『クソゲー』『ゲームバランス滅茶苦茶』と言われることもある。forを経て出来上がったスマブラSPというゲームの根本的な問題点と構造的限界について


※この記事内で、筆者はスマブラの問題点を色々上げているが、それはあくまで『ガチゲーとしての遊んだ場合の筆者個人の考え』を言語化したものにすぎない。
スマブラは元々そういうゲームじゃないのだから、文句があったとしてもプレイヤーがゲームとの向き合い方を考えるべきであるというスタンスに至っている。
スマブラが真面目に遊ぶプレイヤーも遊ぶことができるゲームというだけで、真面目なプレイヤーのために作られたゲームではない、というのは遊んでいて気付く話だからだ。








筆者がその異常に気付いたのはスマブラSP発売日、プレイ初日のことだった。

『あれ? スマブラSPって、多彩な立ち回りをする丁寧なプレイヤーよりも、空Nをぶんぶんぶんぶん振るだけのアイクやロボットの方が強くないか?



・ガチ勢にとっての本作のゲームシステムの根本的な問題点。

①オフ勢の言うことを聞きすぎた結果、オンラインが極端におざなりになった悲惨すぎるゲームバランスに。

大前提として、スマブラspは入力遅延が結構というか相当ひどい。他のゲームをやってからスマブラをやると非常にわかりやすく、デフォで5-6fの入力遅延がある。
その上で、本作のNintendo Switch onlineは安定度を重視したネットワークシステムだ。安定性を重視しており、色んな人が遊べるように(要は回線弱者にも人権があるシステム)なっているため、そこからさらに4-5Fのオンラインの遅延が加わるようになっている。

これのせいでとにかくゲームの操作がもっさりに感じる。

なのに、ゲームスピードが速い。4F差で相手の場所がまるで違うのはゲーム性に問題がある。

また、オンラインの遅延を考えていないようなレベルのガードシステムの弱さ(遅延があるのに)がある。

ガードを弱くする意図は理解できる。ゲームとして何もしないことに対してペナルティをつけたいんだろう。攻めた側が強いというのはゲームとしては正しい。

しかし、共通システムを弱くしすぎた結果、今作では真っ先にガーキャンの格差が表出した。加えてスマブラはキャラゲーに特化しすぎて飛び道具が主体のキャラが大量に存在するため上記の前提(攻めるのが正解なゲーム性)が全て破綻している。

格闘ゲームなどでは、一般的に飛び道具が主体のキャラは飛び道具のダメージと拒否でじわじわと有利を取っていくものなのだが、スマブラというパーティゲームでは飛び道具始動でローリターン、ハイリターンなコンボに繋がってしまうようなおかしなキャラクターがあまりにも多すぎた。

加えて、飛び道具が強いキャラというのは、近寄らせないのがメインなので接近拒否は強いが近づかれて崩されると脆いというデザインでなければバランスとして帳尻が取れないのだが、スマブラの飛び道具キャラは近づいてからも普通に拒否やインファイトが強く飛び道具からのコンボも強いという(ガチ対戦ゲームとしてみた場合は)あり得ないデザインになっている。

そんな飛び道具最強伝説状態のスマブラ(これは昔からそうだけど)で、成立すら難しすぎる本作のジャストガードのシステムなどはオンラインでまるで噛み合っていないしジャスガを発動させるのも一苦労だ。

入力遅延+4~5Fの遅延がある状況下でガード解除と同時に発動するジャスガなど連続ガード以外には存在していないも同然
そしてジャスガを発動できたとしても謎の硬直が発生する関係で本作のジャスガは飛び道具に対して一切機能していない。

実質一つの防御システムが丸ごと機能していないようなもので、つまりオンラインのスマブラをガチで遊ぼうとする人は、システム面で不完全なゲームを遊んでいるということになる。

またオンラインでは遅延があるのも相俟って、飛び道具や強技の脳死押しつけが異常に強い。
遅延があるくせに後隙ほぼない出し得のとんでもない吹っ飛ばしの技だらけで、入れ込み相手に事故って試合が壊れた時のストレスも極大だ。
これ対する回答が細かなキャラクターの座標移動による差し返しなのだが、これだけゲームスピードが早くて遅延があるとそれすらもままならない。単純にオンライン行動全般が強すぎるので強すぎる行動の押し付け合いになってしまう。

VIPの上位層ですらこちらが常に接近している前提でワザを入れ込みまくるので、こちらが動かないで様子見していても何もない空間にジャンプしてぶんぶんぶんぶんワザを振り続けていたりする。しかも、それが実際強いゲーム性なのだからタチが悪い。
人の癖を見ていないというかこのゲーム性では一戦だけだとろくに人を見れない。先ほども言った通り、任天堂スイッチはデフォルトが無線で、商業的な目線から回線弱者にも人権を与えているゲームなので回線が悪くても落ちたりせずラグが発生しながら試合が続行されてしまう。

練習したいキャラが居てもVIP以下に落ちた瞬間に、極度に重いプレイヤーとマッチし続けるする。というかVIP入口くらい、それこそ魔境でもラグに遭遇する。ラグすぎるから戦いを諦めて、自滅するとペナルティを食らう

異常なゲームで、この環境で真剣にゲームと付き合うとストレスを感じやすい。

これらの劣悪な環境とオンラインに噛み合っていないゲームシステムから、同じ技のラッシュをされるのがわかっているのにキャラによってはどう足掻いてもそれを咎めることができないということが多々ある。(個々のキャラの技頼りになるため相性が出る)

オンラインでは相手を見るよりも牛のように突進し、強いボタンを連打して強行動を押し付けて相手を轢き殺した方が勝てるゲームなのだ。

しかも世界戦闘力の可視化や連勝したら戦闘力上昇量が落ちるというシステムのせいでほとんどのプレイヤーが連戦をしてくれないためVIPでは相手のことを理解しないまま勝ったり負けたりすることになる。ここまで行くともう統計的な行動の強さだけを磨いて押し付けるゲームだ。相手を見る、読み合いをする、相手の出方に適応する、という対戦ゲームとしての面白さはさらに薄まってしまう。

今作になってから最初は強いが戦い方がバレたら負け続けるというプレイヤーがかなり増えたように感じる。こういったプレイヤーは連戦に弱く、同じタイプのキャラクターに負け続ける。
オンラインの一先(行っても2先まで)の短期決戦の環境に適応しすぎて癖に対応する、立ち回りを変える、読み合いを回すという経験がないまま戦闘力だけ上げてしまった弊害が如実に出ている節がある。

②スマブラSPはシステム面のフォローが弱く。キャラの相性が浮き彫りになった。

ガードとジャスガやガーキャン等という平等の共通の防御システムが余りにも弱すぎたせいでキャラの相性を実力で覆せないバランスになっていて、これらが複合してオンラインはキャラごとに設定された強技や飛び道具を始めとする強行動を連打する入れ込みゲーになってしまっている

要するにオンのスマブラは丁寧な(上手な)プレイングが否定されやすいゲームなのだ。
オンラインをやっていると変な動きになるからやりたくないというプロプレイヤーがいるが、上手さよりも遅延環境下の強さを優先したら動きが歪になるのも当然の話だ。(今作オンラインオフラインの是非に関して、最上位層のプレイヤー間でやたら揉めている気がする……)



そして、キャラクターの調整はスピーディなオフラインでのプレイングを見越したものになっているのでキャラバランスもオンラインでは極端に歪になってしまっている。


「でも、ゲームバランスは前作の方が酷かったじゃないか!」



そう言う人は居るだろう。ただ、前作はバランスが壊れていた原因が違うのだ。


・スマブラforはシステム。スマブラSPはキャラクターのワザが強い

前作は全体的な技判定がSPよりも弱く共通のシステムが強いから、特定一部の上位キャラがただただ単キャラとして(システムで補えないくらい)壊れていただけで、それらの上位キャラを取り除けば本作よりも冷静に戦えるしゲームスピードも速くなく、ガードで丁寧にライン詰めもできたし横回避やガーキャン掴みという選択肢とそれに対する読み合いがある程度は機能していた。だから(ぶっ壊れキャラを除けば)オンラインでの全体のゲームバランスはスマブラSPほど壊れていなかった。

今作は共通の防御システムの主張が弱くゲームスピードも速くそのくせ遅延があるため個々のキャラに渡された(個性や技といった)壊し要素が凄まじくぶつかり合ってしまう(様子見ができないし見込みで振ることになるからぶつからざるをえない)結果、(ベヨネッタクラウドレベルの)圧倒的ぶっ壊れキャラが減った代わりに、(技量や対策で補えない)覆せないような一方的な相性カードが多くなりすぎている
前作以上に相性ゲーで、相性の関係で弱いキャラが多すぎるし、そいつらは不利カードで基本的に何やっても弱い


要はスマブラSPというゲームはforと比べて、プレイヤーの上手さよりもキャラクターの強さばかりを感じるゲームデザインになってしまっているのである。(特に試合数が少ないとそうなりやすい)
前作よりも遊んでいて相手のプレイヤーの思考がなかなか見えてこないし、キャラクターの技の強さばかりが目についてしまう。加えてガチ部屋が一戦抜けできるため遊んでいるプレイヤーのストレス値も高い。

1on1プレイ中に「こいつ何も考えていないだろ!」という怒号を吐くスマブラの知り合いを割と見かけるが、実際何も考えないで本能と入れ込みで戦った方が強いといえば強いのだ。

・どのキャラも雑な強みを持たせすぎて、前作よりも戦っていてイライラするゲームに


大乱闘スマッシュブラザーズSPで一番のゲームデザインとしての致命的な問題点(ストレス要因)は特定状況下に陥った時のプレイヤーが取れる選択肢の少なさにある。

①特定のコンボを喰らっている時(ローリスクからの確定バーストコンボ、即死コンボ)
②飛び道具を押し付けられた時
③判定の強い技を振り回された時
④崖外に追い詰められた時
⑤復帰をする時

これらの状況下に陥るとプレイヤーが判断を誤ったから死んだのだと納得ができないままキャラクターがそのままバーストしてしまう。(どうにもならない&その状況に陥った時点でキャラによっては即詰み)

そこで溢れる言葉が『しょーもな』『確定じゃん』『バカでしょ』『これはどうにもならん』『詰み』だ。スマブラSPは現状これらの言葉で溢れていて色んなキャラクターに対するヘイトが積み上がっている。

対策は防御力の高いハイスタンダードな強キャラを使うか、自キャラの強みを押しつけてそのまま勝つかのいずれかで対応、対処しようという発想を持ってはいけないのだ。(対戦ゲームとして見てみた場合、これはちょっとどうなんだろうか……)

構造を理解した上で、好きなキャラでちょっとでも真面目に取り組もうとすると嫌な思いをするゲームになってしまっているわけだ。

・個々のキャラの個性(強み)を出しすぎてオンラインでは前作と比べると読み合いの介入度が著しく低い。

言葉がきつい表現だが、スマブラSPのオンラインでは丁寧なプレイングが否定される。だから、誰がプレイしても(※もちろんきちんとうまさは出るが、前作と比べると)強い立ち回りの一方的な押し付け合いになりがちだ。読み合いが回るのなんて、それこそ上級者同士の2先以上の試合くらいだし。相性が酷いと読み合いが回らず、片方が必死こいて片方を攻略するだけの試合になる。

だから、無理な相性はとことん無理だし不利なものは一生不利で実力が並べば前作以上に覆せない。

冷静に考えればこれは当たり前の話だ。考えてみるとわかる。システム的にぶつかり合いを無理やり強要されている癖に、個性や技にウェイトがいっているゲームで、ゲームスピードが速く遅延があってキャラ同士の相性が悪いのなら、あとはお互いの個性を発揮してぶつかり合うしかない。だから、実力が並べば不利な側はただ負けこすだけなのだ。

前作よりキャラは増えた。個性溢れるキャラクターたちだ。しかし、その個性を押し付け合うゲーム性が立ち回りでの工夫の余地が減らしてしまっている節がある。

要は、ひたすらワザを擦って攻め続ける強い立ち回りがベースにあった上でのゲームでプレイヤーの工夫の余地や読み合いが少なくゲームスピードの速さとキャラの個性の押し付けが目立ち、スマブラSPのオンラインは前作以上にイライラするわけだ。

・『バランス良い』は大間違い(もしくは勘違い)

本作のバランスの良さというのは結局壊し要素がぶつかり合って出た結果だけを見て言っている物だ。お互い核爆弾を打ち合って当たったら勝ちの戦争ゲームのバランスが果たして良いか?というとそういうわけではないのは誰にでも理解できる話だろう。結局防御が弱い強行動の破壊要素だらけのゲームを遊んでいるだけなのだ。

同時に、オフのプロプレイヤーが今作を楽しんで遊んでいる(&オンラインを毛嫌いしている)のはとても理解できる話だ。
なぜなら彼らは本来調整班が想定しているゲームスピードでゲームを遊ぶことができているからだ。(最近はコロナのせいでオフ環境は崩壊したし、オフでも人権のないキャラは大量にいるけど……。スマブラはキャラゲーなのだからそこに文句を言っても仕方ない)

思い返していただきたい。スマブラforの時には技の強さランキングなんてものはほとんどなかったはずだ。
対戦相手に立ち回りをわかられないままごり押しで勝ち切るキャラピックなんて概念もなかったはずだ。
キャラ変に悩むプレイヤー達だってこんなにたくさんいなかったはずだ。

こんな風になった理由は簡単だ。ゲームスピードを早くしてガードとジャスガを弱くして、共通防御システムの介入が少ない環境下で技やキャラの個性を別々に強くし過ぎた結果、キャラの強弱、バランス調整の影響があまりにも重く、立ち回りや読み合いの技術介入度が前作より低くなっており、トッププレイヤーであってもこれを対策や修練で覆せない状態になっているのだ。(そんな環境下でキャラも増えたのでさあ大変、オンには遅延もある)

スマブラSPの上位キャラだけでなく下位キャラすら不快という現状こそが、これの証明になってしまっている。少なくとも従来作は、キャラが壊れていたように感じるが、ここまで特定のワザだけを延々擦られ続けるゲームではなかった。

・どうしてこんなことになってしまったの?

簡単に言ってしまうとキャラの強さ&技の強さというのはゲームを知らない初心者にもわかりやすい&アピールポイントになりやすい

あえてものすごく悪い言い方をするとスマブラSPは前作以上に大衆向けの集客目的に作られたゲームってことだ。

そして、『本懐はパーティゲームなんだからそれで良いと言われればそれまで』なのだ。

確かに技が強ければ初心者も楽しいだろう。わかりやすいだろう。ただ長期的な目線で見たら大味なゲームになってしまうことは避けられない。

理想論を語ってしまえば対戦ゲームというのは必要な操作を簡単にして、初心者がとっつきやすいようにゲーム内のシステムで上達の補助をするのが正解であってゲームそのものを初心者向けの大味なデザインに歪めるのは間違っている。(※とはいえ後述するが、スマブラはタイマンゲーとは断言できないからここに当てはまらない)


つまり、今作のキャラの相性にイラつく上級者がいる理由は、「ガノンの横スマつえーwww」と喜ぶ初心者がいる理由と同じというわけだ。

わかりやすい強みのぶつかり合いは覆せない大量の無理不利と理不尽を作り出してしまった。
それに加えて、遅延を改善できない環境下でオフプレイヤーの意見を取り入れてガードを弱くしてゲームスピードを速くし過ぎてしまった

本作を遊べば遊ぶほどに、調整班はオフのプレイヤーしか尊重していないことがよくわかる。

といってもオンよりマシというだけでこのゲームはオフでも半分くらいのキャラに人権がないのだが……。(キャラゲーなのでry)


結論:オンラインの大乱闘スマッシュブラザーズSPは真剣に遊ぼうとすると『デザインが破綻したキャラ多数の、突進飛び道具、強行動、未確認入れ込みブラザーズSP』であり、プレイヤーがその環境に適応して破壊を破壊で上塗りしなければならない歪なゲームである。



②レバガチャという概念

とまあそれだけ雑なゲームになっているくせに、プレイヤーの入力には何故か負担をかけているのがスマブラSPのよくないところだ。
例えば、埋めに関して今時連打をする、プレイヤーの反応や肉体性能に大きく寄るようなシステムを導入するべきではない。
値段の高いコントローラーの消耗の原因になるし、疲れるし、ゲームを遊ぶプレイヤーにとって力の入れすぎによって最悪腱鞘炎の原因にもなりうる
ぶっちゃ特定のボタンを押せば最速で抜けられるようにしておくべきだろう。

例えばドンキーのレバガチャからのリフダンクの操作ミス狙いなんて普通のゲームで存在を許されるべきじゃない。
運否天賦の要素が多すぎるし、オンラインでは発生頻度もゲムヲのジャッジなんかと比べ物にならないくらい多い。エンジョイ勢が遊ぶ時も笑える要素かというとうーん……ちょっと怪しい(むしろ延々やられて喧嘩になりそうな……)

これは嫌ならさせるなとかそういう問題ではなく存在自体を許しちゃいけない気がする。

どんな層が遊ぶにしてもレバガチャはワンボタン。ワン入力で行えるようにするのが理想だと感じる。

連打力や反射神経で競ったり遊びたいならそれこそ体力測定でもやっていれば良いだけの話で、この二要素は対戦ゲームだろうとパーティゲームだろうと必要ない。エンジョイだろうが、ガチだろうが、ストレス要素を繰り返しやらされると疲れるしイライラするのは変わらない。

③ずらしに関しても同じ
ヒットストップずらしも早ければ早いほど良いみたいなシステムにするべきではない
半月ずらしなど論外だし、技によってスティック倒しが最適か半月ずらしが最適か統一されていない点も良くない。(例えばネスのPKファイヤーはずらすよりスティックを倒しっぱなしにしたほうが早く抜けられる。ずらしの方法が統一されていないのはどんなプレイヤーに対しても不親切極まりない仕様だと思う)

というより、ずらしという概念を取り払って、どんな技にも大きくベク変をしやすくするゲームではダメなのだろうか? そう言いたくなるほどに、スマブラSPはローリスクからのハイリターン確定コンボが多すぎる。

ルイージの即死は公然のつまらない破綻したキャラの筆頭で、キャラ変で大きな差が出る要素だが筆者的に言えば、ミスター任天堂ことマリオすら、確定コンボが多すぎるため(システムの関係で)クソキャラに該当してしまう。

ベク変の読み合いの結果に起こるバーストは楽しいかもしれないが。オンライン環境下でピカチュウが下投げを雷のほぼ確定コンボをぶっ放したり、ゲッコウガがバースト%になってローリスクな下強を擦るのは見ていてちょっとどうなのかと思う。

確定コンボは短かろうと長かろうとつまらない。長いコンボの場合、食らっている時間中、プレイヤーは何もやることがない。
ステックを倒すだけで簡単にベク変をしやすくして、色んな場所で読み合いができるようになった方がずっとずっと楽しいだろう。コンボに読み合いを入れるだけで本作の不快要素の6割くらいが解決する。

といっても、そんな調整をする義理が任天堂にあるわけではない(※後述)

④格ゲーコマンドはもううんざり。
スマブラSPではついにカズヤが参戦して格ゲーキャラクターは4体になった。元から格ゲーとは違う魅力のあるスマブラに格ゲーキャラを追加するにしてもコマンド入力を要求するのは間違っていると思う。

スマブラの格ゲーコマンドは『入力が難しいけれどそれができれば強い』という格闘ゲーム衰退の典型のようなシステムになっている。
具体例で挙げると、Aボタン連打でコンボ、ワンボタンで必殺技ができる格闘ゲームなどがスマブラと全く同じなのだ。
この両方が『結局頑張って(Aボタン連打より火力出る)難しいコンボや(ワンボタン必殺技よりも威力高い)コマンド必殺技を入力できた方が最終的には強い』という、要は『頑張って難しい入力を練習してくださいね』というデザインになっているわけ。スマブラの格ゲーキャラはこれと同じなのだ。

入力が容易で操作が簡単なのがスマブラの魅力なのに、そこにコマンドを頑張って入れた方が強いというデザインのキャラクターを多数参戦させるのはパーティゲームとして遊ぶ枠でも謎だし、気軽に遊ぶにしたって何かが間違っているような気もする

ちなみに、格闘ゲームキャラの不満点として自動振り向きという独自システムがあるが、正直スマブラSPはあまりにもキャラゲーに特化しすぎて対戦ゲームとして破綻している独自システムを持ったキャラクターが大量にいるのでこれは別に格ゲー勢だけの問題ではない。

ハッと思うかもしれないが、実際本作強い奴らは全員独自性が強い。


・『原作』が存在しているが故のキャラクターゲームの弊害
どのようなジャンルであれ、対戦ゲームとしての『キャラゲー』は(当然すべてがすべてではないが)バランスが悪いと言われることが多い。そうなってしまう理由は簡単で原作が存在しているキャラクターを全く違う、別のゲームシステムに無理やり落とし込んでしまうためだ。

・バランスが破綻したキャラって具体的に言えば何?

筆者基準で言えば、(※程度の違いこそあれ)ほぼ全部のキャラがこれに該当する。
本作どのキャラにも誰かしら文句を言っている人がいるが、理由は簡単でどのキャラもどっかしらクソになってしまっていてそのクソな要素をゲームのシステムで捌けず真正面から付き合わないといけないためだ。

本作のキャラは
技のヒット判定が大きすぎる(もしくはくらい判定が大きすぎる)
当てやすいローリスクハイリターンなとんでも技を持っている。
飛び道具が強すぎる。
確定コンボが長すぎるor強すぎる。(もしくは相手のコンボが入りすぎる)
特定のキャラに対して簡単に崖や復帰を詰ませる。(もしくは特定のキャラに対して簡単に詰む)
特定の技に立ち回りを依存しすぎている。(技と戦っている気分になる)
遅延環境下で使うのが困難。(もしくは遅延で付き合うのが困難)
キャラクターに搭載されている専用システム(ゲージやモードチェンジなどの独自仕様)が強すぎる。
長所と短所が釣り合っていない。

のいずれかにほとんどが該当する。被害者加害者合わせてあまりにも数が多すぎる。
破綻しているというか、個性の出し方があまりにも下手くそというか、このゲーム本当に馬鹿みたいなキャラ馬鹿みたいな死に方をするキャラの二種類しかいない。

先ほども言ったが、本当にベク変を今よりもやりやすくするだけで上記の問題の6割くらいが解決する。(つまり、上記の大半のキャラそのものが悪いのではなく本作のキャラクターの共通項である基礎部分のシステムが悪い)

要は本作、いろんなキャラクターが基本部分で破綻しすぎているため、特定のキャラを強化弱体したところで最早どうにかなるレベルではないのである。

ただ難癖つけたいだけだろうと仰られるかもしれないが、本作のキャラクターデザインはシステムからきちんと見直していけば改善することは可能だったりする。(しかし、それをやらないのは会社として労力と得られる対価が現状全く釣り合っていないためだ。そこはきちんと理解しなければいけない)


・楽しめているのならそれで良いし、ストレスを感じるのなら自分自身がゲームへの向き合い方を考える
スマブラspを遊んで気づいたことはやはりこのゲームどこまで行ってもキャラゲーで、むしろキャラゲーである故に真っ当なバランス調整は期待できないということ。
というかそんなことは当たり前の話で、原作が別に存在している個性的な87体ものキャラクターを調整しきるのは至難の業だ。個性をここまでプッシュしてしまっているゲームで、完璧な調整ができる企業はおそらく地球上に存在しないだろう。


冷静になって考えていただきたい。
特にガチ対戦の環境にずっと身を置いていると周囲のプレイヤーがガチプレイヤーだらけになるのでついつい勘違いしそうになるが、スマメイトをやっていたり大会に参加するような層はスマブラSPを購入したユーザーの内の数パーセントにも満たない
しかもスマブラSPは買い切り型のゲームなのでビジネス的にも細かな調整をする義理などないし調整を施しても金にならない
だから実際、調整は続けられることなく打ち切られた。

『スマブラはガチ勢向けのバランス調整をある程度意識しているはずなのだから、もっと◯◯も調整しろ』とお怒りになっているガチプレイヤーの方が結構居るが、スマブラに対してこういう発言をするのは流石に的外れと言わざるを得ない。

『ガチプレイヤーのために作られているゲーム』

『ガチプレイヤー”も“楽しむことができるゲーム』

とでは言葉の意味合いが全く違ってくる。

ご存知の通りスマブラはあくまで後者なのだから、批評を行うならまだし。過度にバランスに期待して怒り散らしたり、開発者を名指しで誹謗中傷したりするのは絶対に間違っている。(※同時に、筆者はスマブラがつまらないというプレイヤーの感情をそのものを否定したりするつもりもない)

これだけ色々とガチゲーとしての問題点を上げている筆者ではあるが、それはあくまでガチゲーとして遊んでしまった場合の感想であって、元々そういうゲームじゃないのだがから、文句があったとしても諦めるべきというスタンスだ。


だから、この記事の筆者の感想声高に主張するべき意見には決してなりえない。



Nintendo Switch Onlineという安定目的の通信環境が遅延を巻き起こし、パーティゲーム要素が真剣なプレイを阻害してくる。
カジュアル層向けのわかりやすい強さの技がストレスを増大させ集客用のキャラクターが独自仕様で暴れ回る。

イライラする感情を否定することはしないけど、それでも過剰にイライラして良いことはない。真剣に遊ぶプレイヤーは本来スマブラのメインのお客さんではないということをちゃんと理解しなければならない。スマブラを遊ぶのなら、その暗黙のルールを理解した上で向き合わなければいけない。

だから、スマブラというゲームに対していつまでもガチな調整を過度に期待する方がどうかしているし、イライラしないで自分のキャラクターをハイスタンダードな物に変えてみたり、他のゲームを遊んでみたり、ガチ勢が作ったスマブラライクのゲームを遊んでみたり、スマブラに対して向き合う自分自身の姿勢を変えるべきだと思う。




対戦ゲームバランスを除く、UIや灯火に関する筆者が感じた問題点はこちら↓

↓筆者が思うスマブラの現状についてはこちら


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