地獄

試験なんてクソ喰らえ。端藤です。

お久しぶりです。活字のリハビリとは言っても毎日続けるのは無理でした。結局こういうのは気分が向く時にやるくらいが丁度いいということです。

今日は地獄について語ります。


地獄と言っても今日記すのはあの世のことでも舞台の奈落でもない。今日の私の心情を表す言葉がただただ地獄なのである。

試験後の楽しみとしていた好きな漫画の新刊が2作品とも地獄だった。ただそれだけだ。しょうもないと思う人もいるかもしれないが、私にとっては大事なことなので是非目を瞑っていただけると有難い。

昨今の少年漫画において人が死ぬのは決して珍しくない。私が好きな作品においても敵と死闘を繰り広げる展開は多く、その過程で命を落とすキャラクターも少なくはない。その死に様に昔から何度も涙を流したものである。

幸いなことにどの作品でも最推しが死んだことは殆どないが、命散りゆくその瞬間まで彼らがどのような想いで生きてきたかを知る読者としては敵味方関係なく魅力的なキャラクターの死は胸が痛む。例えそれまで悪逆非道の限りを尽くした憎むべき者だとしてもその背景次第で涙腺が緩んでしまう。勿論、本当に救いようのない者もいるがそれはそれで清々しい。そのまま派手に散ってくれ。過去の過ちの報いを受けてくれ。

そう、私にとってキャラクターの死とは悼むべきものであり、乗り越えるものであり、(言い方は少々不謹慎かもしれないが)今後の展開への影響に胸を躍らせるものであるのだ。それがどうだ。今日読んだのはどちらにも救われない死があった。辛い。作者様は悪魔か。

元々その類の作品ではある。それまでにも死の描写は当然あったし、勿論その時も辛かった。

それにしても今回は救いが無さすぎたのだ。まさに地獄である。

でも面白かった。面白かったのだ。面白かったけど地獄。紛れもなく地獄。予想してた地獄よりも地獄。等活地獄かと思って身構えていたら阿鼻地獄だった。何故だ。何故こんなことが出来る。作家という生き物は実に恐ろしい。

結局のところ、読者は作家(+編集部)に振り回されることしか出来ないのだ。作家がキャラクターに死を与えたならば、私達はその死を時間をかけてでも受け入れるしかない。今日は苦しいかもしれないが、明日起きたら気持ちも落ち着く。落ち着いたところで改めて読み直す。ゆっくりでいい。読み直すことで新たな発見もある。中には辛さに耐えられなくて作品から離れる人だっている。作品との向き合い方は人それぞれだから仕方ない。それでも、私は最後までその物語の行く末を見届けたい。地獄だって彼らの物語には必要不可欠なのだ。次の巻が出るまで地獄だってしっかり味わって楽しんでやろうじゃないか。