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イースタッド美術館

朝7時過ぎに起床。今日もパンと胡桃の朝食。誰も食べずに熟してしまった完熟のメロンを食べる。めちゃくちゃ美味い。

近くの農園のペーロンが誰でもとって良いと言うので、自転車のカゴいっぱいに取ってきた物を常に齧っている。甘くてとても美味しい。熟せばラフランスだ。

11時前のバスに乗ってイースタッド美術館に行く。
天気は良いが風が強い。耕作を終えた畑の土煙でモヤついている中、バスが猛スピードで走る。

12時前にイースタッド駅に到着。美術館は12時オープンなので広場でファラフェルを買って食べる。

強風吹き荒れる中、外のベンチで食べようとした所、宗教勧誘の二人組が「問題は抱えてない?」と近付いて来てベンチを占領されたので、少し離れた場所に移動した。この状況が問題だ。と言い返したかったがやめておいた。日本の駅前にもよく居る宗教の人たちだった。

美術館は、フロントが街のインフォメーションと一緒になっていた。入場料700円を払おうとしたが、システム更新で機械が使えないので後で良いと言い、早速展示を見る。コレクションに籾山さんの作品が展示されていてびっくりした。そして、遠くから「takahisa?」と声を掛けられた。まだ直接会ったことが無かったルンドのカルチャーセンターとのコンタクトを常に橋渡ししてくれていたアーティストのマリアンヌと偶然会うことができた。彼女はマルメーにスタジオを持っている。遠く離れた平日の昼間にイースタッドで会えたのは、かなり奇跡な事だ。

コレクションはかなり現代的な物が多く面白い。

建物自体、中途半端に古い感じがするのだが、フロアの壁を抜いたり、壁紙の色を変化させたりしていて開放的な雰囲気がある。
特に印象的だったのが、小さなフロアでは、スポットライトをあまり使わないことだ。家のリビング照明の様に、例えば天井の丸いライト一つでそのフロアを照らしている。
日本の中途半端に古い市立美術館など、あまり壁紙の色を変えたりしていない印象がある。十中八九白い壁と白い蛍光灯が基本だが、壁紙の色や照明の価値観を変えるだけでだいぶ印象が変わる気がする。

よく、ロピスやセカンドハンズで売られている木彫りの人形たちの所在がようやくわかる展示があった。
農夫達の冬の過ごし方として、生活風景を木彫りで現し少しばかりの収入を得ていたという、民藝だったのだ。

ロピスなどで見るのは色付きのものが大半だ。だいたいどこかが割れていて完品はそう見ない。
長い冬を少し感じれた気がする。

企画展は、Richard Johanssonの展示が行われていた。
アメリカとスウェーデン文化を題材に、階下で展示してあった様に民芸的手法を用いたり、既製品を模したりしながら、コミカルかつアイロニーな造形を造っている。

造形が細かく、様々な手法を用いている。

音楽など交えながらかなり面白い展示だった。

そう言えば、スウェーデンの美術館コンストホールなどではこのタイプの椅子が必ずおいてある。鑑賞者が座って鑑賞できる様になっているのだ。

ヨハンソンの展示とリンクしてか、ワークショップルームには本物の車やモチーフがたくさん置かれていて、画材もたくさんあった。
美術館の機能としてワークショップルームの役割は大きく、美術館へ行けば誰でも自由に様々な画材を使って創作が出来るという創作の受け皿は絶対に日本にも必要と感じる。

帰り際、受付で入場料を払うとビックリされ、ありがとうと何度も言われた。もしかして、最初に言っていたのは機械が使えないから払わなくて良いと言う意味だったのか?どちらにせよ気持ちよく帰ることができた。

街ブラをする。ブラックベリーが日本で言う葛の様に蔓延っている。ブラックベリーは美味しいが、棘がたくさんあるので相当厄介だろう。

高校脇の広場にあったパブリックアートはかなり刺激的だった。

以前一回来たことがあるが、イースタッドの街並みはかなりコンパクトで雰囲気も良い。

17時過ぎにロエラの家に帰って来た。シャワーを浴びて日本から持って来ていたマルタイラーメンの最後の袋を食べた。

2023,09,20

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