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ガリチニクとお別れ

8時に掃除の音で目覚めた。
今日はガリチニクを出発する日だ。

ベッドカバーやタオルなど袋に詰める。もうガリチニクの夏は終わったのだ。この家は来年の夏まで休眠する。

ベッドにカバーをかけて片付けが終わった。
8/12から滞在していたガリチニク。毎日のアクティビティと会話であっという間に過ぎてしまった。

サクッと朝食を済ませる。
ゴミを回収したり、外の物を倉庫に入れたり慌ただしく動く。
車に荷物を詰め、出発する。

途中、羊飼いが数百匹の羊と牧羊犬数匹を連れて歩いていた。しばらく車は動けない。

一時間ほどで、ビゴルスキー修道院というところに着いた。とても歴史ある修道院で、胡桃の木を使った彫刻がとても美しかった。格式あり、スカートなど露出しての拝観は出来ず、内部の撮影も禁止だ。
内部はシャンデリアのように天井から金工細工が沢山吊り下がっていて日本の寺院そっくりだった。

内部は狭く火災の危険(過去火災で一部焼失した過去がある)があるからか?ローソクを供える台は外にある。

湧水が多く流れていて、泉の聖水を持ち帰るボトルが売られていた。一個50円ほど。

修道院を後にして、20分ほど車に乗り昼食に向かう。

とうもろこしの主食を羊のヨーグルトに付けて食べる。おかずはサラダちチーズ、きゅうり、トマトだ。しっかりお腹に溜まる。

昼食を終え、スコピエに向かう。
途中、路上で何か売っている人の前で車が止まった。運転手のおじさんが話し込み、味見している。チーズだという。結局買わずに出発した。このようにハチミツやスイカなど至る所で売っている。

ちなみに、このドライバーの運転は驚くほどに荒い。日本だと完全に逮捕されているくらい危険極まりない。人柄は良いのに残念だ。最後まで同乗の皆んなは気が気じゃなかった。

昼食の場所から1時間半ほどでスコピエのホテルに着いた。茹だるような暑さだ。スコピエの気温は38度だという。今まで肌寒い生活をしていたので、久しぶりにというか、今年初めて夏を体感した。
部屋に荷物を置き、近くのスーパーへ行ってみる。

とても綺麗なスーパーで店員がとても多い。
マケドニアで初めて街のスーパーに来たが、物価が驚くほど安い。この大きなスイカは、130円だ。

一緒に行ったラーズがタバコを買っていたが、有名銘柄で一箱360円。一昔前の日本のようだ。
ホテルから10分歩いただけで汗だくになる。

みんなで歩いて中央広場へ行くことになった。ホテルから徒歩40分かかる。日陰は風があって少しはマシだ。

既視感のある建物があった。これは教会なのだが、何かに似ている。たぶん代々木体育館だ。
調べたところ、なんとスコピエ大地震の復興として丹下健三がスコピエの建築に大いに関わっていたのだ。ざっと調べただけでこの建築が丹下作なのか定かではないが、この造りはきっとそうだろう。

グラフィティも独特でステンシルのものが多い印象。

そして中央広場にやってきた。とても巨大なアレキサンダーの彫刻が聳え立っていた。人はまばら。

広場を中心にとにかく巨大なブロンズが多い。これにはある所以がある。

広場から石橋を渡り、旧市街地の入り口でコーヒーブレイクをする。セルビア出身のアニカが頼んでいたのはbozaというジュース。少し飲ませてもらうと、甘酒のような味がしてとても美味しかった。これはキビを発酵させた飲み物らしい。
カフェで話をしているとお年寄りや子供の物乞いが来た。やる気のない感じでしつこくもない。

旧市街地は、イスタンブールみたいとエフィが言っていた。確かにトルコ系店が多い。

街路樹は背の高いイチジクの木で、沢山実をつけている。イチジクは皆んな大好きの様で沢山加工品が売られている。

トルコの有名なお菓子屋さんに入った。メチャクチャ甘いらしい。僕は買わなかった。

モスクの様な形をしたナショナルギャラリーを見学した。数ヶ月後、ここに展示することになる。

内部も独特で展示は監視員などは居なくて、古い油画なども剥き出しに展示されている。

建物としても面白い。このような古い建物は大地震でほとんどが崩れててしまったらしく、貴重な遺産として残っている。

ジェラート屋が多い。大体が1ユーロ。レッドブル味のものがマストで入っている。

陽が暮れて人出がとても増えた。日中閑散としていた廃墟の様な屋台もオープンし始め、さながら千と千尋の神隠しみたいな雰囲気となっていく。

この石橋は特に物語性を持って彫刻が置かれている。というのも、マケドニアがマケドニアである理由を表しているのだ。この橋を渡りながらそんな話をセルビア出身のイェレナがしていると、たまたま通りかかった子連れの3、40代くらいの父親が英語で反論して来た。
かなり高圧的にマケドニアは間違っていない様な事を言い去っていった。

彫刻に記されているプレートがどれも黒く塗りつぶされているのをみると、マケドニアの抱える問題がわかる。

昼間とはうってかわって人が多い広場を抜けて、さよならパーティーへ向かう。
アレキサンダーの足元からは昼は止まっていた大量の水が流れ、とても格式高く聳えている。

道すがら見つけた空手道場のポスターだが、日の丸を打ち砕くビジュアルは、皮肉にも日本を逆撫でしているようだ。

パーティーは、マケドニア料理のフルコース。とても美味しい。乾杯は、いつもラキアというバルカンのリキュール。初めはキツすぎて辛かったが段々好きになって来た。

マケドニアでは、この大きなトマトがいつも食卓にあった。ジューシーで味が濃くて美味しい。
午前0時を回りハグをして解散となった。数人が最後のお別れとなり、ホテルに泊まる6人のみとなった。
明日は最終日。スコピエを少し観光する。

2023,08,20

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