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初めてサマソニに行ってきた【SUMMER SONIC 2022】

個人的な備忘録のため、「行ってきた」以上の情報は無いです。


開演前

主にThe 1975とリバティーンズを目当てに初サマソニ。と思っていたらリバティーンズはドタキャン…。元々熱心に聴いていたアーティストはゼロで、観たアクトはすべてチケット購入後に聴き始めるというチャレンジングな事態に。とは言え、The 1975をはじめ各所で好評のアーティストはどうせ楽しめるだろうという楽観的な予感はあった。

当日、東京駅で乗り換えをミスったり、リストバンド交換列の混雑を侮っていたことで無事リンダリンダスの鑑賞時間が5分になる。次からは目当てのアクトの30分前にはメッセに着くようにしよう。

ライブ

beabadoobee @Marine Stage

自分にとってのオープニングアクト。スタジアムのスケールに負けない骨太なサウンドと、インディーポップの愛らしさが同居した魅力的なライブだった。同年代の男女2:2で構成されたバンドからもフレッシュなエネルギーを感じられてナイス。個人的にフジで観たSnail Mailの淡々とした演奏があまりハマらず、「インディーの若手SSWってライブはそんなになのかも…」という失礼極まりないモードに入っていた自分にとっては嬉しい裏切りで、考えを改められた。

彼女の立ち居振る舞いの端々に溢れるチャーミングさは生で観て良かったと思えるポイントのひとつ。黒の衣装がとてもよく似合っていたし、MCでありがと〜とお礼を言いながら照れ笑いするシーンの朗らかさも、シックな装いとのギャップによってより際立つようだった。

1曲目の『Worth It』からして自己紹介として満点のインディーポップ。予習で1番のヒットだった『Talk』も聴けて良かった。欲を言えばアメフト印のポスト・ロックでライブ映えしそうな『Pictures of Us』も聴きたかったところ。
今回のサマソニで最もファンになったのは彼女。

Rina Sawayama @Marine Stage

beabadoobeeから続けてMarine。beabadoobee終わって出ていく人も多く、前から数列程度の相当良い位置で体験できた。

1曲目『Dynasity』からして、「王朝」の名に恥じない覇者のスケール。裏のSquidを泣く泣く蹴ってリナ・サワヤマを観に来た理由として、世界レベルのシンガーの最も充実している時期の歌唱を目撃したいという気持ちが大きかった。なので、『Dynasity』の間奏でギターソロとユニゾンするボーカルの素晴らしさや、2曲目の『Shut the fuck up!』で笑い声からシームレスに絶唱に繋がるシーンが生で拝めて大満足。3曲目の『Comme Des Garçons (Like the Boys)』からはダンサー2人を従えてバリバリに踊る魅せ方で、初めて生で観る「海外セレブのショーっぽさ」にも感動した。4曲目の『Catch Me In The Air』はシングル発表曲だけど、前作では無かった澄んだ爽やかさで良いアクセントだった。

MCで印象に残っているのは開幕の「大声出しちゃいけないことになっているのかもしれないけど、我慢できなかったら出して良いからね。人間生きてたら大声出さなきゃいられない時もある。私はあなたをジャッジしないから。皆も誰かをジャッジしないで。」という内容。誰も他人を裁くべきでないという点には同意しつつ、こと感染症対策においては判断が難しいことに対してえらくバッサリ言うなぁとも思った。『Chosen Family』前の、「愛は愛。家族は家族。すべてのLGBTQの人のための曲を歌います」という真っ直ぐな言葉には心の底から感動したし、そういった新時代のリーダー然とした振る舞いも深く記憶に残った。

総じて、ヘッドライナー・準ヘッドライナーじゃなくて良かったの?というくらい完成されたショーで、「これがグローバルスタンダードのポップスか…」と素直に圧倒された。

お昼タイム

ホルモン~リバティーンズと次の目当てのマネスキンまで空いた時間でお昼タイム。タコライス屋台に並んだら注文するまでに30分かかった、ようやくか…と食券を受け取り待機列に並ぼうとしたところ、注文列の3倍の長さの列が受け取り口に出来ていることが発覚。マネスキンすら間に合わなそうなペースにたまらず無理無理…とキャンセルして隣のガラガラの屋台で買ったたこ焼きをかっ込む。なんだったのあの殺人タコライス屋台…。

Måneskin @Marine Stage

1曲目の『ZITTI E BUONI』から会場の温度を爆発させており、既にスタジアム・ロックバンドの風格。フロントの3人がとにかくステージを動き回り、身体を使ったパフォーマンスで魅せまくる姿に新世代のロックスターとしての矜持を見た。
しきりに「頑張れ頑張れ!!」と観客を逆に鼓舞してきたダミアーノにほっこり。ベースのヴィクトリアがいつも上裸なのはライブ動画の予習で知っていたので、今日は脱がないんだなと思っていたら、少し目を離した隙にやっぱり脱いでいた。ダミアーノは最初から上裸だったし、最後には全員脱いでいたというちょっとしたジェンダー平等の一幕。ギターのトーマスも、ソロを弾くのが楽しくてたまらないというギター小僧な一面が透けて見えるようで、まさに顔で弾くタイプのギタリストで良かった。

煽られてアリーナ前方のウェーブやジャンプに参加したのは初めてかもしれない。もちろん楽しいんだけど、コロナ禍でのフェスとしての秩序は完全に崩壊していた。それでもフジの深夜マーキーほどの危機感を覚えなかったのはマスクはしている人が多かったからかな。単に感覚が麻痺してきたのかも。

Kacey Musgraves @Sonic Stage

Rina Sawayamaとマネスキンでジャンプして消耗した身体に癒しを求めてSonic Stageまで移動。メッセの床に足を投げ出して抜け殻と化す。

Pitchforkで8.7の高評価を獲得していたり、2019年のグラミーの年間最優秀アルバムを獲った『Golden Hour』だけ予習して臨んだが、まろやかで優しい声質と丁寧な演奏にとにかく癒された。予習していなかった新譜からの『simple times』なども、普遍的なグッドメロディに揺られる心地良さが素晴らしかった。

The 1975への移動のために途中で抜けてしまい、半分くらいしか観れなかったのが惜しい。そろそろ移動するかと前方ブロックを抜けたタイミングで『Butterflies』が始まり、思わず踵を返して1曲聴き通してしまうくらい本当によかった。開演直前までアリーナ真ん中あたりでもゆとりがあるくらいの入りで少し心配だったが、クロマニヨンズが終わった頃にはそこそこ埋まっていて、安心しつつスタジアムへダッシュ。フェスをトータルで見た時のバランスの面でも実に観てよかった。

The 1975 @Marine Stage

本日のヘッドライナー。開演30分前ほどからパラパラと雨が降っており、雨に打たれながらヘッドライナーの登場を待つ感覚が2019フジのSIAとシンクロした。もちろん雨は嫌だけど、特別な高揚感はある。

1曲目の『If You're Too Shy(Let Me Know)』では曲自体の快活さも相まって、マシューのチャーミングな魅力が溢れており、いきなり心を掴まれた。2曲目の『Love Me』では余裕のあるクール・セクシーな振る舞いにやられる。モノクロのVJとシックな衣装によるアダルトな印象もあり、魅力が渋滞していたが要するにナイスガイ。

世界初披露の新曲『I’m In Love With You』には緩やかに広がる温かさがあり、思わずうるっときてしまった。特に、ボーカルの太さを調節して凄みや豊かさのある低音を効かせてみたりと、巧みな表現に感じ入った。

正直、1日の疲れとロングセットなこともあり、途中で集中力が途切れたシーンもあったけれど、後半の『Love It If We Made It』で一気に引き戻された。繰り返すごとにエモーショナルを増幅させ、最終的には叫ぶようなボーカルに達する熱い展開に釘付け。その後に『People』を持ってくるのもまた凄い振り回し方だし、更にその次は『I Always Wanna Die(Sometimes)』というのにも唸る。自分にとってのハイライトはこのあたりだった。

音源よりも良いと感じたのは『Sound』で、会場全体の高揚感も感じられた。ラスト2曲が『Sex』『Give Yourself A Try』なのは、元々フィナーレ感のあるスケールの大きい曲では無いぶん結構挑戦的に感じた。ぶった切ったようなラスト含めて、そのままライブが続いていきそうな感覚。

聴けて良かった曲:『Robbers』『Love It If We Made It』『I Always Wanna Die(Sometimes)』
聴きたかった曲:4th全般。特に『What Should I Say』

終演後には満足感と疲労感でキリンジに足は向かず、そのまま帰宅。初サマソニ、(自分にとって)新鮮なラインナップ、コロナ禍でのほぼ制限なしでの開催と諸々不安に思う要素もあったけれど、やはりフェスって楽しい、という素直な思いで着地できたので良しとしたい。プライマル・スクリームやNujabes、SPELLBOUNDなど、明らかに間違いのないラインナップのソニマニにも参加してみたかった。

余談

日帰り都市型フェスと舐めてかかり、十分な睡眠や食事タイミングの確保を疎かにしたところ、普通にフジより消耗してしまい、Kacey Musgraves開演前に床で死亡していた。体調管理は大事。

移動距離や時間は思ったほどではなく、メッセ場内からスタジアムの場内の移動も15分あれば大丈夫そう。

アリーナで前に出ることを考え、ボディバッグをパンパンにして臨んだがやはりリュックより疲れる。普通にリュック参加者も多かったので次はリュックでも良さそう。

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