マガジンのカバー画像

遊佐未森研究

11
遊佐未森の音楽に関するアレコレ。
運営しているクリエイター

#ポストクラシカル

遊佐未森の『潮騒』がヤバかったので全アルバムを聴いた(その1)

遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいこの記事で言いたいのは「遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいからみんな聴いたほうがいいよ!」という一点です。 遊佐未森って誰?遊佐未森といえば90年代前半に幻想浮遊系ポップス、叙情ロック、ネオアコの旗手として注目された歌手。 アルバム『ハルモニオデオン』『HOPE』『モザイク』はそれぞれオリコン5位まで行ってTV番組にもそこそこ出演していたので、特定の年代の人なら聞き覚えのある曲もあるでしょう。 一番売れたのはアニメ映画『アルスラーン戦記』

遊佐未森の『潮騒』がヤバかったので全アルバムを聴いた(その4)

遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいまだ言うかという感じですが、この記事で伝えたいのは「遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいからみんな聴いたほうがいいよ!」という一点です。 遊佐未森の音楽はどう進化してきたのか?シンガーソングライター期 さて、『ブーゲンビリア』のリリースから『休暇小屋』のリリースまで3年の期間が空きます。 この間に何があったのかは分かりませんが、ここでガラッと音楽性が変化します。 『休暇小屋』で展開されるのはアコースティックで素朴な音楽です。 音数は少なくフ

遊佐未森『潮騒』と呼応する音楽

結論先に結論を書くと、遊佐未森『潮騒』と時代を共有しているのは坂本美雨『birds fly』ではないか、というお話です。 遊佐未森と同時代の音楽遊佐未森は孤高の音楽家というわけでもなく、同じ時代の音楽と常に呼応しながら音楽を作ってきた人だと思う。 分かりやすいところでは、90年代のケルト音楽ブームから『水色』(1994)が生まれ、00年代のエレクトロニカブームから『Bougainvillea』(2003)が生まれている。 これは遊佐未森が感度の高いリスナーでもあることを示