラ大原。あの時の私はそんな感じでした(?)
 「はい!」と元気な返事とともにサインをくれた島内選手の顔を私はやはり全く見られなかったのですが、とりあえず本当に優しかったです。気付いたら人が集まっていたので、誕生日おめでとうございますとか伝える暇もなく(人が集まってなくても言えてないだろとは自分でも思う)、ただ「ありがとうございます……」と轢かれたカエルみたいな声を出すことしかできませんでした。

好き

 もうここで本当にライフがゼロになりかけたのですが、同行者も愛しの早川選手からサインが欲しい!ということだったのでまた入口のところに戻ると、つぎは銀次アンバサダーのサイン会が行われており、これもちゃっかり頂いてしまいました。ひとりひとりに丁寧に接していて、皆の大好きな銀ちゃんだ……と思いました。

 その後は日が暮れるまで、同じように集まったオタク達と入口でダラダラ喋っていました。早川選手はちょいちょい姿を見せては消えていくだけでしたが、そこで茂木選手からもサインをいただけました。やはり優しかったです。あとインタビューのために再び島内選手が姿を現し、何やら報道陣を笑わせて颯爽と帰っていきました。

好き

 その後は村林選手と小深田選手が並んで車に乗って帰っていくなどのトピック以外は特に何も起こらぬままお開きになりました。島内選手がいつ帰ったのかは謎です。そういえば誕生日企画も例年通り大々的には行われませんでしたが、島内選手のことだから成績とか諸々の理由で遠慮したんだろうなあと思いました。でも普通に見たいので来年はやってください。


蛇足

楽しそうな同期生え抜き外野手おじさん

 長々と綴ってきましたが、久しぶりに野球をしている楽天の選手たちが見られて、サインまでいただけて、本当に幸せな一日でした。飛行機は自分が空に架けた雲を思い出すことはないですが、見上げた空に引かれたひこうき雲を人は覚えているものです。サインをくれた選手たちは私のことなど一瞬で忘れててほしいですが(挙動不審だったので)、私はおばあちゃんになってもこの話をし続けることでしょう。
 沖縄遠すぎやろ、何がオタクをそこまで動かすねんとか思ってましたが、たった一日で毎年行く人の気持ちが分かりました。開幕までまだ一ヶ月半以上ありますが、野球観たい欲はとりあえずこの日の余韻だけで凌ごうと思います。走馬灯になりそうな思い出をありがとうございました。

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