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あけまして


 元ホテさんって普段どんなことしてるんですか? というような質問を立て続けに2件ほどいただきました。
 暦なんていうものは人間が恣意的に決めた区切りですが、慣習に則って「新年の抱負」じみたものを書き連ねてみようと思います。

 元ホテという人格は、私がギャンブルについて発信するために用意したアカウントです。なので、元ホテをご覧いただいている方々からしたら、年がら年中ボートをしている狂った人間に映るでしょう。ですが、私の興味の中心はギャンブルではありません。
 昔から認知科学という分野に関心を寄せており、大学では「脳内の神経活動を最大化するという意味でのリアリズム」なるものを学んでいました。意味が分かりませんね。こういった範囲は非常に学際的で、哲学や経済学はもちろん、一般的な心理学から物理学まで、とても幅広い知見が求められます。私の足りない脳みそではどれも中途半端で、結局なんの成果も出さないまま、歌舞伎町で腐る青年時代を過ごしました。

 科学という世界では、賭博についてとても多くの研究がなされています。認知科学でも同様で、人が賭博に対面したときにどのような振る舞いをするか、いたるところで目にしました。論文を3本読めば最低でも1ヶ所はギャンブルに言及されているような有様です。
 これだけ研究の俎上に載せられるのに、賭博にフォーカスして逆応用科学のようなアプローチをする人はほとんどいません。学者はそれほど暇ではないのでしょう。ギャンブルはあくまで一例、どうしたって娯楽。世界の中心にはならない。
 でも、思うんです。人生の本質は遊びだと。どんな研究だって、明日楽しく幸せに生きるためにある。ギャンブルというキングオブ退廃的娯楽を通して「何か物凄いこと」が見えたら、面白いじゃないですか。

 なぜわざわざギャンブルというフィールドでそんな小難しいことを考えているのか、それについてはいつか長い記事を書くことにして(実は半分くらいできあがっています)、ここでは今年どんなことをしていきたいかを記すにとどめます。
 2022年は、それはもう様々な人のご協力のおかげで、競艇というフィールドで科学的な論証をする土台が整った一年でした。考えてみれば凄いことです。競艇は年間5万以上のレースがあり、そのほとんどに120点の買い目があり、合計で2兆円以上の金銭が動いています。シンプルにして巨大な市場。これって、学術的な思考をする場所としては最適なんです。競馬ほど市場が成熟していないという点もありがたい。
 こんな背景から、競艇市場に関する仮説をいくつか立ててあります。それぞれについて発表していくような1年にしたいです。具体的には、

👉先入観や思い込みに関する解析
→それを排除した投票システム(ファクトフルネス)
👉潜在認知の次元で考える回収率向上
→単なる「メンタルトレーニング」を超えた実践
👉ネットワークに関する研究
→どんな情報がどのくらいオッズに影響するか
👉競艇におけるシェアド・リアリティの言語化
→人はどうやって買い目を決めているか
👉「物語る人間」とギャンブルの結び付け
→人はどうやって「買い目の決め方」を固定していくか

 などなど。枚挙に暇がありません。もっと興味をそそりそうなタイトルを挙げるなら、

134BOX完全攻略!!
大穴を狙うべき番組!!
その情報は稼げない!!!

 みたいになりますが、何となくおさまりが悪いので、記事はいつも通りちょっと格好つけたスタイルで上梓することになると思います。

 いつも小難しいことを考えているようで、根っこはいつだって「もっとこの世界について知りたい!」だけです。そして知ったことは誰かに伝えたい。常にその欲求に突き動かされています。
 100年近く前に、ゾラ・ニール・ハーストンという民俗学者がこんな発言をしています。

研究とは好奇心の体裁を整えたもので、いわば目的を持った詮索である。

 2023年も、子供のような好奇心で世界を探索し、その延長線上に皆様との交流があれば、私という人間は幸福で満たされます。

 あけましておめでとうございます。読者諸兄の一年が、知的好奇心で満ち溢れた素敵なものでありますように。
 そして願わくば、今年も私の発信を、素敵な人生のライブラリーに加えてください。スラムダンクとブリーチの間で結構です。雑に挟んでおいていただければ、それが最上の悦びです。

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