電車移動の一日
朝7時に起床。今日は10時半前の電車に乗ってマルメー経由でシムリスハムンに行く。外は風が吹き寒い。
朝ごはんは、オスカルの彼女ナジャ特製フルーツいっぱいのスムージーとオスカル特製のターメリックホリッジ。そしてスイカ。2泊のヴィーガン生活でかなり腸が活発になった気がする。
9時半にオスカルの運転でヨーテボリ中央駅まで送ってもらう。オスカルは本当に歴史から雑学から駄洒落からなんでも知っていて、話が尽きない。
今は裁判所で働いている法律のプロだが、学生時代は日本の文化を学ぶ為日本へ計3年の留学をしていたり、バンドをやったり、船で生活したり、今もやりたいことが沢山あると言う。そして例の施設を立ち上げたお父さんは生粋のアナーキストで今世界を飛び回っている。飛び回っているというのは、正にハングライダーで飛んでいるのだ。YouTubeをやっているらしく、見せてもらうと自作のブルースをBGMにかなり過激なハングライダー動画を上げていた。その他、セーリングやサーフィンなど多趣味だ。
あっという間に駅に着き、お礼を言って別れた。
出発までの間に軽食を買う。セブンイレブンで買った値札のない美味しそうなサンドウィッチが会計時1,000円近くしたのが最悪だった。
電車に乗り込み、指定席に座るとまさかのクワイエットルーム(声を出したり物音を立ててはいけない部屋)だった。予約時そんな席を指定したはずもないが仕方なく座った。しかし案の定僕らは家族連れなのでクワイエットルームからは全く歓迎されていない。現に後ろの席の女性に睨まれ、シーっというポーズを何度もされた。
出発すると、放送がありみんな席を移動していく。何も分からなかった僕らは席に座ったままだったが、駅員さんが来てチケットを見せると、どうも車両の変更があったらしく、僕らは移動できた。そしてお詫びのシナモンロールを貰った。あのままクワイエットルームに居る度胸はない。あの場所は、本当に静かで皆んなが神経質に音を探しているのだ。
順調に進んでいた列車がヘルシンボーイを過ぎた辺りで急に止まった。アナウンスが止めどなく流れる。
どうもこの先で信号のトラブルがあったらしい。直ぐに動くだろうと考えていたが一向に再開のアナウンスがない。近況報告のアナウンスは、復旧の目処は立ちませんと言うばかり。止まってから1時間が経つ頃、外で新鮮な空気を吸っていいですよ。というアナウンスが流れ数人が外で身体を伸ばしていた。
車内はやれやれといった雰囲気で皆んな家みたいな体勢でくつろいでいる。お昼に差し掛かったビストロ車両は満員御礼だった。
止まってから二時間後、コーヒーを片手に車掌さんが外で笛を鳴らし外の乗客を中に入れていた。やっと出発するようだ。
マルメーに着いたのは14時半を過ぎた頃。二時間遅れで結局4時間も掛かった。プラットホームに着くと、折り返しのこの電車を待つ人でごった返していた。
マルメーは暑い。お昼を食べ損なったのでご飯を食べに市場に向かう。日曜日は静かな街並み。
最近新しくなったというマルメーの市場。いくつか都市で市場に行ったが、スウェーデンはこういったスタイルなのだろう。
ファラヘルとフライドポテトを買った。とても美味しい。中途半端な時間帯だったが賑わっていた。
ご飯を食べ終えシムリスハムン行きの電車に乗る。乗客は殆どいない。車掌さんは暇なのかパントマイムのパフォーマーの様に駅ごとに乗ってくる少ない乗客相手にサービスしていた。
シムリスハムンに着いたのは18時前。風が吹き寒い。
日曜日の夕方、街にひとっ子1人居ない。家も暗くゴーストタウンの様だ。しかし、スウェーデンは家の窓にカーテンをしていないので、少し覗いてみるとどの家もローソクの薄明かりで食事をしている。生活の光に関して根本的に考え方が違っているのだ。
家の中が暗いからカーテンは要らないという。でも都心部の街中のマンションなどでもカーテンがないので、本当に生活が丸見えなのには驚く。
マッチ売りの少女が寒空の下、外から暖かい生活を覗き込むという情景が容易に想像できる。
海まで出てみた。少し散歩をする人が居るだけで完全に秋の海となっていた。
海岸では、サーカスを解体しているのか組み立ているのか、わちゃわちゃやっていた。スウェーデンでは大小幾つもサーカスが回っている。いろいろな所で目にする。
蔦を剥がした木板が絵の様になっていた。
雨樋を円形編みで覆っていた。
スーパーで食材を買い、バスでロエラの家に着いたのは19時半だった。
移動だけの一日。ノルウェー側からポーランド側にグルッと移動したのだからそれくらい掛かるはずだ。帰国までもう10日を切った。
2023,09,17
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