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遊佐未森研究

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遊佐未森の音楽に関するアレコレ。
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#音楽

遊佐未森の『潮騒』がヤバかったので全アルバムを聴いた(その1)

遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいこの記事で言いたいのは「遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいからみんな聴いたほうがいいよ!」という一点です。 遊佐未森って誰?遊佐未森といえば90年代前半に幻想浮遊系ポップス、叙情ロック、ネオアコの旗手として注目された歌手。 アルバム『ハルモニオデオン』『HOPE』『モザイク』はそれぞれオリコン5位まで行ってTV番組にもそこそこ出演していたので、特定の年代の人なら聞き覚えのある曲もあるでしょう。 一番売れたのはアニメ映画『アルスラーン戦記』

遊佐未森の『潮騒』がヤバかったので全アルバムを聴いた(その2)

前回の続きです。 遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバい繰り返しになりますが、この記事で言いたいのは「遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいからみんな聴いたほうがいいよ!」という一点です。 遊佐未森の音楽はどう進化してきたのか?前回はメルヘン期の話まで書きましたので今回は模索期から。 模索期 メルヘン期は『HOPE』『モザイク』で完成を見てしまった。 そうなると次が難しい。 ここから次の音楽性の模索が始まります。 ベスト盤『桃と耳』を挟んでリリースされたのが『momoism

遊佐未森の『潮騒』がヤバかったので全アルバムを聴いた(その3)

遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいしつこいですが、この記事で言いたいのは「遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいからみんな聴いたほうがいいよ!」という一点です。 遊佐未森の音楽はどう進化してきたのか?エレクトロニカ期 さてエレクトロニカ期です。 ここはアルバム『ブーゲンビリア』のみ。これがなかなか異色のアルバムで。個人的には大好きなアルバムです。 世間の動きとは関係なく自分の音楽を追及すると思われた遊佐未森が00年代前半のエレクトロニカブームに乗っかったのがこのアルバムです。

遊佐未森の『潮騒』がヤバかったので全アルバムを聴いた(その4)

遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいまだ言うかという感じですが、この記事で伝えたいのは「遊佐未森のアルバム『潮騒』がヤバいからみんな聴いたほうがいいよ!」という一点です。 遊佐未森の音楽はどう進化してきたのか?シンガーソングライター期 さて、『ブーゲンビリア』のリリースから『休暇小屋』のリリースまで3年の期間が空きます。 この間に何があったのかは分かりませんが、ここでガラッと音楽性が変化します。 『休暇小屋』で展開されるのはアコースティックで素朴な音楽です。 音数は少なくフ

遊佐未森の『潮騒』がヤバかったので全アルバムを聴いた(余談)

そもそもなんで急に遊佐未森を聴きたくなったのか。 『潮騒』は2021年06月23日リリースなので、実は現時点でリリースから3年近く経っているのですよね。 きっかけになったのは実はこちらの動画。 俳優の濱田マリさんが歌うモダンチョキチョキズの「素敵な空気」。 まあ、これも2022年10月06日公開なので結構前ですが… これだとちょっと分かりにくいかもしれないですが、原曲を聴くとモロです。 ね、初期の遊佐未森まんまでしょ。 「素敵な空気」発表当時、モダンチョキチョキズと

遊佐未森『潮騒』と呼応する音楽

結論先に結論を書くと、遊佐未森『潮騒』と時代を共有しているのは坂本美雨『birds fly』ではないか、というお話です。 遊佐未森と同時代の音楽遊佐未森は孤高の音楽家というわけでもなく、同じ時代の音楽と常に呼応しながら音楽を作ってきた人だと思う。 分かりやすいところでは、90年代のケルト音楽ブームから『水色』(1994)が生まれ、00年代のエレクトロニカブームから『Bougainvillea』(2003)が生まれている。 これは遊佐未森が感度の高いリスナーでもあることを示

Spotifyのデータから遊佐未森を分析する

さて、みんな大好きSpotifyですが、開発者向けにAPIが開放されておりいろいろなデータを取得できます。 これでちょっと遊んでみましょう。 以下すべて2024年3月時点での情報です。 Spotifyに存在する遊佐未森のスタジオアルバムSpotifyに存在する遊佐未森のスタジオアルバムは以下の14作品でした。 『水色』『roka』『ECHO』『庭』『small is beautiful』『honoka』『Bougainvillea』と『檸檬』が来てないみたいですね。 よ