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日本の厚生年金が高すぎる件について

日本の厚生年金がシンプルに高すぎる。

日本人が貧困化していると騒がれ始めてからしばらく経つがが、その原因の一端に国から徴収される社会保険料が挙げられるのはもはや疑いの余地がないだろう。

そもそも社会保険料とは何かと言うと、国の社会保障システムを運営するために国民から徴収されるお金である。あなたの収入と手取りが違うのは社会保険料が天引きされているからである。(税金も給料から天引きされる。)

そして社会保険料には健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料があり、それぞれ異なった社会保障システムを運営するために徴収されるのだが、この中で今回ピックアップしたいのは厚生年金保険料についてである。

皆さんは自分の厚生年金保険料はいくらなのか把握しているだろうか。少し計算してみよう。

例えば、月収が30万だとしたら、厚生年金保険料は約56000円である。

厚生年金保険は労使折半、つまり労働者が保険料の半額、企業がもう半額を出すことになっている。

つまりあなたが直接国に払う金額は半額の28000円ということになる。

一見企業が保険料を半分払ってくれる神システムのように感じるかも知れないが、これは国が巧妙に仕掛けたトリックである。

なぜなら企業側から見れば、給料だろうが保険料だろうがただの人件費だからである。元々人件費に使えるお金が33万円あって、あなたに30万、国に3万払っているだけである。少なくとも、筆者が経営者ならそういう試算をする。

その観点で見ていると、あなたの給料のはずだった33万から約6万円、およそ20%が厚生年金保険料として政府に徴収されるのである。厚生年金保険料だけで収入の2割を毎月持っていかれているのである。それに加え、その他の保険料や税金まで毎月巻き上げられるのだ。

これでは一般国民はまともに生活していくことは難しい。

さらに言うと、これほどまでに高額な保険料を払っているのに、この制度自体も大きな問題を抱えている。

現役時代に厚生年金保険を払うことにより引退後に国から厚生年金が支給されるが、その支給額の月額平均が平成30年度は約145000円だったようだ。

単純計算して毎年の支給額は約174万円程度。

一方支払った厚生年金保険料の総額は月収30万円で40年働いたとしたら企業分も含めて大体2700万円である。

つまり元をとるためには2700÷174で約16年かかる。

年金の受給は65歳開始のため、元をとるためには81歳まで生きなければならない。

働き始めからせっせと納金させた挙句、80代前半まで生きなければ元すら取れない、これほどひどい話があるだろうか。2700万円分の機会損失を起こしていると考えると、実際の損害額は遥かに大きい。

また厚生年金保険は支給額や支給年の繰り下げも過去に行われている。今後このようなことが再び起こらない保証はない。そうなれば最早元本すら支給されない事態も起こり得る。

もちろん厚生年金は引退世代を社会で支える大事な制度だ。元が取れる取れないの単純な話で議論していいものではないことは100も承知である。

しかしその上でこうしたお金に関する事実は知っておくべきだ。日本はここ30年で一気に貧しくなり、個人の所得もじわじわと減り続けている。

そんな貧困化していく社会の中で、自分の家計をどうやってやりくりするかを考えた時にやはり社会保険料というのは無視できないのである。

最早日本は豊かな国ではなくなったことを自覚し、国民一人一人が適切なマネーリテラシーを持つことがこれからの一般国民の義務であり、権利であろう。


今回は計算等々を簡単にするために大分アバウトな数値を使用した。正確な数値を知りたい方はご自分で計算頂ければと思う。


サポート非常にありがたい。あなたのサポートを胸に、これからも邁進していこうと思う。